足元下1000mにでも及んでみたいあの人のこと
私には世界一尊敬する人がいます。
その人はお医者さんです。今まで、直接的にも、間接的にも、たくさんの人を救ってきたお医者さんです。
ですが、その経歴の凄さだけでなく。
その方は常に無知と向き合う人なのです。
友人Aの証言「あの人のひらめきはビックバン」
ビックバンが起こるのは宇宙ですね。
つまり先生の脳内は宇宙なのです。マジで。
政治や経済にも精通しており、医学の知識はもちろん何カ国もの言葉を話せます。生き字引って言葉はこの人のためにあると思う。
同ゼミの友人が夏休み前、先生に質問をしました。
解答したものの、何かしらの疑問を持たれたようで。後日追加で解答しますという会話でした。
そして夏休みが終わり。
メールが来たなと携帯を開くと、衝撃的な長さの解答が。ロングすぎてスクロールバーが仕事しない。
なんとその解答を導くのに、先生は夏休みほとんどを費やしたそうです。
世界中の文献を探して周り、自分の納得がいく解答を見つけるまで数週間。
質問した友人は衝撃のあまり死んだ魚になってた。周りにいた私たちも豆鉄砲食らった。総じて顔がひどい。
その解答で論文書けるよね?というレベルのひらめきを、一学生から得るんです。めっちゃすげぇ人なのに。
その視野の広さは、宇宙です。
友人Bの証言「俺らはあのゼミで5000回死んだ」
先生の口癖は、
「あなたたちは言葉を正確に使えていない」でした。
知識を習得するにあたって、言葉の正確な意味を知っていることは必要です。でも、専門的な分野を勉強し始めると、意味を知る過程がおろそかになることが多くあると思います。
例えば、「免疫を上げる」
コロナ禍でよく聞きますね。でも、具体的に免疫(力)を上げるとはどういうことか、説明できますか?
これを説明するためには、まず免疫とは何か知らなくてはなりません。
そして、「上げる」の具体的なイメージは正確か、確かめる必要があります。
上のようなことを知っているから、私たちは言葉を繋ぐことができる。議論ができるのだといつも仰っていました。
そう。だからゼミは戦場でした。主に一方的にやられる戦争。
だって先生のマシンガンが的確かつ強いんだ。回避できて一発。
消え去ったプライドの先に見えたもの
マシンガンで私のプライドはズタボロになり、最終的に消え去りました。
でも、「知っている」というプライドの壁に阻まれて見えなかったものがあった。
それは、フラットな「知らない」世界でした。
知らないから、知る面白さがある。
それは、無知を恥ずかしいことだと思っていたら得られない。
そして、知っている人は知らない人の視点でまた新しい面白さを発見できる。
プライドが消え去った後、教えてもらったのはそんな世界でした。
無知を楽しむ先生を、世界一尊敬しています。
私もそんな人になりたい!そして、いろんな人と話したい!
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