東京鬼リピ店vol.7 混沌の中に光る優しさと秩序〜町中華の名店・十八番〜
げっそり。🙄
娘ベビ子の誕生日プレゼントを買ったり、育毛剤とか謎の出費が続いたので、マイナス分を取り返そうと、猛暑の東京でせかせか働いて疲労困憊中である。
ちなみに「げっそり」とか、あたかも見た目がやつれたかのような擬態語を使ってみたが、それはあくまで気持ちを表現したのであって、姿態は相変わらずのまるぽちゃだ。
とりあえず、わたしには今、著しくスタミナが不足している。
しかし、鰻とか焼肉とかを食べる金も不足している。
そういや、三月に入稿した仕事のギャラがまだ振り込まれていない。
先週、勇気を出して先方に催促してみたら、「確認します」と言われたきり、音沙汰がないのだ。
4か月って、イノシシならもう産まれているぞ。
ウサギなら2回繁殖しているかもしれない。
暑いし、湿度が高くて不快指数MAXなので、せこい話をするのはもうやめよう。
とりあえず、わたしには、この暑さと世知辛い世の中に打ち勝つスタミナが必要だということだけは間違いない。
東京町中華の老舗「十八番」
で、やって来たのが東京の町中華の老舗、浅草「十八番」である。
実は、わたしが最も鬼リピしている町中華メニューというのは、上野の珍々軒のチャーハンなのだが、あそこは半分屋台だから、猛暑の今は顔面が崩れてしまっていけない。
真夏の夜の帰り道に、素敵な出会いがないとも言い切れないのだ。
てっきり営業時間を20時ラストだと思いこんでいたが、実際には19:30ラストオーダーで、店に着いたのは19:35だった。
入るなり、
「すみません、閉店でーす」
と言われて、絶望の谷底へと突き落とされる。
暑さによる集中力の低下から、ループ（シェア電動スクーター🛴）でこけそうになりながら、浅草駅から命からがら汗だくだくでやって来たのだ。
ああ、自分は、食レポを趣味としていながら、なんて初歩的なミスを犯してしまったんだろう…。
で、その絶望が顔にモロ出ていたらしく、
「今日だけね」
と、中に通してくれた。
お兄さん、優しい…。
（次回は必ず気をつけます。ごめんなさい😞）
さて。
わたしのカラオケの十八番は鈴木あみの「Be together」というどうでもいい話は置いといて、十八番でおすすめなのは、餃子である。
よく雑誌で取り上げられているのは、スワンラータンメンやニラそばなのだが、わたしは十八番の餃子が好きだ。
何がいいって、ここの餃子は極薄皮なのだ。
パリッというよりは少し水分があって生春巻きのようなモチっとした食感も良い。
そこに、はちきれんばかりに詰められた餡。
中国人の友達と餃子を作ったら、いかに多くの餡を詰められるかでその人の技術判定がされてしまうが、これならダントツで優勝だ。
いつ破れてもおかしくない、こんな頼りない薄皮に、限界ギリギリまで餡を詰め込んだ料理人のお兄さんを、餃子職人界のケン・ブロック（ドリフトの名人であるラリードライバー）と呼ぼう。
そして、餡の味付けも良い。
野菜と肉の配合バランスが絶妙で、にんにくたっぷり、まさにわたしの希望通りのスタミナ感である。
また、具材が極めて細かく刻まれているので、滑らかな口当たりなのも、わたしのお気に入りポイントだ。
壁には、とんねるずのみなさんのおかげでしたの人気コーナー「きたなシュラン」で三つ星を獲得したことを誇示する年季の入った模造紙が貼られている。
disられてるのか褒められてるのか、その均衡の判断が難しいが…
とにかく、「店舗は汚いけど、味は美味しいこと」は、タカさんノリさんのお墨付きらしい。
確かに、店内は混沌としているが、料理には繊細さと秩序が光っている。
ビールを飲んだら、サクッとしめの五目チャーハン（950円）をいただく。
こちらのチャーハンは流行りのパラパラ系ではなく、フワフワ仕上げだ。
口当たりが優しく、食べていると気持ちがほっこりしてくる。
具材はカニカマ、焼き豚、卵、メンマ、ネギ、グリーンピースと盛りだくさんで、夜店の（砂を掘ってパワーストーンを探した）「宝探し」みたいなワクワク感がある。
店内の雰囲気はごっついが、料理は全体的に優しい味付けで、腹が満たされるだけでなく、不思議と心まで癒される。
日々「東京砂漠」で戦う皆さんにぜひともおすすめしたい、優しさたっぷりの町中華の名店である。
十八番
住所 東京都台東区西浅草2-18-7
営業時間
月〜土 11:00 - 14:00 ，17:30 - 19:30
日・祝日 定休日
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