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25歳で夢をつかんだOlly Murs

Olly Mursという奇跡の男を目の当たりにして、私はほくそ笑む。
洋楽の世界にどっぷりつかっていた中学時代のあの頃、私は彼に出会った。

2009年の"The X Factor"へ参加の時点で25歳であり、 当時"Customer Advisor"に従事していたOlly Mursは、審査員の一人、Louisに"What is your big dream?と夢を聞かれた際に、迷いもなく "To be a pop star, and be famous, and sell records, and be a absolute super star " と豪語して見せた。かの有名な辛口審査員兼敏腕プロデューサーSimon Cowellの目の前でである。最後の言葉を言い終わるか終わらないかで、
"Got it." (もうわかったから。)とバッサリSimonに切られて、さっさとパフォーマンスへ誘導された、そんな彼が、2022年となった今も、世界中で愛されるまさに「ポップスター」であり続けるのは、彼のAspirationと才能、そして何よりも「奇跡」を引き寄せるGRITがあったからだと思う。

私がOlly Mursに出会ったのは、中学生の時に購読していた「朝日中学生ウィークリー」の記事である。小さいときから洋楽や洋画が好きだった私はなんだかんだ海外のコンテンツへの感度が高く、本当にたまたま、彼の "Right Place Right Time"というアルバムを見つけ、どんなうたい文句だったか、確かUK発のポップスター、といったようなOllyの紹介記事を見つけた。One DirectionやCody Simpsonといったザ・美少年・青年たちが好きだった中学時代の私は、20代後半でフツメンに見える彼を特に魅力的だとも思わなかったのだが、どういう訳かとりあえず近くのレンタルショップで彼のアルバムをわざわざ探して借り、聞いてみることにしたのである。今考えると、その時から彼のワールドが私の中へぐいぐいと侵食してきていたのだと思う。「スター性」、という言葉があるように、彼のまなざし、服装、アルバムからにじみ出る「ポップ感」すべてが、僕はスターだよ、日本のみんな、スターの降臨だよ!と言っているように聞こえたのかもしれない。

それから中学時代はしばらく彼のアルバムを聞いていたのだが、洋楽を聞いているということがカッコいいと思っていた私は、興味本位で友人にアルバムを貸したり、"Right Place Right Time"を何度も聞いて友達に薦めてみたりして、彼の存在は確実に自分の中に定着しつつも、爆発的に人気を確立しつつあった海外のポップスターたちの中の一人、One of many,でしかなかった。

だが、そんな私に、彼の更なるスター性に邂逅する瞬間が訪れる。それは、高校に上がった私がひょんなことから、彼の「出身」であるという"The X Factor"を調べる気になって、"Olly Murs"の名前をその横に並べてYouTubeで検索をしたときのことである。

最初のオーディションの場面の動画が現れ、インタビュアーから参加の経緯や出身について聞かれたOllyは、回答も冴えない(高校時代の私は何を言っているかわからなかっただけかもしれないが)し、服装もさえない、普通の若い男の人、がステージに現れた、と思った。
そんな彼は、冒頭部分で述べたとおりの、Simonからの厳しい目にもめげずに、Stevie Wanderの"Supersitision"が流れた瞬間に、さあ見ててねと言わんばかりにパフォーマンスを始める。

パンパラ、パッパラ、パッパ ・・・
まるで音楽を全身で体現するような、ガタイの良さをもってしても収まりきらない表現力を全身に乗せ、彼は踊り始めた。

"Very Superstitious.. " Ollyがワンフレーズを歌った瞬間、会場の注目が一気に彼に集まり、小さな歓声が起こる。
次のワンフレーズ、"Because writing is on the wall.." で、"Writing"の個所の美しいバイブレーションを見せつける。
さらに歓声が起こり、審査員に笑顔が。
それからまた、"Very Superstitious…"と繰り返すOlly.
この時、わたしは彼の視線、ボディランゲージに注目していた。
この人、面白いかも?それから、何フレーズから聞いてみて、
"Superstition ain't the way”と歌い終わった後に、Olly特有の小気味よいリトル・ダンス。ここで、彼はすでにSimonの心をつかみ始めていた。

それからもOllyは、アマチュア(この時いくつかのBarでたまに歌うくらいだったそうだ)とは思えないパフォーマンスを繰り広げ、Ha! やHey, come on! と合いの手を入れて観客にまでCallを送って、会場の注目と関心を一気に彼に集めた。

スター、降臨である。

Ollyはその後も歓声と手拍子を受けながら、歌い続け、体中をくねらせるダンスでアピールした後に、Simonが片手でおもむろに音楽をとめる。
この時、私はもしかして退場?と一瞬ドキッとしたのを覚えている。
だが、審査員たちやSimonの評価は最高だった。本当に彼に可能性しか感じない、としか言いようがないほどの笑顔と自信で、"I really really really like you."と締めくくり、Ollyは無事にAuditionを突破する。 

すごい、すごすぎる。。。!

その動画を見わおった瞬間、私はしばらく呆然としていた。おそらく、金輪際、高校時代に初めてこのパフォーマンスを見た瞬間のことを決して忘れないと思う。画質も悪いし、たった5分程度の短い動画であるのに、あれだけの印象を私に植え付け、観客と審査員の心を鷲掴みにしたOllyは、今は世界中でその曲が聞かれるポップスターなのであるから、その登場は華々しくて当然である。

Ollyが参加していたThe X Factorとは、四人の審査員に観客の前でジャッジされるAuditionから始まり、複数回のBoot campを通じて、Week10までパフォーマンスを毎週行い続け、最終的にはテレビ投票で優勝者を決めるUKで大人気のオーディション番組である。(2018年にUKは終了。)その争いは熾烈で、参加者は全世界から集まる。その中を勝ち抜いたOlly Mursはそれだけでも尋常じゃないことは明らかだが、私が高校生の時に注目したのは、25歳とは思えないパフォーマンス力である。ダンス、声の使い方、観客の巻き込み方、すべてが "Born Entertainer"である。

特に、私が彼を「奇跡」としか呼びようがないパフォーマンスが、下記である。曲名は"Twist and Shout"。Week5でパフォーマンスをしている。

なんだ?このダンスは?一週間での完成度の高さは?歌のうまさは?ほとんどミスなく、心から楽しそうにパフォーマンスをしているOllyの姿は、高校時代の荒んだ私の心を掴んで離さなかった。パフォーマンス後のStanding Ovationもすがすがしい。

それから、POP系で言えば、Week6の "Don`t stop me now"も圧巻である。周りのダンサーまでOllyとのパフォーマンスを楽しんでいるように見えるのだ。

Finalでは、しんみり系も歌っていて、これもまた素晴らしい。まさに高らかに心に響く声である。曲はMiley Cirusの "The Climb"である。これは当時のFinalistであり優勝者である Joe McElderryの声色にあった歌であったことは間違いないが、Ollyも自分の持ち味をガンガンに出していた。

これだけのパフォーマンスを見せつけたOllyであったが、Finalで敗北してしまう。しかし、明らかにスター性のあり、Auditionの時点でSimonに見出されていたOllyは、RCA Records と契約し、デビューシングルである"Please Don't Let Me Go"をリリースし、UKチャートで初登場 1位を獲得する。
ありがとう!!Olly!! おめでとう、Olly ! 世界がOllyに追いついたんだよ!彼が初登場1位を獲得してから数年たって彼に感化された私は心の中でそう叫んだ。それからも、Ollyは5つのシングルで1位を獲得し続け、5つ出したAlbumのうち4つが1位を獲得し、「The X Factorの勝者 "以外"で、一番成功したアーティスト」と言われている。私が知っている限りだと 今でも売れ続けているのは、James Arthurくらいかもしれないという、まさに奇跡の男である。。

Olly Mursでおそらく一番有名な曲は "Dance with me tonight”や "Troublemaker"であるだろうが、ここで、将来的にOlly Mursのファンになる方々や、今ハマっている方々に「歌詞が良い」おすすめの曲リストを紹介したい。

① Up feat. Demi Lovato

この曲は、紆余曲折や幾多の苦難を乗り越えていく男女の様子をうたっている。デミロバートの圧倒的な歌唱力と相まって、Up (昇華)していく二人の思いに、心が震える。

② Grow Up 

この曲は、Olly Mursの別れた元カノのことを歌っている。"It`s all about youuuu. "のサビのフレーズが美しく、歌詞も、彼女のinsecurity(不安)について歌っていて、共感しやすい。子供たちとの温かい交流も、彼の人柄の良さを物語っている。

③ Oh My goodness

いわゆる、一目ぼれの話である。PVがコミカルかつ真剣でくすっと笑え、Oh my Goodnessと軽やかにのびやかに歌うOllyの声にしびれる。

2017年~以降のOlly は、シリアス系やAutotuneも入れるようになったが、それでもedgeを失っていない。あくまでも彼はPop Starであり続けるのである。

最近のOlly Mursは、さらに名実ともに「スター」である。Olly Mursのインスタをフォローしていればわかるかもしれないが、Olly Mursの現在の彼女はAmelia TankというBody Builderの30歳美女である。二人の合成動画などもTiktokyやインスタに挙げていて、仲睦まじくほほえましい。さらに最近、Olly Mursの " Dance with me tonight "がtiktok用のダンスとしてプチバズりしたようである。。!

最近のOlly はThe Voiceの審査員をやったり、アマチュアサッカーリーグに参加したりと忙しくしているが、彼がborn pop star/performerであることは、Auditionの一日目から今のインスタの端々に至るまで、自明のことなのである。

さて、Olly MursがPop Starへの道を駆け上った25歳の年に、私も追いついた。何も彼のようになりたいとか、そういった野望を抱いているわけではないが、彼のように夢を体現した人物を私は知らない。奇跡や運が彼の温かい笑顔に、人柄の良さに味方とした、と言えるかもしれない。だが、まぎれもなく、もって生まれた歌唱力、パフォーマンス力、なによりも「Pop Starになりたい」という気持ちが、彼を名実ともにそうさせたのではないかと思っている。

To all Olly Fans out there, let`s hope for his concert tour in Japan in the near feature :)


参考資料

トプ画は、https://www.youtube.com/watch?v=CECQ1zLtokk&t=73s より引用。

Olly Mursの基本情報は、https://xfactor.fandom.com/wiki/Olly_Murs より引用。

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