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計量カップでもOK、失敗しない「究極のフレンチプレス」ジェームス・ホフマン

二杯以上のコーヒーを手軽に失敗せずに淹れたい

コーヒー好きで朝と昼に二杯を欠かさない私。V60の紙フィルターでつくるようなアメリカンコーヒーをたっぷり飲むのが好きなんだけどそれは毎回だと面倒。

なので家で自分用一杯ならばエスプレッソマシンからめっちゃロングにしてアメリカーノっぽいのを作る。旅行先とかの場合、エアロプレスを持参して一杯づつ作る。時間があればAerogrindでエスプレッソ用に挽いた新鮮な豆を使う。急ぐ時はPre-ground。

しかし、二杯以上を一気に作り、お片付けも簡単で、毎回失敗しないで作る方法に困っていた。しかし、友人宅でごちそうになったフレンチプレスで作ったコーヒー5人分が美味しくって真似しようとして色々挑戦したけどどうもいつも好みより薄めの残念な味になってしまう。なのでフレンチプレスはほぼ諦めてた。

ワールド・バリスタ・チャンピオンのジェームス・ホフマン

バーテンダーっていったらバーでカクテルつくってお客さんに出すのが仕事だけど、それのコーヒー版がバリスタという職業。いかに美味しくって楽しいエスプレッソ体験を提供するかが競われるワールド・バリスタ・チャンピオンシップというのがあるんだけど、それで2007年に優勝経験もあるのが、このイギリス人起業家であるジェームス・ホフマン。ユーチューバーでもあり沢山コーヒーのウンチク動画上げていてとても参考になるのでよく見ているんだけど、今日は目から鱗だったフレンチプレスの動画を2つ紹介。

理論:フレンチプレスの方がエスプレッソ、コーヒーフィルターより抽出が安定

まずは、ウンチクから。ホフマンがこのビデオで説明しているように理論上はコーヒー豆の挽き方によらずフレンチプレスの方がエスプレッソマシンや紙フィルターで抽出するよりも抽出が安定するはずなのだ。

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この図はフレンチプレスの抽出(縦軸)が豆の挽き方でどう変化するか。右へ行くほど細かくSetting 0はトルココーヒーみたいなの。Setting 4がエスプレッソ。

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こちらが、V60フィルターでドリップした場合。エスプレッソのレベルまで細かくするとチャネル(水の通り道、トンネル)が形成し初めて抽出が落ち始めるのに注目。

エスプレッソはある程度細かく挽いた豆じゃないと抽出が不十分だが、細かくしすぎると圧力がかかった時にコーヒー豆のケーキにムラがあるところからチャネルが形成して水が逃げ出す。そして抽出がそのチャネルだけで起り味のないコーヒーができる。上の実験の様に、紙フィルターでもこれが起こる。

しかしフレンチプレスみたいにトンネルが形成しようがない方法だとこれがないから安定する。その分時間がかかるのが難点。

まあ、理論上もホフマンの実験上はそうでもなぜか難しいのがフレンチプレス。私が苦労しているのはフレンチプレスの常識である荒く挽いた豆の部分。色々実験して抽出時間長くしてもどうしても荒いと味がしない。エアロプレスみたいに紙フィルター用よりも細かい挽き方でフィットするような方法だと失敗せずに私でも美味しいコーヒーができるけどフレンチプレスはなんとも捉えどこがない。

でも、上のビデオではあらゆる大きさの挽き方でフレンチプレスの抽出が安定していることを示しているし、ホフマンの試飲でも抽出が良いほど美味しい評価。これは意外!細かく挽いたら抽出時間が長引いと苦味とか出ると思ってたが大丈夫そう。

ホフマンがオススメする究極のフレンチプレス技術

そこで、このホフマンによる「究極のフレンチプレス」の動画にたどり着くんだけど。このビデオでもホフマンのが「みんな豆を荒く挽けというけど気にするな、普通の大きさでいい」って言っている。え゛ーーーΣ(・∀・;)

上の実験でも分かるように、荒く挽いたコーヒー豆が必須ではないのなら普通のPre-groundのコーヒー(紙フィルター用)をフレンチプレスに使ったっていいじゃないか。それを踏まえて下のビデオの方法で抽出したら、本当に美味しいコーヒーが出来た!わーい。ヽ(`▽´)/

方法を要約すると:

・500 mlつまり0.5 Lのコーヒーを作るのには30 gのコーヒー豆を使う。挽き方はなんでもOK。粗めが普通だが、普通のV60とか紙フィルター用のサイズでOK。
・カルキも飛ばした美味しい水を沸騰させる。硬水の場合フィルターして軟水に。
・お湯を豆の入ったフレンチプレスへ投入して軽く混ぜ4分まつ。
・スプーンで上澄みに浮いてるコーヒーの粉をかき混ぜて落とす。泡もコーヒー粉を含んでるので取り除く。
・最初の4分で抽出は終わったが、さらに5−8分まって沈殿させる。
・プランジャーを水面から1 cmくらいまでに下げてゆっくり注ぐ。

とにかく初めに混ぜた後には沈殿させて、巻き上げないことを最初から気をつけて気長につくるだけ。この方法だとプランジャーがなんの役に立っていないので私は0.5 Lのガラス製の計量カップを使用したけど、注ぎやすいし完璧だった。つまりフレンチプレスが家になくっても全然オーケー。私、使わなくなって邪魔だから引っ越しの際に捨てちゃったのよ。

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あとは注ぐ時に巻き上げないように気をつけるくらい。私は4分抽出から5分沈殿でやった。8分待つと冷えすぎて電子レンジでチンしないといけないかも。

私でも失敗せずみ数回できたから、きっと上手く行く。お試しあれ。

失敗しにくいが、短所もある

上のビデオは私にも十分美味しいコーヒーが大量に作れるという点で有り難いけども、上のビデオに少なくない低評価が押されているのも分かるとおり、フレンチプレスのファンからは批判もあるようだ。

こちらのブログを見てもらうとわかるけど、問題点は「コーヒーの深み」、英語で言う時の味のVolumeがかけてしまう点らしい。確かに私の好きなコーヒーはこれ。美味しいフレンチコーヒーが自分ではどうしてもできないけど一番好みだと思う。その次が紙フィルターのコーヒー。ホフマンのフレンチプレスの方法だとV60でドリップしたような味がしてしまう。だからといってまずいわけじゃなく深みよりもバランスがとれた明瞭な味わいになる。好き嫌いだから良い悪いじゃないんだけども、納得。

普通のフレンチプレスの方法

参考までに普通のフレンチプレスはどうやるかも書いておこう。上のホフマンのフレンチプレスに辛口だったブログによると正当なフレンチプレスはこんな感じ:

・二杯(0.47 L)なら40 gの荒く挽いた豆を容器に入れる。
・タイマーを5分にセットし、沸騰して91度まで冷ましたお湯を1/4注ぎ、30秒まちふくらませる。
・膨らんだら、ゆっくりと残りのお湯を注ぎ、4分までまつ。
・4分でプランジャーを上につけるが、まだ押さない。
・5分経ちタイマーを止めたら、ゆっくり30秒ほどかけつつプランジャーをおろす。出来上がる。

違いはプランジャーを使うかどうかと、30 gが40 gになった点と、抽出時間が短い点。でも、私がやると思ったような成果がでないからなー。(´;ω;`)なにがわるいのか。残るは豆と挽き方か…ん?

一杯あたりのコーヒー豆の量:
普通のフレンチプレスは一杯に20 g
ホフマンのフレンチプレスは15 g
私のエスプレッソマシンでロングコーヒーつくるレシピは12 g 

20 gはぱねぇな。これか。フレンチプレスは燃費が悪いwwということか。