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私の好きなもの vol.2「しば漬け」

私がめちゃくちゃ迷う質問「好きな食べものは?」

「好きな食べものは?」はいい質問?

  「好きな食べものは?」と聞かれたことのない人って、多分いないと思う。いや、わからない。顔にニキビができたことがない高校生は3%もいるらしいから、「好きな食べ物は?」と聞かれたことのない人だっているかもしれない。

  なんの捻りもない「好きな食べ物は?」は、捻りがなさすぎて、大人の界隈では逆にオチに使われているところをよく見る。例えば、こんな感じ。
「新入社員の〇〇さんに質問ある方〜!」
「前のお仕事って何されてたんですか?もしよければ……」・・・
「あ、じゃあ私も質問いいですか? お休みの日って何されてますか? 趣味とか……」・・・
「じゃあ、最後△△さん、〇〇さんに質問をぜひ!」
「好きな食べ物は?」(周囲の人、クスクス)
「そうですね、甘いものが好きでこの近くのカフェもこれから開拓していきたいなって……」

『質問、考えてなかったでしょー』なんて言われながらも、周囲を少し盛り上げて、こんな愛され回答を引き出してしまうのだから、ベストなクエスチョンだと私は思う。

「好きな食べ物は?」のベストアンサーってなに?


   そんな魔力を持つベストクエスチョンのベストアンサーはなんなのだろうか? 
   もちろん、時と場合によってベストアンサーは違ってくると思う。小学1年生の場合は、有無を言わさずハンバーグだ。ハンバーグが嫌いな小学1年生はいない(真顔)。『私も好きー!』と、共感を得られるベストな答えだろう。
    中学1年生になったら、甘党を公言しよう!バレンタインデーに顔を思い出してもらえたら、もうこっちのものだ。
    高校1年生は、絶対にラーメンだ。少ないお小遣いで手の出る金額、部活終わりの誘惑、1度『ラーメン行かん?』と誘われたら、もう友達との青春が輝くきらめきの3年間が保証されたようなもの。夢にときめけ!明日にきらめけ!目指せ放課後謳歌高校生!である。
    大学生は、とりあえずかわいく尖るのが吉だ。かき氷とか、どうだろう。とにかくお金をつぎこんで『全部もともと水なんだよなー』なんてふと現実に帰る瞬間だって笑って愛せるくらいの自由が大学生にはある。好きなものを食べればいいと思う。知らんけど。
  
    では、社会人、つまり大人のベストアンサーはなんだろうか。上手く答えられれば、共感を得ること、印象操作だってお手の物のこの質問に、大人はどう答えるべきだろう。私は、大人は幅が重要だと思う。
   『中華とか好きです』『お肉好きです』『お酒好きでよく1人でも飲んじゃいます』。かわいこぶってなどいない、ちゃんと全部食べ物だ。こたえになっているのだからいいのだ。相手が選ぶお店の母集団をとにかく多くできさえすれば、食事なんて簡単に誘ってもらえるはずなのだ。


vol.2「しば漬け」

   冒頭が長くなってしまった。もうすぐ午前2時、目がしばしばしてきた、しば漬けだけに。
   今日お話するのは、誰もが知っている漬物四天王の一人である。しば漬け、あの紫色の、ひと袋あたりの量が少ない、でおなじみのあの漬け物である。
    大人の好きな食べ物を回答する時のポイントは"幅"だ、なんてそれっぽいことを言ってみたものの、私が好きな物は和食(?)の中の副菜(?)の中の、漬け物の中のしば漬けだ。幅はわずか0.1ミリである。

しば漬けの好きな部位は?

   さらに幅を0.01くらいに狭める。『どこフェチ?』みたいな見出しだが、何が言いたいか理解してくれる方はいるだろうか。
   しば漬けには部位がある。部位という言葉は適切でない気がする。材料だ。しば漬けにはさまざまな材料が使われている。ここからは、私のフィーリング的な話なので、しば漬けの正しい材料やレシピなどの知識を知りたい方はGoogleさんにお尋ねいただきたい。

   しば漬けは、カリカリ、ふにゃふにゃ、薄いやつ、しば(すべて愛称で表記) の4つの部位からなる。
   まず、S4(エスフォー:しば漬け4)のセンター、『カリカリ』だ。カリカリは、山田涼介的なポジションである。『Hey! Say! JUMPって山田くんがいるグループだよね!』的なそれである。カリカリだけでも語れるのだが、外側と内側どっちが美味しいか論争というものが(私の中では)存在している。またいつかそこについても触れたいと思う(触れてほしい人は絶対にこの世に存在しない)。
   そして、『ふにゃふにゃ』だ。このふにゃふにゃの存在は意外と知られていない気がする。紫色のコスチュームを着てしまえば、カリカリとふにゃふにゃは阿佐ヶ谷姉妹みたいなものなのだ。遠目で見るとしば漬けが好きな私でもたまに見間違えてしまうことがある。
    次に、『薄いやつ』を紹介する。薄いやつは、厚さの意味でも、色の意味でも前のふたりと比べて薄い。でも、この薄さゆえにカリカリやふにゃふにゃに絡み合って、お箸でつまんで口に運ぶときに活躍するのだ。
    最後に、『しば』である。しば漬けのなかで、いちばん「しば」という感じの姿をしているので、私はしばとよんでいる。しば漬けは、しばにはじまり、しばに終わる。しばは最後までメンバーに添い遂げ、袋や器の中からみんなを見送る切ないメンバーである。

(もうそろそろ読んでる人いなくなったかなあ……あ、初めからいなかったか。)

私の推しは『ふにゃふにゃ』

   この中でわたしがいちばん好きなのは、ふにゃふにゃだ。これに共感してくれる人と会ってみたい。会えたときには、私はふにゃふにゃファンミーティングを行ってもいいとすら思っている。好きな理由は、わからない。顎に優しい?、口当たりが優しい?、味が染み込んでいるから?、とにかく、理由を探したくないくらい大好きなのだ。

こんなに語れちゃうくらい、しば漬けが好き。
とくにふにゃふにゃが大好き。ちなみに2位は薄いやつ。

P.S.
   これを読んでいるしば漬けメーカー ご担当者様
  お世話になっております。 シロマリと申します。
   貴社のしば漬け、
   きゅうり抜きのなすメインで作れませんか……!??
   販売されましたら、ご一報いただけると助かります。



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