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屋根材の重量の整理

 木造住宅で、重い屋根、軽い屋根が話題になります。無論軽ければ軽いほど、地震に対して強くなります。どこに境界があるのでしょうか??

2012年改訂版 木造住宅の耐震診断と補強方法によれば、非常に重い屋根は、瓦葺き(葺土あり)で、重い屋根は瓦屋根(葺土なし)、軽い屋根はスレート葺きとあります。また業界団体などの資料によると主な屋根の重量は以下のようになっています(あくまで参考です)。

陶器瓦屋根土葺き(坪あたり240kg程度)
陶器瓦屋根瓦桟葺き(坪あたり160kg程度)

セメント瓦屋根(坪あたり150kg程度)

カラーベストコロニアル(坪あたり70kg程度)

ルーガ軽量瓦(坪あたり70kg程度)

ガルバニウム鋼板葺き(坪あたり40kg程度)

まあ、勾配とか、いろいろ条件があるので、一概に上記の重量ではないのですが、目安にはなります。瓦屋根でも土葺きと瓦桟葺きでは、だいぶ違いますね。基準法では、両方とも重い屋根になりますが、恐らく構造的な必要壁量が大幅に変わってくるはずです(あくまで構造計算した場合)。セメント瓦屋根は、見た目に反して意外と重いです。軽量で診断したい人もいるかもしれませんが、古いセメント瓦は重い屋根で診断したほうが良さそうです。

逆に最近のルーガなどの軽量瓦は、瓦と書いていますが、コロニアル等と重量的に変わらず、軽い屋根で大丈夫そうです(メーカーもそう言っています)。しかし瓦屋根の半分程度とそれなりに重いです。耐震補強などで耐震性が低い古い建物の屋根の葺き替えの場合、できればガルバニウム鋼板葺きなどの金属屋根にしたほうが安全だと思います。

逆にカバー工法などで、既存の屋根に屋根を重ねて施工することは、軽量とはいえ重量増になるので耐震的には絶対お勧めいたしません。また欠陥などを隠蔽されてしまう可能性もあるので、手軽で価格が安い以外はメリットがないと考えて良いでしょう。

新築の設計時も必ず重量をチェックして、重めの場合は壁量も多めにしたりなど工夫が必要かもしれません。できれば構造計算したいところですね。

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