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むかしむかし、婚約破棄した時の話

きょうも、しみじみしない(茨城弁で、いまいちなというニュアンスの言葉で、しみじみ味わうなどという、通常の使い方とは異なる)お天気で、雨が降ったりやんだりの東京都下。

久しぶりに星乃珈琲店に行きました。わたしは、そのままの珈琲が飲めないというか、飲むと胃がもたれてしまいます。
でも、いわゆるコーヒー飲料と呼ばれる、甘いコーヒー牛乳やグリコのカフェオレなんかは好きで。それから、茨城県出身の者としては、忘れてはいけないマックスコーヒー。黄色と茶色のなみなみ、しましまのやつ。今は東京でも買えるけれど、元々は千葉と茨城限定発売の商品で「ちばらぎコーヒー」と、半分ばかにしたような感じで言われていました。
メニュー表に、コーヒー豆へのこだわりがとうとうと書かれている中、オレンジジュースの氷抜きを頼む私。うっすらと感じる背徳感。

夫の前に付き合っていた人がいました。
高校時代の部活の先輩で、ギターを弾く姿がかっこよくて、背が高くてスタイルも良くて、人懐っこいと思ったら、自分の気分が乗らないと全然口をきかなかったりして、見た目もそうだったのですが、性格もネコみたいな気まぐれ屋さんでした。

当時はわたしの片思いで(バンジージャンプするぐらいの気合いで告白したら振られた)、そのまま互いに会うことはなかったのですが、約10年後に、やはり部活の先輩で、彼とずっと仲良くしていた人から連絡があり「久しぶりにみんなで飲まないか」と。
わたしが若い頃は、今ほどいろんなことが厳しくなくて、10代のわたしたちでも普通に居酒屋入れたし、飲んでたんです。場所によると思いますけれど。飲もうと思ったら追い出されたこともありましたし。
 
それで、わたしと、やはり同じ部活だったわたしの友達、電話をくれた先輩、そしてわたしが好きだった彼とで、都内で飲むことになりました。

それで、約10年後に会ったら、昔わたしを振った彼のほうが、逆にわたしを大好きになってくれたんですね。いろいろあったんですけれど、再会して2カ月後に付き合い始めました。

それから2年後、今思うと恥ずかしいのですが、大きな、バラだけの花束と指輪をもらってプロポーズされました。『ゼクシィ』なんか読んで、めっちゃうきうきしてたんですけれど、わたし。

結局、結婚やめちゃいました。やめたいと言い出したのはわたし。プロポーズされてふわふわしてて、その前の交際期間はもっとふわふわしてて見ないふりしていただけで、高校時代の大好きな頃から、どうしてもここだけは直したほうがいい、直してほしいという彼の短所が、そのままだったこと、思い出したから。冷静になって考えた時に、このままこの人と添い遂げられるのかと考えたら、無理だと思っちゃったんですね。人には誰しも短所があるものですが、それはわたしにとっては、どうしてもあってほしくないものだったのです。

「そんなに好きだった人に10年後に会って付き合えるなんて、それは絶対、運命の赤い糸だよ!」といろいろな人に言われていたし、当時はわたしもそうだと思っていたけれど、違ったみたい。婚約破棄してからは一度も会っていません。
何度か、部活の先輩や同輩の個展やグループ展で、ニアミスはしているらしいです。「さっきまで○○くん来てたんだよー」なんて言われて、どきりとしたり。
最終的には一緒になることはなかったけれど、高校生の時、社会人になってからと、2回も恋させてもらって、感謝しています。

あ、息子が帰ってきました。

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