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【うつ病と紡ぐ日々】退職する時に知っておきたいお金にまつわるエトセトラ



はじめに


3月も今日で終わり。
仕事を辞めて絶賛ニート生活中のしろくまあんこです。
うつ病のせいで退職するというのは、言葉にすれば簡単ですが、色々と大変なことが多かったりします。特に金銭面
やることの多さという意味で体力も必要ですし、次々と届くお金に関するあれこれを見て「お金がみるみるうちに無くなるかもしれない」という不安に押しつぶされそうなるという意味では精神的にもやられます。

やっとやばい職場から脱出できたとはいえ、そう簡単に休めないのが現実。

実際、これまで何度か退職→ニートを経験して、一番キツかったのは金銭面の諸々だったりします。
世の中は理不尽で、こちらの事情など知らぬ、とばかりに役所や関係各所から次々に金銭の請求が始まります。取り立て屋かな?
そのくせこちらの助けとなる制度については、こちらから動かない限り何のお知らせもありません。
これが結構きつい。メンタルをゴリッゴリにやられます。

なので今回は休職中からこれまでの経験を踏まえて、あらかじめ先手を打つように動きました。できるだけ回復途中のメンタルが折れないように、ひいては自分の身体を守るために。
おかげで比較的スムーズに手続きが進み、そこまでメンタルが折れることなく療養生活を送ることができています。

ということで今回は、退職するにあたって必要な手続きや助けになる制度など「次また同じようなことになってもこれを見ればざっくり何をすればいいのかわかる」情報をまとめておきたいと思います。

ただし、これはあくまでも私が自分の経験と調べた上でのまとめなので、もっと有益な情報はあるかもしれませんし、読んだ人に当てはまらないものもあるかもしれません。そこは気をつけてください。

休職中~退職前にやること

傷病手当

まずは収入の確保が最優先です。
会社がどのような保険に加入しているかによって異なりますが、たぶん多くの会社が協会けんぽに加入していると思います。
その場合は、就業期間などの条件を満たせば「傷病手当」を受給することができます。月収の約2/3程度の額を最大1年半受給できるのは大きな助けになります。
条件や申請書については協会けんぽのHPを参照してみてください。
電話での問い合わせにも丁寧に答えてくれるので、遠慮せず聞くことをおすすめします。

休職中は会社と有給をどこまで消化するのか、いつから傷病手当に切り替えるのかをきちんと決めておくことが大事です。
あと、在職中は提出書類の中に会社が記載するページもあるので、どれだけ相手がブラックで、敵で、大嫌いでも、そこは丁重に書類の準備を依頼しましょう。優先すべきは敵よりお金です。

どうしても在職中にそこまで手が回らない場合は、退職後に在職中の無給期間分を遡って申請することもできるので、難しそうならそこは無理せずに後回しにしましょう。

ちなみに退職日の翌日分からは会社が記載する書類は不要で、主治医と自分が記入した書類のみで申請できます。郵送でOKですし、書類もHPからダウンロードできます。もちろん窓口に行って貰うこともできるので、そこは自分が楽な方で。

国民年金

国民年金は在職中は給与から天引きされているのであまり気づかないかもしれませんが、退職と同時にまあまあしっかりした額が定期的に請求されます。
以前退職した際に一番メンタルを抉られたのはこれかもしれません。
なんせ結構な頻度で未納分の振込用紙を束で送りつけてきます
辞めたと申告してなくても自動的に、容赦なく、畳み掛けてきます。
そして可愛くない額の束に「お金がどんどん減っていくぅぅぅ」とメンタルをガッツリ折られた経験があるので、今回はとにかく先手を打ちました。

国民年金は将来の老後を支えてくれるものですが、現在進行系で療養している今の自分はひとつも支えてくれません。
おりこうさんに無収入の間も払っていては生活の余裕が一気に無くなり、それを見てさらにメンタルをやられるという悪循環に陥ってしまうのが最悪のパターン。

そんな人のために「国民年金保険料免除・納付猶予制度」があります。

要するに「今は払えないけど払えるようになったら今の分もまとめて後払いするから請求するのちょっとストップ!」というやつです。

この手続きをしておけば「年金未納」という事態にも陥りませんし、あの毎月のように届く未納分の振込用紙の束を見ることもありません。
しっかり療養して再び働けるようになったら、ストップしていた期間の分を納めればOKです。
ただし、遡って追納できる年数は決まっているので、しっかり確認しておきましょう。
(コメントにて情報いただきました。ぜひ参考にしてください)

ちなみに私はあの紙束を見るのがトラウマになっていたので、休職中にあらかじめ年金事務所に問い合わせて必要な書類を送ってもらいました。
あとは必要事項を記入し、退職日以降に速やかに、とにかく速やかに提出。
これでOKです。
追納の時も年金事務所に連絡して必要な書類を送ってもらいましょう。
協会けんぽと同じく、丁寧に教えてくれますよ。

離職票、雇用保険被保険者証、健康保険資格喪失証明書

協会けんぽ、年金事務所は丁寧に優しく対応してくれますが、ここに関しては会社に依頼しなければならないのでちょっとだけ骨が折れます。
あと高確率でメンタルも折れる
なにせ相手は自分をうつ病に追いやったようなブラック会社です。この手の手続きをスムーズに進めてくれる可能性は限りなく低いと思っていた方がいいです。
それでも、とにかく必要な書類なので、退職が決まり次第会社に作成を依頼しましょう。

特に健康保険資格喪失証明書
これは会社の健康保険から国民健康保険に移行する手続きの際には必須です。しかも手続きは退職日から14日以内に済ませる必要があります。
なのでとにかく他の書類が後日になっても構わないので速やかに用意してもらいましょう。
ブラックな場合には作成を渋るかもしれませんが、役所に問い合わせれば「会社から貰ってきてください」と必ず言われるので、その旨を伝えれば嫌でも作成してくれる…はずです。速やかに、とはならないかもしれませんが。

ちなみに会社の健康保険に「任意継続」という形で引き続き加入することも可能ですが、どちらが良いのかは扶養家族の有無や年収によって変わってくるのでケースバイケースです。
調べると色々と書いてあるHPもあるし、自治体に問い合わせておおよその額を確認して比較してみることもできます。

ただ、任意継続の場合は働いていた時と同じ額を退職した翌年も支払う必要がありますが、国民健康保険の場合は前年の収入を元に計算されるので翌年に関しては国民健康保険の方が安くなる場合が多いと思います。



退職後にやること

国民健康保険への切り替え

前述した資格喪失証明書が用意でき次第、役所に駆け込んで健康保険の切り替え手続きをしましょう。
会社の保険証は退職翌日から無効です。その間に何かあった場合は一旦全額負担というとんでもない事態が待っていますし、次回の受診日にも必要になってくるので、いの一番に済ませてしまいましょう。

窓口で必要項目を記入し、身分証明が出来るものを提示すれば10分くらいで保険証を発行してもらえます。その時に月額どれくらいになるかも教えてもらえるのと、口座振替の書類も貰えるので、早々に口座振替の手続きもしてしまいましょう。
さもないと年金と同じく振込用紙の束が送られてきます(トラウマその2)。


国民年金免除の手続き

これも前述したとおり、あらかじめ用意しておいた書類を退職後速やかに送付してしまいましょう。

市民税の手続き

これは退職後からちょっと時差があって、2週間ほどで通知が届きます。
今まで会社が代わりに払っていたありとあらゆる税金のひとつです。
とりあえず退職月分を日割りした振込用紙が届くので、それは頑張って払ってしまいましょう。
その後の分は封筒に書いてある窓口に電話して、口座振替の手続きを依頼し、必要な書類が届いたら記入して郵送です。

失業手当受給期間延長の手続き

傷病手当の他に貰えるお金のひとつが「失業手当」です。
ハローワークで貰えるやつですね。
ただし、これはあくまでも「就労の意思がある人」に一時的に支給されるものです。つまり、休職して退職したばかりのメンタルおぼろ豆腐の私が申請しても貰えません。
というか主治医が「就労可能」と太鼓判を押さないかぎりは無理です。

あと、傷病手当と重複して受給することも不可です。

病気で働けない間のお給料の代わりが傷病手当
仕事を探している間のお給料の代わりが失業手当

と考えてもらえば分かりやすいかもしれません。

とにかく、失業手当は退職してすぐによっしゃー!転職してやる!という気合と健康があるケースでなければ受給できません。
しかも、受給できる期間は「退職してから1年以内」です。
きちんと療養して、回復してからじっくり転職先を探したい場合には少し心もとない期間。
そんな人のためにこちらも救済措置が用意されています。

受給期間延長手続きをすることで、本来の1年間+最長3年間の猶予を貰うことができます。働けるようになったタイミングで手続きをすればそこから本来の受給の手続きが始まります。

この時に必要になるのが最初の方に出てきた「雇用保険受給資格者証」と「離職票」になります。なので、退職前に必ず会社に用意してもらってください。あとは主治医の診断書が必要ですかね。
この手続きは退職してから30日を経過しないと出来ないので、うっかり慌てて駆け込まないように気をつけてください。


おわりに

以上が過去何度かうつ病でニートを経験して大変だった手続きやメンタルを抉られた請求書の数々についてと、いかにそれらから身を守り、穏やかな療養生活に突入できるかについてのまとめです。

抜けているものもあるでしょうし、場合によっては他にも色々使える制度がるかもしれないので、困ったら自治体や年金事務所など各方面の窓口に遠慮なく問い合わせてみてください。
言わずとも助けてくれる訳ではありませんが、困っていると伝えればしかるべき制度を教えてくれるのが自治体というものです。
(本当は請求書と一緒にそっちもお知らせしてくれるのが一番ですが)

とにかく、これで私も一段落です。
結構期日や書類に追い立てられるので、休職中少し余力がある日にでも少しずつ進めておいた方がいいと思います。

あとは、日頃からある程度の貯金をしておくこと。
うつ病は完治という概念がない病気です。
寛解して社会生活を送っていても、ある日突然ぶり返して働けなくなる。
そんな不安やリスクを抱えて生きていかなければなりません。
再燃しないことが一番ですが、どうしても休んだり辞めたりしなければならなくなった時に、その決断をできるだけの金銭的な余裕を少しでいいから作っておいてください。

プラス、そうなった時は頼れる人には遠慮せず頼りましょう。
親のスネもかじれるスネならかじりましょう。
全ては生きていくためです。
私は正直、それほど生きることに執着していないし、ダメになって死ぬことになったらその時はその時だと思っています。
これだけ繰り返していればそりゃあね。

でも、そんな私のことを見捨てずに手を差し伸べてくれる家族がいます。
だからもういい歳なのに、とかまたかよ、とか思われてもいい!という気持ちで全力で助けてもらっています。
もちろん自立できる部分はできるだけやった上で、ですが。

とにかく働けない時間は無限にも思えて空虚かもしれません。
また働ける日がいつになるかもわからない漠然とした不安もあります。
でも、だからこそお金に関わることはできるだけストレスフリーに済ませてしまって療養に専念できる環境を整えていきましょう。
焦らず、じっくり、ゆっくりで大丈夫です。
私も自分にそう言い聞かせています。
この病気と付き合っていくというのは、そういうことなんだと思います。

どうか無理せず、自分のペースで生きていってください。
これを読む未来の私にも言い聞かせるつもりで書きました。

それでは長文にお付き合いいただきありがとうございました!



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