DeepLが思い通りに翻訳しない！？⑥社内のマニュアル修正に注意
DeepLはGoogle翻訳を超える翻訳精度を誇り、あまり手直ししなくとも使える文章を出力してくれますので、情報発信している方、海外の情報を直接入手している方はすでに重宝していると思います。
「DeepL活用まとめシリーズ」では使いこなしのための豆知識を紹介していきます。書きたいネタは結構ありますが、よい例に出会うまでは記事にしにくいため、良い例をまた見つけた時にその都度、続編を書きます。
その⑥ DeepL社内のまずい手作業修正パターンを外して翻訳精度アップ！
こちらはサナメさんから訳がおかしいとタレコミがあった文章です。
While this explanation comes from second-hand sources, the story goes that by the late 1960s, it was becoming apparent to David Rockefeller, chairman of the CFR at the time, that the council was becoming too well known. An unacceptable percentage of the American population was becoming aware of the secretive organization, and conspiracy-minded reporters were having a field day. It is said that in an attempt to deflect public attention, Rockefeller instigated the creation of a slightly more public offshoot organization that would officially bring Japan into the globalist fold: the Trilateral Commission.
この説明は二次資料によるものだが、1960年代後半になると、当時のCFR議長であったデビッド・ロックフェラーは、この評議会があまりにも有名になりすぎていることが明らかになりつつあったということだ。1960年代後半になると、当時のCFR会長であったデービッド・ロックフェラー氏が、この秘密組織の存在があまりにも有名になりすぎて、アメリカ国民の何割かがこの秘密組織を知るようになり、陰謀論を唱える記者たちが大騒ぎをするようになったという。そこでロックフェラーは、日本を正式にグローバリストの仲間入りをさせるために、もう少し公然たる下部組織「三極委員会」の創設を促したと言われている。
あれ？翻訳文がかなりおかしいです。「1960年代後半になると」のところからの文章が二度重複して出てきます。
わかりにくいので３つの文章に分けてみましょう。
While this explanation comes from second-hand sources, the story goes that by the late 1960s, it was becoming apparent to David Rockefeller, chairman of the CFR at the time, that the council was becoming too well known.
An unacceptable percentage of the American population was becoming aware of the secretive organization, and conspiracy-minded reporters were having a field day.
It is said that in an attempt to deflect public attention, Rockefeller instigated the creation of a slightly more public offshoot organization that would officially bring Japan into the globalist fold: the Trilateral Commission.
重複のあった２つ目の文章だけをDeepL してみましょう。
An unacceptable percentage of the American population was becoming aware of the secretive organization, and conspiracy-minded reporters were having a field day.
1960年代後半になると、当時のCFR会長であったデービッド・ロックフェラー氏は、CFRがあまりにも有名になりすぎていることに気づき始めたという。
はぁ！！？？全く違う部分訳しとるやん！
こういうのを見たら、DeepL社員がマニュアルで翻訳を修正していると疑った方が良いでしょう。よく訳される文章とかには手作業で修正をかけている感じだと思います。
その場合は、Input（入力テキスト）を認識したら決まったOutput（翻訳文）で認識した部分を置換するというアルゴリズムが働いているでしょうから、最初の文と２つ目の文が別々に認識されつつ、同じ出力を出しているという、、社員の仕事が荒かった例だと思われます。
それではそのマニュアル修正を外しに行くために、文章の意味が変わらないような微妙な変化を導入してみましょう。例えばorganizationの後にあったカンマを取ってみましょう。
こうなりました。
An unacceptable percentage of the American population was becoming aware of the secretive organization and conspiracy-minded reporters were having a field day.
アメリカ国民の何割かが、この秘密組織の存在を知り、陰謀論に見識のある記者たちが大騒ぎをした。
訳はちゃんとしていますね。
３つ全部の文章をまともに翻訳させようとして奮闘した結果、私が得たのがこれです。
この英文をエイッと入れても同じ翻訳は出てきません。
ここにたどり着くにはまず問題だった真ん中の文章だけを入れて、カンマをとる上の修正をしてまともな翻訳を得てから、最初の文章を足し、そして、最後の文章を足して、ギリギリでマニュアル修正を交してまともな翻訳を得たのです。
最終的に私が手作業を入れて完成させた翻訳がこちら。
この説明は二次資料によるものだが、1960年代後半になると、当時のCFR議長であったデビッド・ロックフェラーは、この評議会があまりにも有名になりすぎつつることを認識しだした。
アメリカ国民の何割かが、この秘密組織の存在を知り、陰謀論に見識のある記者たちが大騒ぎをした。
そこでロックフェラーは、もう少し公然性の高い下部組織「三極委員会」（訳注：目くらまし団体）の設立を提唱し、日本を正式にグローバリストの仲間入りをさせたのである。
これの出典がなんなのかはわかりませんが、恐らくよく訳される文章なのでしょう。そういう文章にはこういう手作業っぽい修正が入っていることが結構あります。
そして、DeepL先生は毎日修正をしているようなので、この問題があって数日たった今日の執筆時に同じテキストを入れた所
An unacceptable percentage of the American population was becoming aware of the secretive organization, and conspiracy-minded reporters were having a field day.
アメリカ国民の何割かが、この秘密組織の存在を知り、陰謀論的な報道がなされるようになった。
一発で、これが出てきたんですよ。
中の人が仕事している感じですよね。