【映画を見た3】さがす
ご無沙汰してます。ししどです。
久々に映画を見たので、感想を残していきたいと思います。
今回見た映画は"さがす"です。
1.映画のあらすじ
中学生の娘・楓と父・原田智。
母が病気で亡くなったあとも貧乏ながらに二人で楽しく過ごしていたある日、父・智が指名手配中の殺人犯を見たという。
それから父は行方を眩ませてしまい、それを探しに奔走する娘。
父の勤め先に行くと、父の名前を騙って働く怪しい男が…。
娘と、父と、殺人犯と。真実は如何に?
グロテスクなシーンもちょこちょこあるので、耐性がない人はお気をつけて。
2.感想
・やめて!もうHPはゼロよ!(ネタバレなし)
とにかく事態の急展開がわんさか起こる。物語の最後までずっと起こる。
すごく話題になった映画だし予告編は見たことあるという人も結構いると思います。(私もその一人)
他の映画だと予告編で物語の大体の形を予想できちゃうけど、この映画の本編は予告編の10倍の情報量です。
映画を見終わるまでに「やめて!もうHPはゼロよ!」という気持ちになれます。まじでお腹いっぱい。
ただ情報量が多いというわけではなく、娘の探索パート・父視点パート・殺人犯パートとわかりやすい構成なので理解は容易です。
・死は救済?(ネタバレあり)
殺人犯・山内の思考や原田一家の過去が明らかになればなるほど、死生観というものを考えさせられました。
山内のセリフは相模原障害者施設殺傷事件なども彷彿とさせますね。
ALSという難病を患ってしまい、いわゆる人間らしい生活もままならない妻の介護を懸命に行う父・智。
妻が殺して欲しいと願うことも、その姿にどうしたらよいか分からず苦しむ智の気持ちもよく理解できます。
これは私の推測ですが、妻の介護は”妻のため”という意図はあれど、どこかで”自分(智)のため=生きがい”だったんじゃないかなと思います。
だったら尚更妻の中での”私が生きる私の人生の意味”みたいなものが揺らいでしまうだろうな、と想像しました。
私もボケてまで生きていたくはないと思う反面、肉体が死んでも誰かの記憶の中で生き続けたい(そのために有名になりたい)という気持ちが強いので、自分の意思表示や表現活動が思うようにできなくなった時が人生の終わりだと考えています。
その点では妻の気持ちは理解できすぎて苦しいです。
ただ、とうとう妻が殺される時、その最後の瞬間、「やっぱり死にたくない」と訴えるかのような表情が印象的でした。
「もう思い残すことはない、安心してこの世を去れる」なんて状態、どうなったら手に入るかな?笑
そんな妻の自殺ほう助を智に提案したのは山内。
山内の本当の目的は性欲の解消かと思いますが、その後智を仲間に誘うときのセリフから、やはりどこかで反出生主義的な思想の持ち主だったのかなと感じさせられます。
でもやっぱり「本当に死にたいと思っている人間はいなかった」。皮肉ですね。
一方でこれが現実だろうなとも思いました。
だって、本当に死にたい人はきっと人の助けなんてなくても自死を選ぶでしょうし、死以外の選択肢がない状況だと思うので。
・男子中学生ってやっぱりこういうもんなの?(ネタバレあり)
正直、この映画で私的に一番残酷でリアリティがあったと言っても過言でもないシーン。
娘・楓が父を追う中で、怪しい指名手配犯が離島に逃げたことを知り、追いかけることを決意します。
父が失踪する前に楓に告白をして、楓と一緒に父の捜索に付き合ってきた同じクラスの男子・花山。
楓は花山に離島まで一緒に来て欲しいと頼みますが、花山は流石に断ります。
楓が「じゃあ彼女になるから来て」と譲歩したら、花山は「じゃあおっぱい見せて、彼女なんでしょ」。
ファ〜〜〜〜〜〜〜〜(感情大爆発おばさん)
この緊張感ある状況で無神経にもそんなことが言えちゃうところ、本当に残酷です。
しかも後に判明することですが、そう言われてしぶしぶおっぱいを見せる娘の姿を智は目撃してしまうと…。
やっぱり男子中学生ってこういうもんなんでしょうか…?
何も知らない私的にはリアリティがありすぎるシーンに映りましたが、嘘だと言って欲しい気持ちです…。
3.後書き
ああだこうだ己の死生観なども綴りましたが、全て24年間自殺を考えたことがない人間の感想だということは悪しからず。
気分を害した人がいたらすみません。
にしても3作連続どんよりした映画鑑賞が続いているので、次こそハッピーな気持ちになれる作品を見たいものです。
いつでもおすすめお待ちしています。
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名古屋を中心に活動するラッパー、もといエンターテイナーです。