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Leicaのせいで写真が苦手になってしまった

15年ほど前、当時中学生だった私は、祖父から譲り受けたPENTAXの一眼レフを使い始めてからカメラにハマり、それ以来ずっとカメラを趣味にしています。この2年は遠出ができなくなってしまったため、あまりカメラを使うこともなくなってしまいましたが、それでもやはり、基本的にはカメラを持ち歩くようにして、日々何気ないスナップ写真を楽しんでいます。好きが高じて、コンテストで受賞したり、時々ではありますが、撮影の仕事もいただけるようになりました。

昨年、ずっと気になっていたLeicaを手に入れました。Leica Qというカメラです。Leicaの写真はもちろんのこと、カメラ自体のデザインも本当に好きで、ずっと憧れていました。使わなくなったレンズやカメラ一式を売却し、さほど無理しない金額で手に入れることができました。

Leicaが出す色味は本当に独特で、毎日の何気ない風景も非常に印象的なものになります。毎日通っている道も、Leica Qで撮ると新鮮に写り、いいカメラを手に入れたと、心から嬉しくなりました。

私はこのnote以外にもブログを書いています。更新頻度は全く高くないのですが、それでも7年ほど続けているせいか、毎日一定数のアクセスをいただいています。写真を載せながらテキストも載せる、いわゆる写真ブログのような体をとっています。ある日、Leica Qを手に入れた報告(自慢)と、撮りためた作例のようなものをアップしました。記事は人気を集め、あっという間に数万アクセスをいただくようになりました。SNSにも少々拡散され、「やっぱLeicaはいいよね」「写真が本当に素敵」というコメントに心から嬉しくなり、ディスプレイの前でニンマリする数日間を過ごしました。

ある日、その記事のコメント欄に、コメントが来ました。メアドもURLもSNSのアカウント名もなく、匿名での投稿でした。中身は非常に厳しいものでした。要約すると「見るに耐えない写真ばかりで、あなたみたいな"ど"素人に買われたLeicaがかわいそう」というものでした。

自分でも信じられないくらい、非常にショックを受けました。自分は30代半ばに差し掛かる男ですが、初めてネットの悪口で泣いてしまいました。どんな作品を撮っているのかもわからない相手に何をそこまで気になるのだ、と思われるかもしれませんが、わざわざコメント欄に書き込んでまで伝えたかった内容なのかと思うと、本当にショックですっかり自信をなくしてしまいました。

これまでもFUJIFILMやPENTAX、SONYのカメラで撮った写真をいくつもブログやSNSにアップしていました。素敵ですねと言っていただけることはありましたが、批判めいたものは受けたことがありません。これは、カメラに興味がない人もその名前は知っているであろう、Leicaというブランドの特殊性が、批判を生む元なのではないかと考えてしまうようになりました。

ある程度、写真については自信がついてきた中で、このようなことを言われてしまうのは、かなり心にくるものがあります。批評がないと成長がないのもわかります。見ず知らずの相手に言われる筋合いはありませんし、気にすることなんかないことも理解しています。でも気になるのです。

この一件以来、しばらくの間、カメラを手にすることがなくなってしまいました。ここまでカメラに触れない日々を過ごしたのは、初めてです。ようやく最近になって気分も落ち着き、リハビリのようにFUJIFILM X-T3で時折、撮るようになりました。ただ、Leicaはまだ手にできていません。あれだけ憧れて入手して、誰に見せるでもない開封動画も撮って、一生使い続けようと心に決めたカメラでしたが、おそらく売却してしまうかもしれません。こんな下らないことでまた売ってしまうのか、と妻には半ば呆れられてしまいました。自分でも下らないことだと思っています。しかし、やはり、あのようにはっきりと言われてしまうと、本当に悲しいものです。

最近撮った一枚

いっぱい褒められても、ひとつグサっとくるような内容の感想が来ると、萎れてしまう。自分でも情けない。心の整理を兼ねて、noteに書いてみました。

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