夢現

ゆめうつつ

〈〇月〇日〉
そもそも、とにかく、元はと言えば、このカーテンが悪いのだ。
それから始まり、全てが私に押し寄せてくるから私は毎晩泣きたい気分になる。
カーテンの丈が足りてなくて隙間から冷気が入る。しかし引っ越して1年、そして引っ越すまであと数週間の私は今更カーテンのことでくよくよしていても埒が明かない。しかし本当にこのカーテンが悪いと思う。寒いのは精神の健康に良くないはずだ。

〈〇月〇日〉
最近の私は涙が枯れてしまったらしい。前までは気分とかではなく気づけば嗚咽するほど泣いていた。人生の中でこれ程落ち着いた、もしくは落ち込んだ時期があっただろうか。
これが医者に言われた、感情の波をなるべく小さく、少し低い位置の安定を目指す。の少し低い位置だったらどうしようか。これから先、生きていても喜びがない気がしてさらに憂鬱で、それを通り越してどうでもよくなる。

〈〇月〇日〉
本を読むのはやめようと思った。私はここ数日文化的視点で生活しすぎている。文化的という単語の意味は正確には知らない。しかし私からしたら文化的なのだ。現実を直視できなくなってくる。仕事はやりがいを忘れてしまった、ただ生きるためのお金を稼ぐ苦痛な手段になる。明日でさえ生きたくないのに来月の給料のためにとか、反吐が出る。
夜も朝も雨も全てに感傷的になる。

〈〇月〇日〉
私だけがいなくてよかったのだと発見した。
彼にも、親にも、この部屋にも、私だけがいらない。
特に部屋はかわいそうだ。私がときめいた物、好きな物を身勝手にこの部屋に集めてしまった。
この子たちはどこへ帰るのだろうか。私だけが無くてよかったのなら、この部屋の物たちはどう思うのだろう。

〈〇月〇日〉
彼は私を好きだという。
どれが私だろう。彼と話してる私、初めて会うひとと話す私、働いている私、友達とはしゃぐ私、電話に出る時の私、朝の私、昼間の私、夜の私。
彼はどの私のことが好きなのかわからない。
出会ったとき、私は既に精神科で処方された薬を何種類も飲んでいた。
彼は私と話したことがあるのだろうか。
私が泣いている時、彼が撫でてるのは、私ではなく病気なのかもしれない。

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過去の日記を読み返して笑った。
カーテンが悪い?なんだそれ、全部意味がわからない。
私は来週死ぬ。そう決めたのは数日前だ。明るい死。
なにも落ち込んでる時に死ぬ必要はないのだ。予定を決めて、実行する。どんな気分でも
私は死ぬことが夢で、憧れで、目標なのだと気づいた。逃げ道ではなく。
なぜそんなに死にたいの?という問の答え。幼い頃から何度も聞かれたことへの答えだ。

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〈end〉
今までありがとう、
かわいそうだと思わないでほしな
一生のお願い、怒らないでください
じゃあね、、!!!

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