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(TENETを観て思ったクリエイティブ精神への畏敬)

『TENET テネット』、観ました?

間違いなく2020年ベスト級。クリストファー・ノーラン監督最新作。映画好きに限らず観た方も多いと思うので、ついTENET観た?どうだった?と聞かずにはいられなかった。

ストーリーを紙に書いて時間軸を整理したり、ドヤ顔でエントロピーを説明する人がいたり、批判する人もいたり、迷子になりすぎて楽しめなかったぴえんな人もいたりで考察サイト含め様々な感想を聞けたのがすごく楽しかった。
やっぱり映画は語り合うのが楽しい。

その中でも特に印象に残った女の子の感想

その子はInstagramで終始泣いてしまった、とにかく最高でしたとノーランに感謝を込めたストーリーをあげていて、どこらへんで泣いたの?と脊髄反射でリプライ。

感想はというと、壮大な映像体験に泣いてしまった、ストーリーとしても感動した、なによりノーランのクリエイティブ精神が自分の心を打ったとのこと。こんなものを創ってしまう人がいるのか、楽しませてくれてありがとうという彼女の言葉、すっっっごい共感できた。

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アクションシーン、CGなしの爆破シーン、極上のサウンド、フィルムカメラの映像美、バディの友情、鑑賞中いくつものシーンに心が震えるんですが、その震えの震源地ってどこからなんだろうって思い巡らすと、それは、このテーマを思いつき、アイディアを練り上げ、脚本を書き上げ、コダック社のフィルムカメラで撮りきり、完成まで創りあげ、コロナ禍でも公開までこぎつけたノーランチームの誰も真似できないプロフェッショナルな姿勢に辿り着く。

実際にTENETという物語世界への没入体験から何度か現実に戻されノーランの姿勢に心打たれた(もしくはノーランという存在が上映中に脳裏によぎった)方は多かったのでは?

とても印象的だった彼女の感想。これって同時期に僕が観た映画の感想と似ているなって、ふと思った。

『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』

個人的にTENETに並ぶほどのイチオシ映画。まじ超絶おすすめ。

感想は一言で言うと、

これ創った人たち、めちゃくちゃ好き!!!

アップデートされた価値観が落とし込まれた青春コメディ映画。文字通り自分の尺度でこの世界は測りきれないということ、バイアスを取り除き相手を見る、知ることの大切さ、一人一人の多様性ある価値観や人間性を肯定する世界観が本当に素晴らしい。これまでの青春映画と比べると、より速く、より賢く、より面白く、より楽しく、より進歩的な映画だと感じた。

そして、スクリーンに映る子たちの輪に入りたい!という気持ちより、こんな考え方を持ったクリエイティブチームに僕も混じって一緒に創りたい!!と強く思った。映像を越えてこのチームで共有しているビジョン・バリューに感動してしまったというか。。

InstagramやTikTok、Vimeo、Twitter、Tumblr等の登場でクリエイティブな発進をする人が増えていく中、映画の評価軸として作り手側の姿勢や哲学、教養ってこれまで以上に大事なファクターでセンシティブに伝わりやすいものなのかもしれない。。

2020年もたくさんの良い映画に出会えた。
良き良き。

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