出会い

It is impossible to love and be wise.

彼と出会ったのは大学2年生の春に始めたバイト先だった

スラッと伸びた足と高い身長、優しい声、かっこよかった。私の一目惚れだった。出会った瞬間に心奪われた。

ここからは
私を仮にみかとし、
彼を仮にゆうきとしよう


みか
当時20歳になったばかりの大学2年生
音楽大学に通う普通の女の子

ゆうき
みかの2個上、元経営者
コロナで経営していた会社を畳むことを決断し
当時はバイト先の店長

私もゆうきも一人暮らしで家がすごく近かった。たまたまコンビニで会ったら、私が手に持っていたお菓子を買ってくれたりした。大人なゆうきにどんどん惹かれていき、私は猛アピールした。仲良くなるのにそんなに時間はかからなかった。

最初の頃のゆうきは、今は彼女はいらないなんていいながら私を抱いた。いつか付き合えるかもという彼の言葉に私は期待した。

私はそれでよかった。自分に自信があった。この人は私を好きになると。

ゆうきはかっこよかったので、お客さんや周りの女の子との絡みも多かった。

私たちのバイト先はみんな歳が近いこともあり、よく宅飲みをしたり朝まで飲み歩いたりした。
身近で見るゆうきと女の子の距離の近さ。私以外の子とも寝てるのかもと思った。女の子との距離を近いのを見るのが嫌で段々とバイト先の集まりに私は行かなくなった。

私は塞ぎ込み始め、大学の友人関係で苦戦していた事もあり、体調を崩していた。心療内科に通い過換気症候群、うつ病、リストカットを治すために薬物治療やカウンセリングを受けていた。今思えば、生活の全てが私に負担だったのだと思う。早くゆうきと離れるべきだったとも思う。だが、その時の私はゆうきに支えられていると思っていた。毎日ゆうきが私にそう言うのだ。お前は俺がいなくちゃだめだなと。

ある時、夜中に外で過呼吸になり、そのまま痴漢にあった。我ながらドラマのような展開だった。その後、私はバイト先の男の子が迎えに来てくれて、私は自分の部屋で泣き続けた。その子がゆうきに連絡してくれて、酔っ払ったゆうきが家に来た。彼は私の事情を聞いていたにも関わらず、泣き続ける私を平気で抱いた。


虚しくなった。
少しの違和感を見逃すべきではない、今ではそう思う。



この3ヶ月後に私たちは付き合い始めた。

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