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失敗からの特別な朝ごはん

娘が好きなので我が家ではよくチーズフォンデュをします。
子どものころからチーズ好きの娘。

何にでもチーズが入っていれば食べてくれていました。

チーズフォンデュの良いところは冬のお鍋と一緒で材料を切り分けておけば、あとはお好きにどうぞ、というところ。
でも、いわゆるメインとなる角切りのバケットはちょっとトーストした方がいいのでいっぱい切ってトースターの順番待ち。

食べながら、焼いて、焼きながら食べて。
そうこうしているうちにお腹がいっぱいになってくる。


ある日の、チーズフォンデュの日。

お野菜もたくさん食べておいしいフォンデュの夕食はすっかり片付けの時間へと移行していきました。しかしきれいに片付けが終わったはずのキッチンからなんとなく、いやな気配が。

それでも、ま、気のせいとその場を離れゆったりとした気持ちでnoteに向かいお茶でもいれようかと再びキッチンにもどったときでした。

ティファールの横にあるトースターのなかから何やら賑やかな話し声が!

「ねぇねぇ、あたしたち忘れられてるよね〜」
「あー多分またやっちゃったんだよね、ここの人よくやるよね」
「明日までずっとここにいるのかな」
「あーあ、次は私があのトロトロチーズに包まれる番だって思ってたのにー」
「あたしも!トマトちゃんと一緒にチーズに入ろって約束してたのに」

バケットたちの悲痛な声

トースターを除いてみると、なんと!
さっきたくさん切っておいた角切りのバケットたちがカチンコチンになってその場にお残りしていたのでした。

「あちゃ、やってしまった」

カチンコチンの無残なバケットたち。

どうしたものかと、考えて、このままさらに焼いてももうお腹いっぱいだし、どちらにしても今また焼いてもただの丸黒こげだし。

冷凍してパン粉にしようか、それとも、すりおろしてスープにいれようか。
いや、そんなことは面倒だ。。

とりあえず、そのままお皿にコロンコロンと移し替え冷蔵庫にいれておくことにしました。あー、きっと、捨てることになるのだろうか。。と思いつつ。


そして次の日の朝。

朝ごはんのトーストを焼きにキッチンに向かった時、思い出しました。

「あ、昨日のあれ。バターのっけてレンジでチンしてみよう」

「チーン」

すっかり溶けて姿が見えなくなったバターの香りの中で、さっきまでコロコロのカチカチだった角切りのバケットがほんわか温かくなんとなく居心地がよさそうにしていました。

これは!発見か!

食べてみると、「サクサク、ジュワー」の最高のコラボレーション!
パンの外側は良い感じでサクっとしたまま。
温めたことでパンの中がふんわりとして、溶けたバターをうまい具合に吸いとってくれていました。

「これはちょっとしたラスク感覚」

昨日の残骸と化した、バケットのカチカチおばけは
今では休日の朝のお手ごろ優雅な私風のブランチの友として、前夜に仕込む楽しみとなったのでした。

「ちょっとあたしたちバターさんに救われたね!」
「バターさんはやっぱ最強アイテムよね!」
「私実はチーズよりバターさんの方がよかったの!」

バケットたちの安堵の声






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