憧れの文章と、ちんすこう

こんな文章を書けたら良いのにな、と憧れる人は何人もいますが、その内のお一人は宇田智子さんです。那覇で「市場の古本屋 ウララ」をやっておられる方で、その日々を記した作品があります。直近では『市場のことば、本の声』という1冊があります(装幀も素敵な一冊です)。

私は、日々の出来事や気付いたことを淡々と記し、伝えていくことを理想としています。しかし、そうしようとすると事実が羅列されただけの無味乾燥な文章になり、そこで慌てて文章に生気を吹き込もうとすると今度は独りよがりの感情だけが残ってしまい、結局伝わらない文章になってしまいます。

しかし宇田さんの文章を読むと、沖縄での日々がありありと読者の私の中で浮かんできます。無理に冷静でいるわけでも、出てくる感情を押し殺しているわけでもない、誤解を恐れずに言えば、平熱のようなその文章に、少しでも近づけたらと思わずにはいられません。特にこう感じるのは、ともすれば一方的なイメージを「内地」にいる私のような人間は沖縄に抱いてしまう中で、その地において、宇田さん(神奈川県ご出身)が日々を刻み続けていくということへの敬意もあるからかもしれません。

その宇田さんのお店のTwitter(https://twitter.com/urarabooks)を先日拝見したところ、宇田さんのお店もある那覇の商店街(マチグヮー)において「マチグヮーストア」というオンラインショップがあり、1月27日までは2000円以上購入すると、県外への発送費用については無料(※)となることを知り、宇田さんのお店で販売する本と、別のお店(流求茶館さん)のちんすこうを購入してみました。

後日、その2点がとても丁寧な梱包で届きました。本はまだ読んでいる最中ですが、久々に頂いたちんすこうは大変おいしく、嬉しい気持ちとなりました。

新型コロナウイルス感染症が3年目を迎えた中で、日々をどれだけ大切にできているかわからなくなることは多いです。それでも、ちょっとしたことでも、と思わずにはいられません。

(※)EC活用による県産品等販売促進支援事業ということで沖縄県の事業として送料を負担して下さっていることを今回初めて知りました。