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誰にも聞こえない音、それは音だろうか。

あの日あの時、高橋一生が紡ぎだした
その言葉たちを 
見えない、そこにその時しか存在しない 音で終わらせたくなかった。

私が 2度この作品を見に行った理由はただそれだけの事だった。

もう書店にはこの戯曲の掲載されている雑誌はなかった
でも 会場ではまだ販売していることを知っていた。

なぜ一回目の帰りに買って帰ってこなかったんだろうか・・・
そう思ったのは返ってきてからだった。

今になって 手に取り読み返す・・・。

誰にも聞こえない音、それは音だろうか?

その一行が私の心の中に響いた・・・。

誰にも聞こえない言葉、それは言葉だろうか?

誰にも聞こえない言葉、そんなものはない。
その言葉を発するその人には届くのだから。
言葉それは 言葉となるその時にすでに誰にも伝わらないなどという事は
ありえない。
だって 私の言葉は 私には絶対届くのだから・・・。

何のために・・・・自分のために紡いでいるんだ・・・
たった数分冒頭のシーンだけで 私はその言葉に
こころをつかまれ 抱きしめられていた。

あれから数か月たった今もなお・・・
最初の一ページを読むだけで 

言葉にできない感覚にとらわれる。
麻薬のように。。。定期的に欲しくなる。。。
その言葉の流れに身を沈めたくなる・・・。

※フェイクスピア 野田秀樹 

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