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パラパラより、コツコツと。


自分の土台がぐらぐら揺れている感じがする。

前に向かって歩いているはずなのに、心だけは後ろに向かっているような。
そもそもどこに向かって歩いているのかよくわからなくもなってきたし、
どこに行きたいのかもまったくわからない。


ー去年の終わりー


今年はさんざんな一年だったけれど、
わたしの中では、自分の軸が作られつつある、気がしていた。

すきな服を買って、すきな人と会って、すきじゃない人とは会わなくてもよくして、
すきなものを、誰かの承認なしにすきといって、
誰の確認もなしに自分の意思でお金をつかって、
誰からも褒められなくとも、自分が心地いいことが、しあわせだった。

でもときどき、ただ自分が満足したいだけの思い込みかな、と思ったり、
自分が満たされていると思った方がラクだからそう思おうとしているだけかな、と思ったりした。

それが最近、どんどんふくらんできて、
わたしはもう一体何が自分にとって心地いいのか、よくわらなくなった。

***

「人が好きになれない」
「結婚も、前はしたかったけど、別に無理してしなくてもいいかな」
「ハイスペックは遊ぶし、でもイモっぽい人がいいわけでもない」
「理想が高いんだよね~」

最近友達と話していて、聞いた言葉たち。
ちゃんとみんな、自分の軸がある。

みんな、「すき」も「きらい」も明確だし、自分の決めた基準以外のものには、しっかりNOと言えるんだな、と思った。

いや、わたしだって、すきもきらいもあるのだけれど、なんだろう。
自分がすごく軽率な人間に思えたし、実際にそうな気がした。
わたしの「すき」って、なんなんだろうとおもった。

恋愛に限らず、ずっとずっと、没頭したように、「すき」をもてる人をすごいと思ってきた。
恋は盲目なんていうけれど、盲目になったことは、たぶんない。

だって、どこかで冷静な自分が、自分を見ているのだ。
それはある意味、客観視ができているといえるかもしれないけれど、逆にいえば、自分のことしか見ていないともいえる。

本当に本当に、何かに夢中になっている人は、そのときの自分のことなど、見えていないと思う。見ていないのかもしれない。それくらい集中している。

でもわたしはたぶんいつも、自分のあたまの片隅に、自分の姿が映り込んでいるし、人や物を自分の映し鏡のようにみてしまう。

100%の熱を込めて、だれかを、なにかを見たことがあったのだろうか。
占い師にいわれた、「過程をたのしみなさい」というのは、たぶん、相手のこと、もののことを100%で見なさいよってことなのだと思う。

でも、「すき」ではあるのだ。
すきに嘘はないし、ちゃんと嫌な人のことは嫌だと思うのだ。
ただ、「すき」「きらい」をまわりに堂々と言えなくて、自分から気持ちを伝えることも苦手だし、人からの気持ちを拒むこともできずにいる、感じ。
(実際には、ちゃんとすきにはすきでこたえるし、嫌なときは逃げるのだけど、言葉や態度で伝えきれていないなって)

ただただ、自分の「すき」に自信がなくて、
自分の選択も信頼できなくて、
人が「いいね」って言ってくれると安心できる、
地に足のつかない「すき」なんだ。

よくよく考えると、だれかに頭をさげてお願いするほどすきだったものもない。
諦めることに慣れすぎてしまったのかもしれないし、
わたしには手に入れられないと思ったら逃げる方が楽だと思ったのかもしれない。

だからずっと、50点の人生でいいやと思いながら35点と65点を浮遊しているようになっているのだ。

きっと、何かを成し遂げる人は、0点やマイナスの可能性を背後に携えながら、それでも目の前の小さな100点や1000点を目指すのだ。
わたしには、そんな度胸も覚悟もないだけだ。

100点じゃなくてもいいから、0点にもなりたくない。
そんな風に歩んできたから、大した挑戦も、功績もなければ、大した挫折も、失敗もない。

そういえば、自分がすきなものをちゃんと手に入れられたとき、わたしはすごく嬉しかった。
それなのに、また、お金がないからと、「すき」を得ていくことを諦めてしまったんだ。

自分がやりたいことに熱を注げていることも、うまくいかなくてうちひしがれているときも、やっぱり嬉しかったのだ。
でもこれも、なんだかバランスを崩しかけていて、やりたいとやらなきゃ、できない楽しさとできない苦しさのはざまで、どっちつかずになっている。

「すき」というのは、それだけで没入して離れられないようなものかと思ったけれど、
「すき」で居続けるのは、目をそらさず、信じて手を離さず、自分を卑下して諦めず、
「すき」でいることを続けることなんだなと思った。

瞬間瞬間の「すき」を散りばめていくのもいいけれど、
ちゃんと積み重ねて、大きくなる「すき」を作っていきたい。


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