【教育】きらりと光る作文の書き方

はい、前回は『国語の先生から見た「きらりと光る」作文』という記事をお送りしたわけですが、皆様から熱いコメントをいただきまして、恐悦至極にございます。あれだけ書けるのは、みなさんキーボード入力ですね。フリック入力でお返しした俺の返信、まことにおそくなりましてごめんなさい😏

さて、今回の記事は「んじゃ、どうやって書くんだよ」という声なき声が聞こえた気がしたので、そういうテーマでお送りしたいと思います。

協賛は「まねび茶屋 みんなでレッツ・スタディ!」です。多分!

作文の双璧「生活作文」と「読書感想文」

 皆さんが、そして皆さんのお子さんがこれまで地獄の苦しみを味わってきていると聞く夏休みの課題作文には、大きく分けて、生活作文読書感想文がある。読んで字のごとく、これらは生活文と感想文なので、そもそも全くの別物だ。

だから、それぞれの書き方がある

これが大前提。

というわけで、それぞれの書き方について説明をしたいが、ちょっと長くなりそうなので、この記事では生活作文に絞るよ😏

「生活作文」はこう書く!

ゴールを見つけろ!

大事なこと言うね。

まず、結論を一文で書いてみる。

書き方は

「出来事」を通して、私は「こう変わった」。

「修学旅行の自主研修を通して、仲間の大切さを知った。」(みほちゃんの作文ネタ借りたよ笑)

これでOK。

もう一度いうよ。

まず、結論を一文で書くこと。

つまり、ゴールを明らかにして道を間違わないようにするのが大切だということだ。これが、前記事で書いた「ラスト」の部分につながる。

出来事の深掘り

次は、肉付けのために出来事を深掘りしていく。深掘りのポイントは、

動画で見つけるな、写真を見つけろ」

動画と写真の違いは何かわかるだろうか?

そう、「時間」だ。

動画は「ある一定の長さの時間」を閉じ込めたものであり、写真は「ある一瞬」を切り取ったものである。

先程の例でいくと

(出来事)修学旅行の自主研修

これは、動画である。

学級の中で自主研修のグループに分かれ、様々な場所を研修してまわり、時間がきて集合場所に戻ってくるそこまでの時間を「自主研修」の一言でまとめている。

これでは、作文は書けない。もっと時間を削ぎ落とさなければいけない

仲間の大切さをした自主研修の「瞬間」はいつのことだろうか。

法隆寺の見学をしたとき?

まだ長い。

なかなか核心に迫れないときは自分に問おう。

「仲間を大切に感じたのはどの瞬間だった?」

海外の方から話しかけられてしどろもどろになっているときに、スッと自分に代わって応対をしてくれたとき

二人だけみんなとはぐれて不安でいっぱいになったとき、「一緒ならなんとかなるって」と笑顔で励ましてくれたとき

列車に忘れ物をしてしまった私のために、一緒に駅員さんのところに行って対応してくれ、忘れ物が戻ってきたことを自分のことのように喜んでくれたとき

気持ちが変化するのはいつも瞬間だ。

さて、これが見つかると途端に書ける気分になるが、焦ってはいけない。

ゴールを明らかにするのだ。

修学旅行の自主研修を通して、仲間の大切さを知った。
「海外の方から話しかけられてしどろもどろになっているときに、スッと自分に代わって応対をしてくれたとき」を通して、仲間の大切さを知った。

このように、置き換えて改めて書くと、ゴールがより明確になったのが伝わるかな。

映画を作れ

ゴールをクライマックスシーンとすると、当然その前段が必要になる。

じゃあ、それをどう表現する?

◯月◯日、私たちは2泊3日で修学旅行に行きました。

これを見た瞬間に俺は読むのをやめる。

映画を思い出してみよう。

もしかすると台本のト書きにはそんなことが書いているかもしれない。

でも、映画ではそんなこと伝えずに話が進んでいくよね。

これは、受け手にはあまり重要でない情報だからだ。

情報の取捨選択

これが、次にやることである。

先程明らかにしたゴールを描くために必要なシーンと不必要なシーンを分けていく

すると、

京都のまちを修学旅行生が散策しているシーンを遠景でなめるシーン。

グループにクローズアップして、いくつかの観光地のワンカットを入れたり、土産物屋でかんざしを頭に当て笑い合っているシーン。

などを映すことで、状況を語らせることが必要かもしれない。

そして中心となる出来事。

海外の方が早口で何かをまくしたてているとか、困った表情で助けを求めている感じだとかと、それに対して自分がうろたえているシーンが必要だろう。

そして、クライマックスシーン。それに毅然と対応する仲間の姿、それをみる自分の気持ちの変化。

そして思いの変化が自分にもたらした余韻を映像だけで表現して終わり。

ショートムービーのできあがり😏

とまあ、こんな感じで作っていくのである。

これをプロットという。

絵が得意だったら、絵コンテを書いてもいい。

ともかく、映像化するシーンを決めていくのだ。

ちなみに、何も時系列である必要はない。

ドラマでも回想シーンがあるが、あんな風に必要なシーンなら、持ってきても構わない。

例えば、昔、その友達が自分の代わりに相手と対応してくれた経験を、クライマックスとオーバーラップさせるとかね。

まとめよう。

クライマックスを際立たせる映画を作るつもりで、情報を取捨選択せよ!

書き出しはクライマックスをチラ見せ!

さて、次はアイキャッチ。

お笑いで言うところの「つかみ

いくつか手法はあるが、ひとつ効果的な手法を紹介しよう。

それは、クライマックスの一部を持ってくることだ。それも、核心が良い。

ああ、園子ってやっぱりすごい。
私の目の前にあるその背中は、誰よりも頼もしく見えた。

いきなり、こんな感じで始まってみるということだ。

では比べてみよう。

まずは一般的な時系列の書き出し。(ちょっと上手な子)

◯月◯日、ずっと楽しみだった修学旅行が始まった。中でも一番印象に残っているのは、修学旅行の2日目のことだ。私たちの班は自主研修で、法隆寺を訪れることになった。日本最古の木造建築物である法隆寺は……

この書き出しを、先ほどの方法で改変。

ああ、園子ってやっぱりすごい。
私の目の前にあるその背中は、誰よりも頼もしく見えた。
修学旅行2日目、私たちの班は法隆寺を訪れていた。日本最古の木造建築物。教科書で見たそれがすぐ目の前にあることに私は…

どうでしょう。少し大胆にやってみたけれど、頭の中で「園子?誰?なんで背中?頼もしく見えるってどゆこと?」という疑問を抱えたまま、読み進めることにならない?

この後話が展開していき、クライマックスで初めてこの冒頭シーンの謎が解けることになる。このように読み進めたくなる謎を残すのに、クライマックスシーンをチラ見せするのは有効なのだ。

ラストは題名だが…

題名とは「顔」である。

で、「いい顔」にはイケメンもあれば、味のあるタイプもある、はっきりした顔立ちもあれば、涼しげな顔立ちもある。

つまり、題名は自分の好みでつける、これに限る。万人受けする題名はないので、むしろ自分の思いがこもっていればそれでいい、と言っても良い。

とはいえ「いい顔」にはしたい。油断した顔より、その作文なりの「キメ顔」でいきたい。

というわけで、キメ顔を作るときのポイントを紹介しておこう。

題名は、

主題(結論)
象徴
概略

というような役割を持っている。厳密に区別できないこともあるが、例えば

主題…「大切な仲間とともに」

象徴…「友の背中」

概略…「自主研修での学び」

こんな感じだろうか。

なんにせよ、題名をつけるときは、最初に書いた「一文結論」をもとにする。

これが大切である。

くれぐれも「修学旅行の思い出」などという、焦点の絞れていない題名に注意しよう😏

まとめ

最後に全体のまとめとして、作文を書くときの順番をまとめて終わりにしよう。

作文を書くときは

1.結論を一文で書く
2.エピソードを取捨選択し、並び替える
3.書き出しを書く
4.題名を書く
5.清書

この順番で書こう!

次回は、読書感想文でお会いしましょう〜😏

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