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木造構造設計のお約束

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木構造の特殊なルールを、気がついた順に書き連ねていきます。
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#耐力壁

2025年の壁量計算はどうなる?その2

2025年の壁量計算はどうなる?その2

前回の記事を読んでから見ていただくとわかりやすいです。

前回、壁量に加算できるものに「準耐力壁等」等が加えられると話しましたが、ここを具体的に解説します。

「準耐力壁等」は2000年の品確法制定時に、品確法の壁量計算が定められて、垂れ壁や準耐力壁などを壁量に加えられるようになりました。あくまで品確法の耐震等級を計算する場合に使われ、基準法の耐力は、準耐力壁以外で満たさなければならないルールがあ

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危険な木造の間取りの例(3)

危険な木造の間取りの例(3)

第1回 北側玄関に多い例
第2回 2階建ての壁なしビルトインガレージ
第3回 階段が短辺にある建物
第4回 ビルトインガレージの外壁線が2階とずれている

第3回 階段が短辺にある建物

昭和後半に多い間取りです。間口が更に狭い場合が多いです。北側は居室にしにくいので階段にしてしまうパターンです。

間口が比較的狭くて、玄関の並びなどの短辺に階段がある建物は、実は危険です。今回の例は、北側玄関で、

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壁倍率とは?

壁倍率とは?

どこでも書いていますが。意外と知らないのに勝手に使っている壁倍率。ここでは木造の壁倍率のことを書きます。

 壁倍率とは、木造の地震に対抗する壁である耐力壁の強さを数値化したものです。最大は5です。大きいほど強いです。1と2なら、2は1の2倍強いことになります。壁量計算で、計算しやすいように設定されています。壁量計算とは、木造住宅が地震や台風によって壊れないように安全性を確認する簡易な方法です。各

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間取りを考えるときに耐力壁にならない壁 注意が必要な壁

間取りを考えるときに耐力壁にならない壁 注意が必要な壁

意匠設計の方は、お客様の希望を聞き、住みやすいように設計します。そのとき、まったく構造を考えない建築士は減ってきています。しかし考慮しなければならないことを忘れていたり、抜け落ちていることがあります。今回は比較的多い構造上耐力壁にならない、もしくはなりにくい壁について書いていこうと思います。

その1 階段下の壁

トイレの後ろの壁が階段の段下になっていることが多いです。これは桁まで壁がないので耐

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