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巨頭オ 4/5

巨大な石像に見惚れていると、背後に立っている生物に気が付かなかった。

気がつくと薄暗い場所にいた。
地面は硬く、冷たい。
祠の中の洞窟の様な場所だろう。
おそらく意識が無くなった後、ここに運ばれたのだろう。
洞窟内に汚い咀嚼音が響いている。
目が覚めてから2分ほど経っただろうか、朦朧としていた意識がしっかりとした。
目もだいぶ暗闇に慣れ、辺りが視える様になった。
咀嚼音がする方に目を向けるとそこには”オ”と思われる生物が食事をしていた。
食べられているのは特徴から推測するに、おそらく人間である。
祠の入り口にあった大量の人骨は”オ”の食事の残骸だったのだ。
”オ”の姿をよく見てみると奇形なのは頭部だけで、それ以外は普通の人間と変わりはない。
博士は”オ”の正体が少し解った気がした。

博士は少し前に見た古い文献を思い出した。
かつて四国の山の奥には、食人文化が存在していたことを。


次回の投稿は8月11日(金)です!!。
そして巨頭オの最終回です。

四国に食人文化なんてありません。
ただの設定です。
ご了承ください。

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