【教育】多数決は多い方が正解ではない?
仕事で知り合った校長と飲みながら話していた時でした。
私
「日本は高齢化社会だから、年配の人たちが手を上げたら、人数の少ない若者の意見は負けます。多数決だと老人のための国になってしまいますよね」
校長
「鈴氏さん、多数決は本来は意思決定をするものではないです」
私
「え?よく意見が割れたときに”では多数決で決めましょう”といって手を上げて多い方に決めたりしますよね」
校長
「まあ、そういうこともあると思いますけど、本来、多数決とはそのように使われるべきではありません。多数決は意思決定の際に”参考にされる物”です。正解でもありません。そして”少数派の意見をどうするか”という議論がとても大事です。また、どちらが選ばれたとしても互いの対話が大切です」
校長はあるエピソードを教えてくれました。
ある高校での話です。
コロナが収束に向かってる中で、文化祭が開催されることになりました。
生徒会のメンバーは、全学年にアンケートを取ったそうです
「コロナが開けつつある今、文化祭に校外の方を呼びたいですか」
9割が「呼びたい」
1割が「感染のリスクがあるから呼びたくない」
この結果だと多くの場合、多数決で「呼ぶ」に決まる気がします。
しかし、生徒会は話し合い「怖いと思う人が1割いるので呼ばない」という決断をしたそうです。そして9割の人たちと対話したそうです。
この判断が正しかったかどうか分かりません。
そもそも正解か不正解かというテーマでもない気もします。
校長が言うには、
「多数決は、意思決定する際の参考でしかない。」
「みんなの意見を聞きつつ、意思決定する人や組織(生徒会)は決断し、その決断の結果に責任を持つのが大事です。そしてその決断をした理由をきちんと対話して説明しないといけません。」
くはー、なるほど!!
大勢の意見が正解とされるなら、ずっと少数派の意見は無視されてしまいま
す。
・学校での多数決
・仕事での多数決
・政治での多数決
ほとんどのケースで、多い方が正解とされてしまっている気がします。
組織のリーダーは、いろいろな意見を参考にすべきだが、多い意見だからという理由だけで決めるべきでは無い。そして決めたことに責任を追う。もし数が多いだけを理由に決めたとしたらリーダーは責任を放棄しています。
ドキッとしました。
「天才を殺す凡人」という以前に読んだ本を思い出しました。
(タイトルは微妙なのですが名著だと思います)
新しいことやイノベーションを起こす人は、最初は少数派なので、多数決で負けてしまうという内容です。多くの人が賛成(反対)することは正しい事とされてしまうと。その話ともつながりました。
校長との会話は、多数決を考える機会となりました
数が多いからだけで決める危険性と無責任さについてです。
あなたは多数決をどのように使われていますか
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?