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中国各地の餃子を食べ歩いた私が選ぶベストオブ餃子(レシピ紹介)

#餃子が好き

わたしは長年、中国(と日本)で仕事をしている。
そして、中国といえば餃子。

なので、このお題に参加せずにはいられなかったのだが、すけべ心を出してエモいことを書こうと試みるも、残念ながら「餃子はうまい」というあたまの悪い感想しか出てこなかった。

そこで、一応中国33省のうち19省を訪れたことがあり、各地で餃子を食べてきたわたしが最も「おいしい!」と個人的に思った餃子を、素直に紹介しようと思う。

ただ、タイトルでは大分ドヤってみたが、餃子を研究している美食家でもなんでもないことをまず謝罪しておこう。サムネもりもりごめんなさい。。。

単に、中国で一人で気軽に安くておいしいものを食べようとすると、わたしの場合は大体餃子になる、ということである。

勝手に餃子グランプリ

もちもちの皮の中に餡がたっぷり

勿体ぶらずにいうと、わたしが選ぶナンバーワン、それは、黒竜江省・黒河で食べた「茴香菜(フイシャンツァイ)と豚ひき肉の餃子」だ。

黒河は、中国の北東部に位置し、ロシアとの国境を示すアムール川(中国名は黒河)の岸辺にある街。
川を挟んで対岸にはロシアのブラゴヴェシチェンスクがあり、川幅が狭いところで一眼レフを構えれば、日光浴をしているロシア人が見えるほど、ロシアに近い。

対岸に見えるブラゴヴェシチェンスクの街並み
国境警備を挑発しながら「安心してください、越えてませんよ」を楽しむ強者も

餃子に話を戻そう

ハーブのよい香り

この餃子の肝となる「茴香菜(フイシャンツァイ)」の正体は「フェンネル」というハーブである。
フェンネルは中国では安価で簡単に手に入る食材なのだが、わたしが中国生活の基盤としている上海や江蘇省・蘇州といった華東地区では、餃子の具材としては馴染みが薄い。

周りにいる中国南方出身の友人たちは、ニラ+炒った卵、ナヅナ+豚肉、白菜+豚肉、椎茸+豚肉といった餡の餃子を好む。
なので、わたしはこのフェンネル餃子の存在を黒河に来るまで知らなかった。

左4くらいまでの雑さがカワイイ

それが何であるかも分からずにフェンネル餃子を注文したわたしは、ひと口食べて言葉を失った。
「北の果てまでくれば、こんなにもおいしい食べ物があるのか…」
そして、えらく感動したついでに、中国文化を崇拝する気のいい外国人キャラに徹して、店の店主に作り方を教えてもらうことに成功したのである。
「国境の小さな街に伝わる秘伝のレシピを母国へ持ち帰るのだ…(そして、やがては餃子屋を開いて一攫千金を…野心)」
しかし、実際にはこの餃子、黒河だけのものではなく、広く中国北方の料理であり、北京などでも食べられていることを後に知る。

中国でのある日のわたしのご飯(フェンネル餃子とスイカの赤ちゃんの漬物)

フェンネル餃子の最大の特徴は、その上品な味わいだ。
フェンネルそれ自体は、ほのかに甘く、爽やかかつスパイシーな風味がある。
よりメジャーなハーブに例えると、ディルに似ているかもしれない。
西洋料理ではよく肉料理などのスパイスとして用いられるが、「主人公の妻が通っている趣味の習い事教室の友達2」ぐらいの脇役感であり、まさか中国ではこれを「主人公の相棒」クラスの扱いでふんだんに餃子の中に詰め込んでしまうのだとは、予想だにしなかった。

口に含むと「こ…これは餃子なのか?」と疑いたくなる華やかさで、爽やかなフェンネルとジューシーな豚ひき肉との相性が抜群、思わず赤ワインを飲みたくなる。

で、一人でさんざん騒いだ末に、中国とロシアの国境線にある来訪難易度ウルトラC級のお店を紹介しても誰も幸せになりそうもないので、作り方を以下に紹介しておくことにする⇩⇩
(店主秘伝のレシピはすっかり忘れてしまい、中国レシピサイト参考)

フェンネルは日本でも手に入るハーブなので、香り強めのハーブが得意な方、ちょっと変わった餃子が食べたい方はぜひお試しあれ☺︎

フェンネル餃子の作り方

🥟材料

  • 豚肉 125g    

  • フェンネル 150g  

  • 餃子の皮    15~20枚

  • 小ネギ 4分の1束 

  • 生姜  2スライスくらい

  • とき卵 半分

  • 花椒油(なければ胡麻油等) (楽天やAmazonで購入可)

  • 花椒(粒)少々

  • 十三香 小さじ半分 (中華スパイス、楽天やAmazonで購入可)

  • 甜麺醤 大さじ1 (中華ソース、楽天やAmazonで購入可)

  • オイスターソース 小さじ1

  • 塩 小さじ1

🥟手順

1️⃣花椒油をフライパンでアツアツに熱して、10粒ほど花椒を投入する。
2️⃣火を消して油を少し冷ましてから花椒の実を取り出す。油の中に甜麺醤を大さじ1入れて混ぜる。
3️⃣豚ひき肉に2️⃣を入れ、時計回りに混ぜてなじませる。
4️⃣3回に分けてごく少量の水を入れ、時計回りに、肉に粘り気が出るまでかき混ぜる。
5️⃣刻んだ小ネギと生姜(チューブまたは微塵切り)を入れて、引き続き、時計回りにまぜまぜ。
6️⃣小さじ1の塩とオイスターソース、とき卵半分、小さじ半分の十三香を入れて、ひたすら混ぜ続ける。
7️⃣そこに、細かく刻んだフェンネル(細かければ細かいほどGOOD)を投入して、軽くまぜまぜ。
8️⃣餃子の皮で7️⃣を包む。
9️⃣沸騰したお湯に包んだ餃子を入れて、浮いてきて火が通っていたら取り出す。
(フェンネル餃子は焼き餃子より圧倒的に水餃子がおいしい)
🔟黒酢、醤油、ラー油、チューブのニンニクなどを混ぜたお好みのタレでどうぞ

※餃子は面倒くさくても、皮から作ることをおすすめしたい。
中国の家庭では皮を自分で作るのが一般的で、個人的には、皮から作りさえすれば、もうそれだけで200%おいしくなると思っている。

中国人の友達と餃子パーティ。出身地によって包み方にかなり個性が出る
中国の餃子パーティは気軽な気持ちで参加すると食べるまで半日以上かかったりするので、後ろの予定にはご注意を

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