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その奥にあるもの

そう、もうずいぶん前から、ずっと探しつづけている。目の前に立ち現われる現実とわれわれの心や精神とを何がつなぐのか。心、精神のありようがどんなふうに現象と関わっているのか。

ここのところ、忙しいこともあるけれど、ずいぶん体がだるい感じと頭痛もあって、ああ、しんどいなぁとめずらしく思う日があった。

体のことは本当にたくさんいろいろなことを試してきているけれど、どれも続かないというか、体のメンテナンスを超えて体と心につながるアプローチを探している私としては、体が発してくれているメッセージを教えてもらうというところまで手応えを感じられていなかった。10月くらいから、前から存じ上げていた鍼灸の先生のところに、ふと思い立ち通い始めた。先生はささーっととても軽く施術なさる。鍼の感触などは、わからないくらい。それでも、施術してもらうとあきらかに気が動き始め、腹式呼吸に切り替わり体が緩み始はじめる。温まり、ほかほかしてくる。体をメンテナンスする方法はいろいろあるけれど、その人の特性というか、エネルギーが伝わってくることも多い。でも、先生のエネルギーは無色透明。これがプロなんだなと思う。毎回、施術後は的確に今の体の状況をフィードバックしてくださる。生活をまるで見透かされているようなので、ぎゃふんという感じ。

そう、それで頭痛とだるさを抱えながら、今週も先生のところへ。少し時間があったので、待合室でメニューを見ていると、気功治療の施術もある。その説明に、「心と魂にもはたらきかけととのえます」というようなことが書いてあった。この日の施術が終わり、先生に気功治療とはどういうものなのかと聞いてみた。

「ふだんの鍼灸の治療では、体にはたらきかけるのですが、体の表面を整えている側面が強いんです。表面だけ整えても大きく変わるのが難しいことがあります。心と魂はその奥の幹の部分。心・魂と体は両輪なので、双方が影響しあっているんですよね」

なぜかその言葉を聴いているうちに、つーっと涙が流れた。

そのことは知っているし、それを支える考え、理論、方法、かなり多くのことに触れ、探してきた。心と魂が体と影響しあい、現象もつくっていく。私の心と魂がまずある。

知っているはずなのになぜだろう。

何かに触れた。何かに触れたんだろう。急いて言葉にせずにここから何か育まれるのを待ってみることにする。


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