vol.38:費用対効果ではなく費用対納得
さて、今日は
費用対納得
というテーマで進めていきたいと思います。
#今日はちょっと長めです(約4,300文字)
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みなさんの関わっているブランドやビジネスモデルの対象は誰ですか?
toC、toB、官公庁…色々あると思いますが、
BOKURAのビジネスモデルで言うと、相手となる先は大抵、
・広報担当者
・マーケティング担当者
・社長
…あたりと商談させていただくことが多い。
商談を進めていく中で、
BOKURAという会社やサービス、一緒にプロジェクトを組むかもしれないメンバーなどについて、クライアント側に納得してもらった後に、必ず言われるのが、
『費用対効果』
です。
この費用対効果について、どんな風に説明し、理解を得てもらうのか…
これは長年の課題となっています。
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そもそも費用対効果とはどういう意味でしょうか?
費用対効果とは、 商品の製造や販売、管理などにかけた費用に対し、効果がどれくらい出たのかを示す数値 であり、利益額から費用を差し引くことで求めます。 英語ではbenefit by cost=B/Cと記され、日本ではコストパフォーマンスと呼ばれることもあります。
まぁ当たり前ですが、かけた費用に対してどれくらいの効果が出たのか…ということですね。
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少し昔の話になりますが、ぼくは新卒で日産自動車のディーラーに就職したんですが、その時は車を買いに来る人に費用対効果という言葉を言われたことが無かったなぁと。
多分、車を買うと決めてから来店されるケースが多く、営業側が費用対効果の説明や説得する必要が無かったんだろうな、と。
29歳頃にSpeeeというSEOの会社に就職した時に初めてこの費用対効果という壁にぶち当たった気がします。
『サイトが上位表示されると売上にどれくらい影響があるのでしょうか?』…といった具合です。
そして31歳頃にソーシャルメディアの業界に入り、更にこの費用対効果という言葉を聞くようになった気がします。
『SNSのフォロワー数を増やすと売上がどれくらい上がるの?』と。
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ぼくはサラリーマン時代、この
『SNSのフォロワー数を増やすと売上がどれくらい上がるの?』というネックから逃げていました。
クライアントからのこの質問に真っ向から答えず、
「いやいや、今の時代、SNSを使うのは当たり前だし、ただ使うだけじゃなくフォロワー数増やした方が良いじゃないですか」と。
いやー、我ながら酷い営業トークで発注してもらってお金をもらってしまっていたなと。。
扱っていたサービス自体も、
『100万円で1万人フォロワー獲得!』
…のような質ではなく量を求めるような…。。
結果ね、100万円もらえたら、CPやら広告やらなんやかんやで結局1ヶ月程度で1万フォロワー獲得できるんですよ。
でもね、数ヶ月後にその1万人中、酷い時は半分以上フォロワーじゃなくなっちゃうんです。
本当に今考えても、クライアントに恨まれてもしょうがないな、と思います。
(そんな内容を自信もって営業トーク磨いて営業しているのも、部下や新卒に対して同じようなことを強いるのが嫌になってしまって、もっと本質的なサービスを提供したいなと思って独立しました。)
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SNSの業界で言えば、ぼくがこの業界に入った2011年頃に比べればだいぶ
クライアント側のリテラシーが上がってきたなと思います
#ちょっと偉そう
面白いデータがあって、
日経BPの調査によると、
Q.ソーシャルメディア利用について効果を得られていますか?
…という質問に対し、『効果を得られていない:54%』
という結果になっています。
これだけSNSが普及してきて、世の中の多くの個人がSNSを利用するだけでなく企業のSNSアカウントでの情報発信などが当たり前になっており、さらに多くの企業がSNSやソーシャルメディアのマーケティング活動に多額の費用や工数をかけている現在、『効果を得られていない:54%』て。
これは、長い事この業界にいる僕だからこそ分かることだと思うんですが、明確に理由があって、
『関係性の薄いフォロワーを沢山増やすことに多額の費用を投下し、多くの工数を費やしたけど、売上につながっていない』
…という事だと思います。
あともう一つあって、
『SNSの効果を全て検証する技術がない』
…この2つかなと。
前者の、薄いフォロワー集めても売上につながらなかった…という話は聞けば当たり前だと思うんですが、やはり時代の流れや風潮みたいのがあったのか、多くの企業がフォロワー集めにやっきになったんですね。(今もまだある)
上の図で分かる通り、SNSを使ったマーケティング活動って
戦略立案→運用→ファン化→集客・刈り取り→効果検証
…とざっくり分けると5つのフローがあります。
この中の運用フェーズがめちゃくちゃ大変なのですが、フォロワー集めるってことは広告やキャンペーン(以降CP)を行えば比較的難しくないです。
それに比べて運用というのは本当に大変なんです。
どんな投稿をしたらいいのか?
どんな投稿をしたら多くの人に見てもらえるのか?
どんな投稿は人に嫌がられるのか?
どうやったら同業他社よりも多くの反応をもらえるか?
コメントが入ったら返信した方がいいのか?
誹謗中傷のようなコメントが入ったらどうしたらいいのか?
#〇〇など、どんなハッシュタグを付けたら良いのか?
…など、毎日のように来る反応に対して、日々悩みながら一喜一憂するわけです。
勿論、これ自体は大事なことなんですが、上記のような悩みは基本的に企業アカウントからの情報発信における悩みなんです。
もっともっと大事なことは、情報発信の先にあるファンコミュニケーションなんです。
このファンコミュニケーションをおろそかにしている企業は前述の日経BPの調査に対する回答が、
『効果を得られていない:54%』…になっているのだと思います。
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それでも、当時(今もか)フォロワーを増やすということに多額の費用を遣ったり、運用に工数を割く理由は、
費用対効果が良いからではなく、費用対納得度が高いと思うから
…ということなんじゃないかなと。
・フォロワー数が少ないよりも多い方が良いに決まってる
・競合他社よりもフォロワーが多ければ優位に立てる
・フォロワー数と売上が比例関係にあるように思える
…などが納得感につながる理由なんじゃないかと。
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SNSの運用を頑張ったりフォロワー数を増やしたりすることが売上向上などにつながっていることを100%効果検証ができるわけではないので、多少憶測を含む形になっている現状、BOKURAとしてどんな風に費用対効果や費用対納得を示していくべきかと言うと、やはりSNSにとどまっていてはダメなんじゃないかと思っています。
つまり、SNSはあくまでツールで、その先のファンのブランドへの熱量を上げていったり、ファンに知識をつけてもらったり、より多くの商品を買ってもらったり、良いと感じたことを友達に推奨してもらったり。
これまで何度も書いてきましたが、
ファンは
・愛
・知識
・売上
・推奨
…の4つの項目で測るべきで、この中の、
→売上や推奨は行動
→愛や知識は状態
とも言い換えられます。
売上や推奨といった行動を起こしてもらう前に、
愛情を持ってもらう、知識をつけてもらう…という状態をSNSが担うべきだろうと。
その結果、ファンはブランドに対してのファン度が高まり、自分自身だけが恩恵を受けるのではなく、自分の友人知人に対して、熱量高く推奨してくれるようになる。
結果、ファン自身の売上貢献額だけでなく、拡散、二次拡散…などによって売上向上につながるだけでなく、ファンからの顧客視点のアイディアをもらえるようになったり、能動的に拡散してくれることによる広告宣伝費の削減などにもつながっていくようになるではないかと。
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BOKURAはこれまで200社以上のクライアントのファン創りやSNS運用支援を行ってきました。そして最近では日経新聞や朝日新聞などの大手メディアや宣伝会議などのマーケティング担当者が必ず見るようなメディアにも取り上げてもらえるようになってきました。
#12月頃から更に露出していきます
『ファン創りは売上につながる』
…ということを費用対効果の観点でも、費用対納得の観点でも証明していきたいなと思います。
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ちなみに、2021年2月からファン創り支援でお付き合いしている回転寿司チェーン大手のくら寿司さんで、どのような費用対効果の示し方をしているかを簡単にご紹介すると、
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