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【詩】実存おらぁ

あまりにも陰惨な太陽系を私は指さして
これでお願いしますと言ったばかりに
雨がビルに覆い被さる
どろどろと人の形が溢れ出した
生気を奪われたマリオネットが
階段からぶら下がっている
それも私の三倍ほどの大きさのやつだ
あまりに湿気がひどいので
傘の代わりにアイスで太ももを刺した
痛い目に合わせてくれないと空を飛ぶ夢を見えない
頭を斧でかち割られたいし
そのあと脳みそに甘い痺れが伝わりたい
川の切れ端に縫い付けられた宇宙人の
金属光沢が指し示す成育歴から出火した
Q.E.D.が瞳孔から私を犯そうとビルに覆い被さる
おのれ、雨やったんか、おい、出てこい
その注文書を書いたのは私です
死にたいっつってねぇよ
存在したくねぇっつってんだよ
こちとら
らぁ、おらぁ
実存いっぱつ、おらぁ

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