陶磁器修復技術者への道4
街は活気戻ってきていますね。
私の通う工房は都内にあります。工房といっても、マンションの一室になりますが、日本でこの技術を手がけているところは、ここしかないため、様々な依頼品がそこには集まってきます。
私がこの工房を知ったきっかけはテレビでした。
しかし、それを見たからといってすぐに通い始めたわけではなくて、その時は「いいなー」とくらいにしか思っていませんでした。
でもそういう思いと、未来は繋がっているんですね、
私が今後の人生を考え始めた時に、すぐにこの工房が思い起こされたのです。
それは、テレビで知ってから1年後のことでした。
お試し体験から入って、そのまますぐに技術をマスターするためのコースに入会。目的を持って始めているのでとても楽しく学ぶことができています。
通い始めて、まだ2年ほどですが、最近では素材の持つ色の再現にも時間がかからずできるようになってきました。
では、先日の続きを。
クチバシと土台を接着したアヒルさん。
今日は、接着した後のひび割れを樹脂で埋める(フィルと言います)作業に取り掛かりました。
隙間を埋めると言っても、ただ埋めるわけではなくて、陶磁器を製作する過程と同じような工程で行います。そうすることでより一層、リヤルに修復していくことができるのです。
一度、割れている中の部分(芯)を埋めて、硬化後に表面の色を作っています。
色がついているお皿でも、割れると断面が白いでしょ?
最初はその断面と同じ色で埋めて、
表面の色を作って、元の姿に戻していくんです。
この樹脂が硬化した後、紙やすりなので磨いて周りと同じようになるように整えていきます。
割れたところのいろは全部同じ色ではないので、それぞれその場所ごとにやっていきます。
まだまだ作業工程はあります。
でもそれが楽しいのです。
真っ二つに割れていたロイヤルコペンハーゲンの器。
汚れを長い時間かけて落とし、申し分なく綺麗な状態になったところで接着していきます。
割れているものを合わせてみると、「カチリッ」とはまるところがあります。これをキーポイントと呼んでいるのですが、このキーポイントをしっかり保った状態で接着していきます。
うまくいくと、もうこの時点でどこが割れていたのかわからなくなります。
でももちろん、これで完成というわけではなくて、接着後は割れ目のヒビがわからなくなるように樹脂を充填してから丁寧に磨いていきます。
まだまだ、道のりは長いですね。
よろしければ、また進捗状況を覗きにきてください。