【詩】パンツに穴が
パンツに穴が空いていたので
最後に一度履いて捨てようと
お風呂上がりに履いてみた
穴に指を突っ込むと
太腿の付け根あたりに触れた
穴から触れる自分の体は
他人のように柔らかくて
普段とは違った角度から
自分を受け入れようとしてるみたいだった
しおらしい絹ごし豆腐のようだと
人差し指は感心した
触れられた太腿は戸惑っていた
突然開けられた穴からやってきた侵入者が
自分を乱暴に触るので
どうしたもんかと困り果てて
太腿は思わず
穴を見上げて微笑んだ
脳が今日の疲れを癒すべく
チョコレートを頬張ると
それによって歯茎は上へ上へ昇った
ちぐはぐで真っ黒な穴に
冷えた舌先を突っ込むと
内と外裏返しにされた私が
真っ赤な裸で生まれて歌った
また明日、またあした
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