昔のクロッキー帳を見つけた
まだまだデジタルを持ち合わせいなかった頃。
まだ、子供が小さかった頃。
小さなクロッキー帳を持ってたまに絵を描いていた。
学生の頃、絵が好きでも、芸術分野で生きていくなんて、つゆほども思わず普通に就職をした。
大学へ行って美術館の学芸員になりたいと思ったこともあったけれど、学もなく、費用もかかるため、女子はとりあえず就職して嫁にいけ、というような時代の名残もあった頃だったのでなんの疑いもなく人生をすすめた。
でも、片隅に絵を描きたい気持ちがあった私は、時間を見つけてはキャンバスに向かっていた。一度筆を入れると止まらなくなり、仮病を使って会社を休んだこともあった。
次第に絵を描きたい気持ちが薄れてはいったけれど、大好きな世界堂の香りを嗅ぐと記憶が蘇り、また絵を描きたくなる。
子供が小さいうちは油絵具を広げることもできないし、手の込んだことも出来ないからと、この小さなクロッキー帳を買ったんだった。
私は色鉛筆を左手に何十本も持って描き始める。
自分の中の納得のいくラインに達するまで、左手にある色鉛筆を繰り返し使い続ける。
大木の穴の覗き込んでいる娘のしゃがむ姿が愛おしくて。
ローマの休日への憧れは一生ある。憧れのvespaは免許のない私には一生乗れない。
滝は好きだな。
鶴亀杯、予感してた??
こう描き方、今と全く変わっていないや。
何したかったんだろう?
絵は、いいね。
頭の中から手を伝ってアプトプットされて脳の中身が映し出される。
デジタルもいいけれど、やっぱり紙はいい。
何にも考えないでずーっと、描いていたい。
あぁ、でもだめだ。
7ピンで忙しい所に異動するんだった。
定年までお預けか?
でもまた少しずつ、ゆっくりと書き溜めていこう。
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