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作った同人誌の装丁とよもやま話

待って、どこに出しても恥ずかしい本しか作ってないじゃん。

 『サヨナラてるのすけ』

駆除したGの擬人化アンソロジー

▶︎ 印刷所
STARBOOKS
▶︎ 仕様
A6(文庫)
ミラーコート・プラチナ_180K CMYK
グロスPP
表2・3 CMYK印刷
なんちゃって小口染め
キンマリSW_135

★ミラーコート+グロスPP
遺影額縁に入っている写真ぽくしたかった。ただのコート紙よりツヤ・反射が強くなっていいかんじ!

★表2・3フルカラー印刷
警告色にヤツを思わせる不揃いな点々を潜ませたかった。満足。
集合体恐怖症のフォロワーが怯んでいた。

★なんちゃって小口染め
本文に黒縁を印刷しても、やはり断裁面まではインクが染みないのでデフォルトだと染まってるように見えない。
本を曲げると染まって見える!
読んでいるときにそれっぽくなれば良い人向け。
安っぽいほうが「それっぽい」テーマの本なので満足。 
 

『切腹ストリップショー劇場の青年たち:第二幕』

R-18・R-18G一次創作アンソロジー

▶︎ 印刷所
プリントオン
▶︎ 仕様
A5
表紙:パールキルトペーパー ホワイト CMYK
表紙裏 (きき紙):ミランダ あい
ホログラム箔押し:リフレックスブルー
PPなし
ホログラム口絵:レインボーペーパー CMYK+白印刷
遊び紙:トレーシングペーパー41kg
フルカラーページ:コート紙110kg 
モノクロページ:白上質紙70kg

★パールキルトペーパー+きき紙ミランダ
めっちゃめちゃかわいい。高級感とかわいさが同居している。
厚みというかコシが弱いから、表紙にすると気持ちぺらぺら感が出る気がした。ということで、きき紙(2枚の紙を貼り合わせて1つの表紙用紙にする)でミランダを選択。大正解だったと思う!
表紙でエンボスの質感を楽しみ、表紙2・3でミランダのラメ感を楽しむ、というメリハリがかわいさを倍増させている!気がする!
重ねたことで表紙らしい厚みとコシが出た。……が、きき紙は全面に糊が使われないので(使ったら使ったで大変なことになるが)、表紙が波打つ……!!!!!!!こればっかりは仕方がない。

★レインボーペーパー CMYK+白印刷
最高最高最高。やってよかった。
ワードアートの輝きが現実(リアル)になった。
白印刷、濃淡が反映されるので文字と背景の模様にちゃんとメリハリが作れた。よかった。
楽しい。
黒ベタとか、赤とか青とか、ベタによって表情が変わると思う。色々やりたくなるやつ。

★ホログラム箔押し
女児だからさ、箔押しでホログラム選んじゃうよね。

★カラー絵の前にトレーシングペーパー
高級感出る!ワクワクする!
蛇足かなー?と思ってたけどやって良かった。
 

『切腹ストリップショー劇場の青年たち』

R-18・R-18G一次創作アンソロジー

▶︎ 印刷所
プリントオン
▶︎ 仕様
A5
クロコGA黒 墨刷り
ホログラム箔押し:ドットネオンピンク
PPなし
他の履歴が残ってなくて覚えてない

★クロコGA+墨刷り
ワニ皮?ぽい特殊紙! 粒が小さめなので面積広いサイズの本だと退屈になるかな?と不安だったけど全然大丈夫だった!
黒インクが乗ってるところだけツヤが出るのすごく良かった。擬似グリッターってかんじ。

★ホログラム箔押し
かわいい……。ドットネオンピンク、ギラギラ感がケバさを出しつつ、イエローみもあるピーチカラーが謎のさわやかさも演出する(?)
 

おまけのチラシ

▶︎ 印刷所
レトロ印刷JAM
▶︎ 仕様
A5
わら半紙 
2色刷り(濃紺・金)

★わら半紙 +2色刷り
紙の色を使って白を表現できた!
そうなるとわかって入稿したが、やはり広範囲ベタは強いムラがでやすい。発行数の半分くらいは破棄になる。私の場合は最小ロットが実際に使いたい部数の5倍くらいあったから厳選する余裕があり、問題なかった。
たぶん印刷機からしたら良い迷惑だったと思う。ありがとうJAMさん。
 

『たちだち』『たちだち2』

R-18創作BLうちよそ短編小説集

▶︎ 印刷所
ちょ古っ都製本工房
▶︎ 仕様
A6(文庫)
コート紙180kg 墨刷
PPなし
表2・3CMYK印刷
淡クリームキンマリ90kg

★表紙のイラストにぼかし加工
ぜんぜん関係ない反省なんだけど、モノクロ線画にぼかし同じレイヤーを重ねて濃度下げるとただ印刷不良みたいになるだけだった(…)

★表2・3CMYK印刷

どんなにシンプルな本でも表紙2・3が印刷されているだけでぐっっと華やかになる!すきすき!
 

『ちんぽ依存ケア施設の入居者たち』

R-18創作BL短編小説集

▶︎ 印刷所
STARBOOKS
▶︎ 仕様
A6(文庫)
ファンタス_ブラック_200K CMYK(用紙裏面の白色側を表紙にした)
箔押し:チェリーピンク
淡クリームキンマリ_90K

★ファンタス
うを〜〜〜ファンタス〜〜好きだ〜〜〜。
ラテックスのような表面を、あえて裏返して使って表紙2・3として使うの最高だよね。最初に思いついた人は天才。
欠点はあまりに鏡面なためうっかり自分の顔を見てしまうこと。

★箔押し
タイトルの略称になる部分だけに箔押しした。たのしー。
箔に罪はないのに「下品なピンク箔押し」と呼ばれまくって笑った。

》写真がない群

『死惑の森』

R-18G男リョナゲームブック風小説

(左上のピンク色に見えるやつ)

▶︎ 印刷所
ブロス
▶︎ 仕様
A5
色上質紙 最厚口(135kg) 赤 墨刷り
中綴じ(ホッチキス)
淡クリームキンマリ 62kg

★色上質紙 最厚口+墨刷り
ホチキス留めなのでコピ本ぽく見えるがちゃんと印刷所で刷ってもらったやつなのだ。
コピ本よりピシッとしていつつ、無線綴じよりとっつきやすい。これはこれで好き。
お手軽ゲームブック風なので、合ってたと思う。
写真は加工のせいでピンク色に見えるが、実際はもっと朱色。
 

『悪意ノこころヒトシレズ』

R-18G創作BLバッドエンド小説
(死惑〜の参考画像で隣に写っているやつ)

▶︎ 印刷所
プリントキング
▶︎ 仕様
サテン金藤180Kg CMYK
マットPP
書籍用紙 70Kg

★サテン金藤180Kg+マットPP
あんまり印象に残ってない…。サテン金藤のいいところをマットPPで潰してしまった気がする。でも独特なマットさと、さらっとしたツヤ感はあった。

 

他、
『夢を見るだけなら自由だから』
『便器青年と売春青年』
『熱砂に昇るダイヤモンド』

…など。
注文ログどっかやってしまったり、自分でデザインしたわけじゃないやつなど。

同人誌楽しい!
装丁で遊ぶとお金がかかるけど、お金がかからない趣味なんてそうそうないからね、そういうものなのよ。

コピ本やオーソドックスな同人誌でもそれぞれの楽しさがあるし、特殊加工にチャレンジするとさらなる楽しさがある。気になるのがあればやってみてね!
 
 

》印刷所リンク

印刷所によってガイドラインが違います。
利用するときはよく確認してね!

STARBOOKS

https://www.starbooks.jp/

箔の種類が豊富!
少部数でも特殊加工の融通がきく!
マイページが見やすくて初心者向け!
入稿後の工程がわかりやすい!

初心者向けではあるが、どこの印刷所のサイトも同じで「どのセットを注文したらいいの?」までのページの見方は、慣れるまでは迷うかもしれない。
「オーソドックスな仕様にしつつ、箔押しなどの特殊加工もしてみたいなー」なら【オンデマンドカスタム】。文庫サイズとかにもできるよ。
基本仕様の欄を見ながら、発注フォームをいじると見積もりが出せるよ(いきなり発注確定しないからSTEP1での計算ボタン押して大丈夫だよ)
STARBOOKSのやべえところは、早割の刻みが細かくて、かなり早めの〆切にすればヤスゥウゥイ!!ところ。見積もり進めていくとその確認ができるので驚いてくれ。

箔押しなどしないまさにオーソドックスまんまな【オンデマンドセット】もあるが、これやるならブロスの方が安い。でもマイページ見やすいからスタブ使うのもアリだと思う。

本文の黒インクの出方で印刷所を使い分ける人もいるみたいだけど、そこは門外漢なのですまない。
 

プリントオン

https://www.print-on.jp/doujin/doujin_index.htm

少部数で特殊加工無双するならここ!みたいな印刷所。盛れる。
「やれること」と「クオリティ」を考えると破格の値段だと思う。でもフェア(早割)をフルで使おう。

オーソドックスな同人誌が作りたいだけなら、金額的にもう少し気楽に刷れる印刷所のほうが良いんじゃないかな……とは思っちゃう。
ちなみに私は初めての同人誌を何も知らずにここで刷ったので、印刷に関する金銭感覚神経が破壊されている。

プリントオンのありがたいところ、原稿のテンプレートが種類豊富でわかりやすい!
どの印刷所を使うときでもプリントオンのテンプレートを使っちゃう。てへへ。

発注から入稿までの流れもわかりやすいと思う。
「本のセット内容」のページからやってみたいセットを選んで、マイページで「お見積もり>自動お見積もり」を出してみよう!
やりたい特殊加工が複数絡んでいるときは、「お見積もり>オーダーメイド」から見積もりをかけると、向こうが内容にあったセットを選んでそのほかの特殊加工代を乗せて計算してくれるよ。
 

レトロ印刷JAM

 https://retroinsatsu.com/

見たらわかる! スッゲオシャレヤツ!
風味がかなり独特だから、ペーパーとかで利用するひとが多いかな?

レトロ印刷で同人誌、かなり憧れるよね。いや、そんなに難しいものではないと思うのだけれど、シンプルなだけに逆にセンスを試されている感がすごい。

注文の流れ、もうほとんど覚えてないけどそんなに難しくはなかったと思う。
印刷の出方についてとか連絡で確認してくださって丁寧な対応だった。
 

ちょ古っ都製本工房

https://www.chokotto.jp/

シンプルで良い、1〜5冊刷りたい、などのちょっとしたときにお世話になるとこ。オテガルゥ!!ヤッスゥウイ!!

私の入稿が優等生すぎるせいかわかりませんけど、電話連絡とか来たことない。
大衆向け(?)なだけあって発注やデータ作成などの案内はやさしく書いてあるけど、入稿後のフォローもしてほしいなら他を頼る方が良いと思う。

あと、がっつりスケベだったり猟奇なやつなら同系統の印刷所でワンブックスの方が良いと思う。成人向けのガイドラインがあるのはワンブックスの方なので。
(おまえはいいのか、というブーメランには言い訳しか並べられない……。小説だし…表紙は普通だし…身内向けだし…いいかな…って……)
 

ブロス

https://www.bros-comic.co.jp/

オーソドックスな同人誌を安く刷れる。そして締切が遅い。そして対応がすごくやさしい……。
「対応が優しい」みたいな感想、社の方針があるとしても程度はスタッフによる「業務外サービス」だと思うから、その対応をデフォルトのウリみたいに言いたくないんだけど、ブロスは本当に親切だと思う。
(利用してみてデータミスを指摘してもらえなかったとしても悪いのは自分だからね!!いいね!?)

テンプレートもわかりやすいところで配布してるし、注文や入稿もやりやすいと思う。

少部数なら「オンデマンド印刷」の「フルカラー表紙セット」か「モノクロ表紙セット」を選んでね。

マイページで「自動見積もり」すると金額や締切がわかるよ。
セットの内容は虫眼鏡のボタンから選べるからね!
利用したのがかなり前だからうろ覚えなんだけど、締切日までに「本の入稿」からデータ投入しての発注だった気がする。他の印刷所と順序が違うからここで戸惑うかも。
流れ違ったらごめん。
 

プリントキング

https://printking.co.jp/doujin/

まだ同人誌を作り慣れてないときに利用したんだけど、申し込みから搬入まででつまづいた記憶がない。
「はじめての方へ」でだいたいわかるし、なにをしたらいいかの誘導が親切なサイト作りになってる。

基本は「カスタマイズセット」だけど、「フランス製本セット」や「和綴じ製本セット」といったインパクトのある装丁がわくわくさせるね。
やりたいと思いながらそれっぽいテーマの同人誌を扱う機会がない。そのままうっかりしてログインIDわからなくなっちゃったので細かい説明ができない…すまない…。

プリントキングは特殊な〇〇製本ができる魅力から語っちゃうけど、普通のセットでちょっとした特殊用紙を選ぶハードルの低さとか、複数の特殊加工の利用しやすさとかもすごく良いと思う。


》みんな同人誌を刷れ!

はけないかもしれない?
需要がないかもしれない?

刷りたいか刷りたくないかだろ!!!!!!!

10冊刷ってBOOTHに登録しよう!!売れなくても「作った同人誌の履歴が増えていく」感じワクワクするわよ!!!!!
図々しくフォロワーに献本していけ!!!送料180円のスマートレターに突っ込んで押し付けろ!!!!!!!!!!!同人誌はそうやってさばくんだよ!!!!!!(暴論)

小箱で済む程度の在庫なら、手元で温めておくと3年に1回くらいは共通の趣味で知り合った人とかにお近づきのしるしに渡せたりするよ。たぶん。
なんやかやネタ…思い出になるし、日にちが経てば清々しく捨てることもできよう。

間違っても100刷るんじゃないぞ。50でも30でも本はかさばるからまるっと残るとヒくぞ。
はじめて出した同人誌が頒布数0のままイベント終了してしまい、隣のサークルのひとが気を使って1冊買ってくれた私が言うんだ。嘘じゃない。
(いや、人やジャンルによっては100でも少ないが…。通販がほとんどになった今の時代なら、増刷でも間に合うと思う。単価はともかくとして)

せっかく作ったのに……となっても、同人誌の写真の記録を残しつつ、中身はweb再録するとなんにも無駄にはならないよ。楽しい気持ちは残るよ。少なくとも私は……。

作ろう、同人誌!!

というか、同人誌の特殊装丁で遊ぼう!!!!!!!!!!!!!!