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デトックスで体の柔軟性が向上するの⁈②

デトックスで体の柔軟性が向上するの⁈① 〈つづき〉

説得合戦  

心待ちにしていた予約の日が来た。
電話で「銀の詰め物をしてから調子が悪いのでセラミックにして貰いたい」ということを伝えていたので、余裕があれば、当日詰め替えてもらえるかも〜という淡い期待を胸に歯科医院へ向かった。
そこは歯科医が数名在籍していて、診察室もいくつかある、比較的大きなところだった。

レントゲンを撮った後、診察室に案内された。
そこに30代前半と思われる男性の歯科医がやってくる。
予約の電話で伝えたことをもう一度話す。4ヶ月前に虫歯治療で銀の詰め物をしてから調子が悪いので、まずはそこをセラミックにして貰いたい。それから1本虫歯があるはずなので、その治療をお願いしたいと伝えた。

口の中のチェックをする。歯科医の反応が悪い。
こちらの話を信用してない感じがする。金属アレルギーの気がするから、一刻も早く詰め替えて欲しい。そして銀の詰め物をしてからの体調の悪さをいろいろ話すも、暖簾に腕押し。取り合ってくれない。心ここにあらず?

終いには、長年複数の銀の詰め物をしていて問題がなかったのに、数ヶ月前に入れた金属で体調を崩すはずがない。むしろ、噛み合わせが問題ではないか。マウスピース治療をしている先生を紹介するから少し待って欲しいと言い放たれてしまった。

ええーーーっ、どうして?
金属アレルギーだって、なんでわからないの?と心の中で叫ぶも、ちょっと先生に不信感が芽生えていたので、大人しく、噛み合わせを診てくれる先生を待った。

そこに前の歯科医と同年代と思われる男性歯科医が現れる。
もう何度目だろう?体調が悪いのに同じことをまた説明しなければならない。苛立ちを抑えるのもなかなか苦労する。
セラミックに詰め替えてもらいたいと話すも、どうもわたしの言葉は歯科医たちの心に響かないらしい。。。今度は明るく右から左へと聞き流されてしまった。

そして熱心に口の中をみた後に、歯科医が言った。
不調の原因は過蓋咬合と歯列接触癖(TCH; Tooth Contacting Habit)のせいでしょう。
過蓋咬合とは、噛み合わせで上の歯が前に出過ぎて深く噛み合ってる状態とのこと。
歯列接触癖は、口を閉じた時に上下の歯が接触していることだそうだ。

えー、ちょっと待ってよ。
確かに両方とも心当たりはあるものの、調子の悪くなった日は、はっきりしているし、噛み合わせも歯列接触癖もここ何年も変わってないから、今の酷い体調不良の原因でないと、再度主張する。
歯科医はマウスピース治療をしたくてたまらないのか、断固として譲らない。
マウスピースで頭痛が改善された人の話を嬉しそうにする始末。
わたしが「頭痛はしません」と言っても、その言葉は虚しく宙を漂っていた。。

あぁぁ、4ヶ月の間に3回も歯のレントゲンを撮った。もうこれ以上被曝したくないなぁ。毎回、歯医者を探すのにそれなりの時間がかかっていたし、ただでさえいつも疲労困憊なので、正直もう探すのが面倒になっている。
マウスピースを作ってからセラミックに替えてもらうのと、他の歯医者を探すのとどちらが早いのか?この調子だと、他に行ってもすぐに詰め替えてもらえるかもわからないし、迷うなぁ。

過蓋咬合と歯列接触癖は治したほうが良いのはなんとなく理解できる。
わたしは子供の頃から、顔が疲れやすい、顔に疲労がでやすいという自覚があるので、噛み合わせがその原因になっていてもおかしくはない。
数ヶ月前からの酷い体調不良とは関係ないけれど、別の軽い不調の原因となっている可能性は否めない。花粉症など複数のアレルギーを持っていることもあって、体調不良の原因は複雑で複合的だと常日頃から感じている。
マウスピースで全ての問題が解決すると思いこんでいる歯科医師を前に、一部は頷けることもあるので、マウスピースを頑なに拒むのも面倒になってきた。

結局マウスピース治療を信じて疑わない青年歯科医の熱意に根負けしてしまった。
やれやれ。われ破れたり。
気持ちを切り替えて、速攻2日後にマウスピースの型取りの予約を取った。

マウスピースの型取りや調整など、歯科医は熱心に診てくれた。顔や首の凝りをみたり、マッサージをしてくれたりもした。また、マウスピースをした時と外した時の立ち姿を写真に撮って比べていた。
わたしには違いがよくわからなかったけど、先生は心の底から治ると信じているようだった。

型取り後、約1週間でマウスピースが完成し、夜だけ装着することになった。
やはり、わたしの予想どおりイライラ感そわそわ感はなくならず、疲れが取れる気配もなかった。毎夜マウスピースをしても、全く良くならない。
2週間後のフィッティング調整の日に「やっぱり金属アレルギーだと思うので、詰め替えて欲しい」と言っても、歯科医には装着時間を長くすることを強く勧められるだけだった。
その1週間後の虫歯治療の時にも同様のことを申し出る。
初めから、事あるごとに何度も、金属アレルギーのことを話しているのに、どうして聞いてくれないんだという怒りを通り越して、このスルー力の凄さってなんなの?って思ってしまう。
マウスピース治療の力を信じ過ぎではないか?
青年よ、物事はそう単純なものではないのだよ、とセラミック治療を熱望しているわたしが言っても説得力はないんだろうなぁと思いつつ、なかば無理矢理、詰め替えの予約を入れてもらった。

苦しみを訴えても、何の意味もなかった。いま思えば、10年以上前の夏、指輪をした翌日に、指に痒い水疱ができたことを話せば、アレルギーってわかってもらえたのかな?そこまで頭が回らなかったのが心底悔やまれる。

〈つづく〉

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