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【#ハリィしろかわのゆるゆる映画教室】第58回 アクション冒険映画(1970~1980年代)

■1960年代後期から1970年代かけてのアクションスターは「#ダーティーハリー」(71)のクリント・イーストウッド、「#ゲッタウェイ」(72)等のスティーブ・マックィーン等が挙げられる。


■そして、70年代アクションスターの象徴的存在であるブルース・リーの登場により、武道映画が1970年代の西欧映画でも急に主流になった。
「#燃えよドラゴン」(73)はハリウッドの大手撮影所で制作された初めての中国武道映画である。リー本人が生きて目にすることはなかったが、彼の作品は数十年に渡って世界中のアクション映画に影響を及ぼすことになる。


■1980年代になると、一層多くのアクション冒険映画が制作される。
ジョージ・ルーカスとスティーヴン・スピルバーグが組んで制作した「レイダース/失われたアーク(聖櫃)」(81)では1930~1940年代の冒険アクション映画に根ざしたアクション・娯楽に富んだ内容となっている。
本作の大ヒットにより、「インディー・ジョーンズ」シリーズが引き続き制作、ハリソン・フォード演じる主人公インディアナ・ジョーンズも人気キャラクターとなり、80年代以降のアクション冒険映画のヒーロー像のプロトタイプとなった。


■一方で、筋骨たくましいヒーローもたくさん登場する。
ボクシング映画「#ロッキー」(75)でアメリカン・ドリームの象徴となったシルベスター・スタローンは「#ランボー」(82)で心に傷を負ったベトナム帰還兵を熱演。
「ランボー」は「ロッキー」とともにスタローンの当たり役となり、現在までシリーズが続いている。


■同時期に、ボディービルダーですでに有名だったアーノルド・シュワルツェネッガーは「コナン・ザ・グレート」(82)のコナン役で映画界に本格進出。続く「#ターミネーター」(84)では未来から来た殺人ロボット(ターミネーター)を演じる。
その後、「#コマンドー」(85)、「#プレデター」(87)等でも少ないセリフと筋骨隆々のインパクトでヒーローを好演。
シュワルツェネッガーはスタローンと双璧をなすアクションスターとして不動の人気を得る。


■スタローン、シュワルツェネッガーに続くアクションスターとして、「ダイ・ハード」(88)のブルース・ウィリスが登場。本作により、大勢の敵に対して(ぼやきながらも)たった一人で戦う展開、ご都合主義にとらわれない人間ドラマも含む新しいアクション映画のスタイル及びアクションスター像を生み出した。



■そんなハリウッドのアクション冒険映画の潮流は、英国スパイ映画にも派生。
「OO7/リビング・デイライツ」(87)では、ロジャー・ムーアからバトンを受けたティモシー・ダルトンが新生OO7=ジェームズ・ボンドを演じる。
一時低迷していた同シリーズはアクション映画として心機一転を図ることに成功。アクション中心となった007スタイルは後のボンド俳優、ピアース・ブロスナン、ダニエル・クレイグへとアクション度数を高めながら受け継がれる。


■一方、80年代のアクション冒険映画はヒーローだけでなくヒロインも生み出した。
「#ターミネーター」を監督したジェームズ・キャメロンは続いて「#エイリアン2」(86)を監督。前作ではSFホラーだった「エイリアン」を本作ではアクションSF映画に仕立てて制作。
主人公のリプリー(シガニー・ウィーバー)も前作ではエイリアンから逃げ回る女性だったが、本作では大量のエイリアンに立ち向かう戦う女性=ヒロインに生まれ変わっている。
リプリーは後のアクション映画における戦うヒロイン像のモデルとなり、後のキャメロン監督作「#ターミネーター2」(91)の女戦士サラ・コナー(リンダ・ハミルトン)に受け継がれる。



(つづく)

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