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読書感想文 生き方/稲盛和夫

友人たちと読書会を行うことになったので、その記録も兼ねてこちらに記載することとする。課題図書は京セラ創業者、稲盛和夫氏の「生き方」。

課題は読書会のなかで設定されていて、それに沿って考えていく。

【課題・問いかけ】
①「生き方」を読み、何を感じましたか?印象に残った箇所3つを選んでください。そして、なぜ刺さったかをまとめてください。 
②あなたにとって「働く」とはどういうことですか?あなたなりの「自分の、ことば」でまとめてください。

投稿時点では読書会はまだ開催されておらず、一旦読書感想文を書き留める形でこちらに記載する。

**①「生き方」を読み、何を感じましたか?印象に残った箇所3つを選んでください。そして、なぜ刺さったかをまとめてください。 **

①−A 

 真にすばらしい人間は「無名の野」にいることも、あらためて胸に刻むことができました。私がほんとうに立派だと思う人は美しい心をもった人です。それはささやかな街の路地裏に住んでいる心やさしい老婆であったり、都会の片隅で目標に向かって努力を重ねている若者であったりします。  
 名誉と資産を得、功成り名を遂げた人よりも、そういう無名の人たちのほうがどれほど「上等」で、思いやりに富んだ深い心をもっていることか。あらためてその感を強くしています。
−第5章 宇宙の流れと調和する 不完全でもいい、精進を重ねることこそが尊い

私は成功者の自伝・言葉というのに懐疑的だ。
中学(高校1年生?)の時、「成功と失敗」という小論文を書いた。「成功者だから真似るべき、見習うところがあるのだ」という論理は成り立たない、と行った内容で、割と筋金入りの持論になっている。きっかけは誰だか忘れてしまったが、成功者や有名人の文章を読んででてきた私なりのアウトプットだった。

その為、まさにこの『生き方』という本に対しても少し懐疑的に読んでいた。しかし、その考えで読み進めていた私に寄り添ってくれたのがこの一文だった。有名な人、成功している人”だから”生き方を参考にするべきなのではない。生き方が素晴らしい、立派だと思えるひとに有名無名な関係なく、むしろ、無名の方が「上等」なのではないかと言っている。ここで本当に稲盛氏は謙虚であろうと、人格者であろうと努めていると改めて感じ、凄みを感じた。また、素直に尊敬できるなと思えた。

この文章は本の最後の方になるのだが、この文に来るまででもこの本を通して成功者の言葉というものに対しての考え方も徐々に変わっていくのを実感して読めた。生存者バイアスそのものの存在は考慮しなければならないが、成功者の言葉の使い方・自分の中への落とし込み方は発見できたと思うのだ。具体的に言えば、共感できるところは支えにして、共感できない部分は自分の考えを整理するために活用することができるということだ。
中学生の頃とは異なり、私の中でも経験上確からしいと思える本質的な考えが固まりつつあるので、こうした本を適切に受け入れる土壌ができていたのだと思う。

この分野の本全体への考えや気づきがこの言葉に含まれていたので、後半の言葉だが最初に持ってきた。

①−B 

完成形がくっきりと見えるようになるまで、事前に物事を強く思い、深く考え、真剣に取り組まなくては、創造的な仕事や人生での成功はおぼつかないということです。
−第1章 思いを実現させる 現実になる姿が「カラーで」見えているか

私にとって非常にタイムリーで、刺さった言葉がこれだ。
もともと「もっとこうなればいいのにを実現するひとになりたい」というのがここ3年ほどのテーマになっているのだが、ここ2ヶ月で「思いを実現させる」ことへの距離が近くなったこともあり、なにを、どのようにして、実現させるのかをクリアにしなければならないと思っていたのだ。
この本を読み始めたのが5/17からだったのだが、ちょうどその1日前にコーチングを受けていて私の最初にやることは「私のやりたいことを言語化する」ということに決めた。
私は昇進や一番になりたいといった考えでキャリアを考えるのではなく、ビジョン型でキャリアを考えるからこそ、やりたいことを言語化する。きちんと考えて解像度をあげるということを課した。そして、その思いが下支えされているようでとても嬉しかった。

この本ではこの思いを実現させることに関して、何度も何度も語られる。その中でも一番強く語られていたのがこの部分だった。
私はもともと「求めなさい、そうすれば与えられる」という言葉が好きで、やりたいことはやりたいと言って生きていこうと思ってきていて、求めるものややりたいことが少しずつ近づいたと感じている。求めることが願いであるうちはダメで具体性を持ってイメージできていないと「かたちにする」ことはできないと思う。欲しがるばかりで価値を返せない人にはなりたくないので、ちゃんと出したい価値を思い描いてかたちにしていきたい。

私はまだ思い描くことすらできていないので、まずはそこからなのだけど、ぐるぐると考えすぎてしまうたちではあるので、かたちにするというプロセスに対しても触れられているこの言葉も参考にできればと思う。

「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」ことが物事を成就させ、思いを現実に変えるのに必要なのです。

①-C 

低いレベルの利他にとどまらないためには、より広い視点から物事を見る目を養い、大きな単位で自分の行いを相対化して見ることが大切になってきます。
−第4章 利他の心で生きる 利他に徹すれば物事をみる視野も広がる

自分でいうのもあれだが、私は利他の心があるほうだと思っている。ただ、自己犠牲的な利他ではなく、他者と自分が両方HAPPYでいればいいと思う欲張りタイプだ。なので、「三方よし」の考え方がすごく好きで新卒就活の時からずっと使っている。

しかし、仕事をし始めてから思うのが、この実践はすごく難しいということ。私と私の会社、そしてお客様に対して価値を届けるという三方を目指していてそれ自体は共感してもらっても、いざ業務遂行・運用を考えてみると批判や懸念が湧き出すことが多い。大きな単位と小さな単位での考えのバランスや一貫した考えを定義するのは本当に難しく、相対化する単位によって絶対齟齬るものなんじゃないかと思ってしまうほどだ。

ただ、ここで語られている通りいろんな視点で自分を相対化する、客観的に正しいことを行うことは心がけていきたい。
そのため、今は”できるだけ多くの人に「そうだよね」といってもらえるあるべき絵を描いて、業務や運用の細部に配慮して設計し、齟齬がでないようにする”ということを必死にやってみるしかないのかなと思った。

また、私の場合「利他に徹すれば視野が広がる」ではなく、「視野を広げる・他の人の視点を知ることで利他を考えることができるようになる」という考え方なので、これからもいろんな人と関わり続けたいと思う。

②あなたにとって「働く」とはどういうことですか?あなたなりの「自分のことば」でまとめてください。

私にとって「働く」とは、人生の中心にあり、人生を楽しくさせるものである。私の「働く」を通して、世の中がちょっとでもよくなること、HAPPYな人が一人でも増えることをわりと本気で願っている。

−なぜ人生の中心なのか(WHY)
私は大学生の時に「働く」を人生の中心に置くことを決めた。
私は私が前に進んでいる実感がほしいのだ。そして「働く」は一番前に進んでいる実感が得られやすい。働くことの中でてくるアウトプットはFBをもらいやすいし、また、多面的な視野で捉えることが是とされており、それが性分に合うのだ。

だから、稲盛氏の語る仕事に関しての下記のような価値観は共感できる側の人間だ。

人間がほんとうに心からの喜びを得られる対象というものは、仕事の中にこそあると思っています。

でも、私は私人間すべからく「働く」を精進する場にしなくてもいいと思っているし、上記のような言葉を否定する人も肯定したい。むしろ働く周りにあふれる謎にポジティブでいなければいけないプレッシャーは壊したい。その異様なポジティブさが「働く」楽しい勢と楽しくない勢との壁を厚くしていると思っているからだ。

一つの物事に集中して向き合うほうが、二つの物事に向き合うよりも成果がでやすいのは確かだ。ただ、「向き合い続けること」のは 考え方×熱意×能力 の考え方や熱意ではなく能力だと思うからだ。なので私個人の働くは重めであっても、異なる人の居場所もきちんとつくれる社会にしたい。

-私はいま「働く」でなにをしたいのか(WHAT)
前段の「異なる人の居場所もきちんとつくれる社会にしたい。」とつながってくるのだが、私は新しい価値観を増やすこととそれが認められる世界に近づけたいと思っている。

その中で今の仕事でやりたいこととしては
・働くことが楽しいと思える人を増やす
・働くことがストレスと思う人を減らす
・職場を自分の居場所と思える人を増やす
の3つだ。

本書で描かれている通り、働くことは人生や生き方に影響を及ぼすものだからこそ、「人生・仕事の方程式 考え方×熱意×能力」の考え方の部分がマイナスである人を減らしたいと思っている。

「当たり前」と思い込んでいる価値観で「XXしなきゃいけない」「XXするべきだ」というものに対して、「YYって考えたらZZすればいいのでは?」と新しい考え方や気づきを与えられるプロダクト・サービスでありたい。

終わりに

今回かなり思考しながら書いたため、読書感想文というより読書を受けて自分の考えを整理するようなかたちでのアウトプットになった。多分テーマ的にも自分にとって身近で、向き合いたい・向き合うべきと感じたテーマだったからこのようになったようにも思う。

本を読み始めてから2週間くらい掛けてじっくり書いてしまったのが自分にとって想定外だった。いいなと思ったところと要点はまとめてたのに、書き始めたら結構止まらなかった。そして、冗長になってしまったのでこれでも結構省いた。。また読書会を受けて感じたことや考えが深まったことがあれば別途更新します!

おしまい。

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