経済安全保障のこと

金曜の午後に上司へ資料を提出した「経済安全保障」について、営業秘密に触れない程度に書いてみます。

そもそも「経済安全保障」って何だ?って話ですが、自民党政務調査会の資料↓には「わが国の生存と独立及び繁栄を経済面から確保すること」とあります。要は「国が独立と平和を維持して国民が飯食えるように、資源を確保して経済回す」のが経済安全保障です。

最近この話題が出てくるようになったのは、主に中国がきっかけです。90年代から急成長を続けた中国は2000年比でGDPが11倍(日本の3倍)、防衛費は日本の4倍に。

そして中国は「党が全てを指導する」一党独裁体制。経済も社会も文化も技術も、そしてネットの世界やそこを行き交う個人データすら、全てが共産党の支配下・監視下にあります。2010年の「国防動員法」では有事の際に政府が外資を含めた企業や個人の資産を動員できると規定し、2017年の「国家情報法」で全ての個人や組織の「国家情報活動への協力義務(要するにスパイ活動への強制動員)」を明記、そして11/16の記事↓で書いたように「香港国家安全維持法」では「国家分裂」「体制転覆」の扇動を場所の限定なく非合法化しました。つまり中国の外、地球の裏側で中国の民主化運動を支持しただけで訴追可能な仕組みが出来上がりました。

そして華為やZTE、BAT(百度、アリババ、テンセント)、Hikvision、DJI、TikTokなど、中華系のIT企業は全ての情報が中国本社から公安や人民解放軍に筒抜けです(彼らの義務ですので)。ちなみに筆者の自宅ルーターはサムスン製ですが、以前は華為製でした。在宅勤務だけでなく当然エロ動画も観るので、筆者の性癖や好きなタイプも全て中国の公安には筒抜けです。

それでアメリカは中華ITを潰しにかかっています。米国輸出規制(EAR)の懸念者リスト「Entity List」に華為やDJIを掲載し、米国からの輸出だけでなく米国産品の同社向け提供を全世界で制限しています(EARの「域外適用」)。そして国内5Gから華為その他中華IT企業を排除し、日本などの友好国にも同調を呼び掛けています。それでも華為の5Gは価格競争力・技術力いずれも最強クラスで、すでにかなりの地域(特にアラブ、アフリカ、東欧)に普及しています。同時に中国も巨大市場なので、日米含め多くの企業はあっさりと中華IT企業と縁を切ることもできません。

それで筆者の提案は10/22の記事↓の通りですが、先週末の提案は更に追加しました。

・日米英仏⇔中ロ の間では反対側のITインフラも使用しない
・中ロ側の顧客はドル以外の決済も考慮する
・アフリカ市場は中国顧客と連携して販促
・個人使用も含めた社員のIT機器使用ルールを整備
 (在宅勤務時の秘密漏洩や社員の身の安全確保のため)
・経営リスク全般に対応する新部署の設置

ちょっとぶっ飛んでるかもしれませんが、現状をそのまま分析すると最低限必要な対策はこんな感じです。上司は流石に米中対立の一件(↑の記事に書いてます)で懲りたのか、即刻突き返してこなかったのは11/26の記事の通りですww。

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