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しろくまさんと僕(6)

第6話「しろくまさんと新人」

休暇が終わり、仕事に復帰してからしばらくたった。時どき気配を感じてふり返ることもあったけど、そこにしろくまさんがいることはなかった。

「新人と組んでもらえないだろうか」

という署長の言葉に、僕はだまってうなずいた。そろそよ新しい相棒が必要だと考えていたからだ。それに、しろくまさんが僕にしてくれたように、後輩を教えるのがいまの僕の使命なのかもしれない。

※※

「よろしくおねがいします!」

そういって頭を下げたのは、正義感にあふれる真っ直ぐな目をした人間の若者だ。しろくまさんのようなシロクマの刑事なんて、そうめったにいるわけじゃない。僕も新人のころはこんな感じだったと思う。しろくまさんは怒ることもなく根気よく捜査の基本を教えてくれたものだった。

しろくまさんに会えないのは寂しかったけど、一緒に過ごした何日かの休暇で僕の心はすっかり癒やされていたようだった。

しろくまさんのような刑事になろう。僕はそう決心した。

※※※

新しい相棒に新しい事件。

僕は新しいスーツも買った。自分の足にピッタリの靴もオーダーした。「情報は足でかせげ」というのはしろくまさんの教えだ。でも、しろくまさんの思い出はだんだんと新しいことで覆い隠されていく。

それでも僕の日常は、ヨチヨチ歩きをしながら、前に進み始めた。

つづく


そして…ついに次回は【最終話】です!

【主演の二人のインタビュー!?】

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