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4回目の抗がん剤入院(と、その前の晩)

アンスラサイクリン系の薬の4回目。これでこの薬は終わり。
薬剤師さんが来てくれて細やかに話をきいてくれるのは多分入院治療のいいところ。

今日も入院が嫌で嫌で仕方がなかった。
昨日は休日だったが、大学に行って一時間くらいで終わる仕事をしなくてはならなかった。それも昼頃に行ってさっさと終わらせればよいのにと思いながら、だらだらTverを見て昼寝をして、夜にやっと出かけたと思ったら、大学を素通りして駅の方まで歩いて、何回か行ったことのある海鮮居酒屋に入り、寿司とフライドポテト、生搾りキウイ酎ハイを頼んだ。
そのときの思考は

明日入院なんだから仕方ない。
また味がしなくなるんだから、食べたいものを食べた方がいい。

というものであった。

寿司はそんなに美味しいものではなかったけど満足だった。
ご飯を食べながら大画面のテレビを見ていた。
日頃ならテレビも見ないのだが、とにかく楽なことがしたかった。

テレビではタレントのヒロミが大きな土地にキャンプ場を作っていた。
長期間かけて少しずつ施工していく企画の総集編のようだった。

土の傾斜をならしたり、樹を600本植えたり、ふるいコンテナを据えつけて床をはがして断熱材を入れたり、それらの作業を

俺は素人だからね!

といいながらヒロミが仕切っていた。
ヒロミは58歳だという。テレビで見るかぎり、とにかくよく動く人だと思った。

そして、58歳といえば先生(主治医)も58歳くらいじゃないだろうかと思った。

何回か、展開の気になるところでCMに持ち込むTVを見ていると、このままヒロミのキャンプ場が出来上がるところまで見てしまうのもよくないと思い始めた。

おなかもいっぱいだったので、いよいよ大学に行くことにした。のたのた歩いて帰るともう20:00時を過ぎていた。カードキーを使って職場に入ると、守衛さんが驚いていた。

それから、動きの悪い脳みそと体をぎいぎいなんとか動かして、しなければならないタスクを一つだけこなした。

通常、抗がん剤治療を終えて2週間後は絶好調のはずが
ぎいぎいなんとか動かす、という表現にもあるように
錆びついた機械を無理に動かしているような体感になってきている。

家に帰ったら午前零時前だった。
とにかく布団に入って眠り、翌朝「意見交換会」用のよそいき仕様の装い(ウィッグ、帽子、Vネックのニットワンピにジャケット、靴)にプラスして入院治療の準備をした。

想像しただけで軽い吐き気がするようになってしまっており、入院のしたくになかなか着手できなくなっているのだった。

「意見交換会」を終え、予定より1時間遅れで入院した。
遅れる連絡をしておいたからか、誰からも怒られず、目立つこともなかったので安心した。

ごはんも食べられそうにないと思ったが、なんとか食べられた。
でも今、やっぱり気分がよくない。
血圧をはかってもらったら上が85。ちょっと低すぎる感じがする。
息も浅いし、眠いしだるい。

調子が全然よくないんである。
最近、調子がよくなさすぎてtwitterをやめた。
やめたといってもしばらくあまり見ない、何も書き込まないようにしているといった程度のことだ。

とにかく今の様子を書いておくだけ、
何も面白くなくてもいいということにして書いているけど
面白い文章が書けた方がいいのになあと
何をしててもちょっとずつ自信がないような状況。

それでも、忘れてしまわないうちに
実家に帰った話や、頭を刈った話や、サイコオンコロジー学会に行った話など、いくつか書いておきたいと思う。

今日はday0の吐き気どめを飲まないといけないので、どこまでできるかはわからないけど。

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