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マンガ大賞2020”ブルーピリオド”

『マンガ大賞はブルーピリオド』のニュースを見たその日に、書店で全巻(1〜6巻)を購入した。

ニュースを見るまで『ブルーピリオド』の存在も知らなかった。購入を決めたのは、マンガ大賞の歴代受賞作品を知ったから。

■歴代大賞作品
第1回(2008年):『岳』石塚真一
第2回(2009年):『ちはやふる』末次由紀
第3回(2010年):『テルマエ・ロマエ』ヤマザキマリ
第4回(2011年):『3月のライオン』羽海野チカ
第5回(2012年):『銀の匙 Silver Spoon』荒川弘
第6回(2013年):『海街diary』吉田秋生
第7回(2014年):『乙嫁語り』森薫
第8回(2015年):『かくかくしかじか』東村アキコ
第9回(2016年):『ゴールデンカムイ』野田サトル
第10回(2017年):『響~小説家になる方法~』柳本光晴
第11回(2018年):『BEASTARS』板垣巴留
第12回(2019年):『彼方のアストラ』篠原健太

わたしの好きな『3月のライオン』が受賞したマンガ大賞。ならば、2020年の受賞作品を読んでおかなければ。

『ブルーピリオド』は美術をテーマにしたマンガ。

『ブルーピリオド』は、『月刊アフタヌーン』(講談社)で2017年8月号から連載中で、美術大学受験予備校や入学試験での苦悩を描いた物語。成績優秀かつスクールカースト上位の充実した毎日を送りつつも、どこか空虚な焦燥感を感じて生きる高校生・矢口八虎は、ある日、一枚の絵に心奪われる。その衝撃は八虎を駆り立て、美しくも厳しい美術の世界へ身を投じていく。美術のノウハウやうんちく、美大を目指して青春を燃やす姿が描かれる。

美大といえば、東京藝術大学。以前、『最後の秘境 東京藝大』という本を読んだ。とても興味深い内容だった。すぐにこの本のことを思い浮かべて、『ブルーピリオド』の内容を想像した。

『ブルーピリオド』の主人公:八虎は東京藝大を受験する。6巻までは、受験に挑む八虎の毎日が描かれている。

マンガっておもしろい。想像していた内容と違うのがおもしろい。

美術の話でどうやってマンガにするんだろう?
と思っていたが、とても引き込まれる内容で驚いた。

1巻の前半部分でとても印象的な場面がある。

八虎は、先輩の描いた絵を見て衝撃を受ける。
「先輩はスゴいっすね 才能があって羨ましいです」

それに対する先輩の返答が、6巻まで続く話の魅力になっていると思った。

「才能なんかないよ 絵のこと考えている時間が他のひとより多いだけ
それにね あのね 褒めてくれるのはうれしいけど やっぱり絵もやり方とか勉強することがあってね 手放しで才能っていわれると なにもやってないって言われてるみたいで ちょっと・・・」

美術なんて特に才能が全ての世界だと思ってしまう。実際にそうなのかもしれないけれど、なんでも「才能」で片付けてしまっていては何もできない。「才能」を理由にやろうともしなかった自分と八虎を重ねてしまって、さらに話に引き込まれた。

美術の青春マンガ『ブルーピリオド』は本当に読んでよかったと思う作品だった。
たくさんの人に読んで欲しい。

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