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読書メモ 彼女は1人で歩くのか?/森博嗣

今回はこちらの本の読書メモを簡単に。

森博嗣さんの本は言葉選びが好き。哲学的な思考が多いところが好き。思考が整理されていく気持ちよさがあります。この本は人の認知と判断を考えるにとても良かった。仕事上でも人とテクノロジーのコミュニケーションの違いとは?を考えていたので、とても良かった。

主人公の思考で面白かったところ

・思考そのものよりも言葉選びや表現様式、どんな役割・機能を果たしているのかで人間らしさを判断している

→インターフェースを寄せれば人間らしさを獲得できるのでは?

・自分が愛着をもてるかどうかで人間らしさを判断している

→第一印象で愛着を持てるかということも勿論だが、時間経過によって愛着は形成されていることもある。この話で語られる「人間かウォーカロンか」は、人間か奴隷かなどの問いかけと同様で結局は人が仲間とみなすか、それを歴史的に受け入れるかということにつきるのではないかと思った。

印象に残った言葉・場面

・同じ人格が長い時間存在するには、何か宗教的なよりどころが必要になるのではないか
・人の寿命が延びることによって、「自分が生きているうちに大きな変化はない、だから考えても無駄だ」という無関心が許容されなくなった。必ず自分の人生の中で起こる変化なのだ。未来とは自分の身に降りかかる現実なのだ。
・世間と遮断されていることでは社会的に抹殺されていることと同じ、と自らの接している世界に対して疑心暗鬼になるシーン
「疑えば、どこまでも疑わしい」

単純にエンタメの読書として読んだのに思考が捗った。
Wシリーズは読んでいなかったけど読もうかな。

おしまい

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