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しろの種 こぼれ話③

*ここまでのお話は、以下をご覧ください*

「しろの種 こぼれ話」では、制作に至るまでのエピソードや、裏話をお伝えしています。
こぼれ話① https://note.com/azusasukeno/n/n9b4e86c0e7a8
こぼれ話② https://note.com/azusasukeno/n/na570c529db6b

近藤の制作するエッセイのフリーペーパー「道草はいつも、くもり空の下で。」(以下「道草」とします)。その第3号・第4号に、スケノが挿絵を描きました。
「しろの種」が生まれたのは、まさに、フリーペーパー制作のさなかでした。

元々、顔を合わせるたびに、話の止まらなかった2人。「打ち合わせ」と称して、最近読んだ本の話や、今抱えている困りごとの話などを、毎回、喋り続けていました。

それは、2020年後半のこと。毎日、コロナウイルスと隣り合わせの生活に、スケノも近藤も、悩まされていました。
「新しい出会いを求めるにしても、どこにも行けないよね」、「人を集めるイベントや展示も厳しいし、、、」。何かを始めるリスクの大きさへの不安が、それぞれの口からぽろぽろとこぼれてきました。

「それでも」。
それでも、もっともっと、自分の作るものを、たくさんの人に知ってもらいたい。できることには、自分なりに挑戦してみたい。
話せば話すほど、2人の中で、「本当はやりたいこと」が、重なっていると気づき始めます。

何より、そういうやりとりを含めて、「道草」の制作は、とても楽しいものでした。
スケノは、自分以外の文章に「挿絵」として絵を描く新鮮さを。近藤は、自分が言葉にしきれなかった余白を描ききってもらえる心地良さを、感じたのです。
それは、誰と作っても簡単に得られるものではありません。何かを作るためには、自分の持っていないものを取り込んだり、相手に意見をはっきり伝えたり、難しいこともたくさんあり、トラブルだってつきもの。
しかし、2人で作るときは、そうした葛藤よりも、圧倒的に、驚きや、嬉しい気持ちの方が大きかったのです。

そんな心の内を、溢れるように話すうち、どちらともなく言いました。
「ねえ、一緒にやってみない?」

思い立ったその途端、2人の頭の中ではもう、やりたいことや妄想が膨らむ、膨らむ。
「冊子とか作ってさあ、、、」「展示やるとかさ、、、」!

盛り上がったは良いけれど、あれ、ちょっと待って? 一体これ、何を作っていくの? どんな方法で? 名前とか、考えた方がいいのかなあ?!
勢いで決めてしまった2人は、一通り盛り上がってから、やっと自分たちがスタートラインに立ったことに気づいたのでした。

さて、見切り発車の2人はその後はいったい、どうなっていったのでしょうね?
次の機会にはそんな「1歩目」のことを、お伝えしていきますよ。

今度の「しろの種」の更新は、5月10日です。お楽しみに。

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