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『82年生まれ、キム・ジヨン』#14:解説

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下線部の 배웅 は「見送り」ですが、さて、動詞はどこにあるでしょうか?ここでは 않다 です。否定形として勉強する -지 않다 の  않다 は 아니 하다 の縮約形で、안 하다 ということですね。このように 않다 が使われる例として辞書にも載っているのは 꼼짝않다(微動だにしない)です。間に -도 を入れて 꼼짝도 않았다(びくとしなかった)のようにも使います。
ちなみに 배웅 の反対、「出迎え」は 마중 ですね。

1行目の 식구 は #8 で出てきたときに解説しなかったので、ここで補足しておきます。식구 は 가족 に似ていますが、必ずしも血のつながった家族である必要はありません。また、「〜人家族」というときもここのように 식구 を使います。

4行目の -네 は人名などについて、「〜の家族、〜の家」を表します。

5行目の 당부 はこれも #3 ですでに一度出てきました。 「口頭でしっかりと頼む」という意味でした。ここでは続く 전수현 さんの台詞を省略してしまいましたが、「お父さん、お母さんにちゃんと謝りなよ」といったことを述べます。

日本語訳
(以下はオリジナル訳です。多少ぎこちないところもありますが、原文を活かした訳文にしています。ぜひ翻訳版とも比較してみてください。)

三人家族は服も着替えずにそのまま車に乗り込んだ。チョン・デヒョンさんがハンドルに突っ伏して苦悩している間、キム・ジヨンさんは何事もなかったかのような顔で娘に歌をうたってあげていた。チョン・デヒョンさんの両親は見送りもしなかった。チョン・スヒョンさんがお兄さん一家の荷物をまとめ、トランクに入れながら念押しした。

◎ 2行目の 묻다 は「(物を)埋める」という意味で使われることが多いですが、「顔をうずめる」という場合にも使います。ここではハンドルなので、日本語でこの動作を表現するなら「突っ伏す」とするしかないですかね。

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