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おじいちゃんのラブレター

お盆に母の実家にお墓参りに行った
緑に囲まれた仙人が住んでいそうな家
もう既に母方の祖父母は亡くなっていて
かわりに今年80歳の祖母の弟(母の叔父)が
ひとりで暮らしている

祖父は私が産まれる前、祖母は私が2歳くらいの時に亡くなったので全く覚えていない

母から2人の話はよく聞いている
祖母は寡黙で、料理やら裁縫やらが得意だった人
生まれた頃から家にあった、ピアノカバーとか
私のウェルカムボード?みたいな刺繍も
おばあちゃんが作ってくれたらしい

祖母が作ってくれた刺繍
48.5cmから私だいぶ伸びました


祖父は本と山が好きで
母の実家に行くと大量の本やら画集が置いている
教養のある賢い人だったらしい

昔、母にCMで聴いたシューマンの
トロイメライという曲が好き と言ったら
祖父も好きだったという話を教えてくれて
何となく嬉しくなった事がある
ただ道端で人目を気にせず大声で歌ったりする
ような変人でもあったらしい


そんな祖父母はもういないので
母の話でしかこれまで
2人を知ることは できなかったのだけど
今回のお盆の帰省で私の知らない
新たな2人の秘密を見てしまった

神奈川から帰省していた母の弟(なので私の叔父)と
押し入れを片付けてみようとなって出てきた箱
中身は祖母宛に届いた葉書や手紙

その中の多くを占めていたのは
祖父が祖母に送ったラブレター

元々たくさんラブレター送ってたというのは
母から聞いていたんだけど
もう実物はないと思っていた

というのも祖母は生前、仏壇の引き出しにしまっていて、葬式後にそこからなくなっていたので
自分が死ぬ少し前、恥ずかしいから
燃やしたんじゃないかと母が言っていた

それが出てきたのでまぁびっくり
おばあちゃん
捨てずに取っておいてくれてありがとう…

三度の飯より恋バナが好きなお年頃のわたし
この恋文、覗き見るのも2人に申し訳ないなと
一瞬は思いながらも、
次の瞬間には ニヤニヤ、ウホウホ…

封筒を開いて目もかっ開いていた

達筆?でなかなか読むのも難しいけど
肝心なとこはちゃんと読めました
おじいちゃん読みました

皆様にもちょっとお裾分け
ほんとごめんなさい、来年高価な酒お供えします

ニヤニヤベットで記事書いてる孫を見て
祖父母はなんというだろう

5枚にも綴られたこの手紙
内容的に初デートの後だと思われる
この前会ったお礼と思い出とちょっとの後悔と
近況報告と後はこっちが恥ずかしくなる
ストレートな愛の言葉。。
お返事で
「あまり率直じゃいけませんよ」
と言われたかしら。。

キーーー。ロマンチストー!!!キェーーー!!


私はキュンキュンすると同時に
ビデオも残ってなくて写真でしか見たことなかった
祖父と祖母を ものすごく近くに感じた気がした

人間味あふれる愛しすぎる2人…
この後結婚して私の母を産んで
その後私が生まれたとか超エモい

母いわく2人は色々苦労もあったみたいだけど
祖母はこの初心なラブレターの数々を
死ぬまで大事に取っておいたって
ほんとに胸アツじゃない!?

語彙力のない私の文章で
この尊さがかすみそう。。。

2人はどんなことを考えながら60数年の人生を
生きていたのかしら
すごく会って話してみたくなった

そしてこれを読んで私も自分の字で
何かを人に伝えたいなとか思ったりした

今じゃ電話やらLINEやらでパッと済ましちゃうし
時間もないし(これは多分言い訳)

人の字はその時、その人の気持ちが
如実に表れる気がして
なんかすごく魅力的に感じてしまった

これから頑張ってまた日記をつけよう!
誰かに自分の思いを伝える大一番には
絶対手紙を書こう!!!

私は開いたラブレターとがん開いた目を
静かに閉じてそう思った

というのをピコピコ携帯で打ってる。

おじいちゃん、おばあちゃん頑張ります。

知らない私のルーツがまだまだありそうだなぁ
と強く思ったお盆の帰省
誰かファミリーヒストリーやって下さい

おわりです

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