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【短編】SEVENTH HEAVEN② -裂け目-

卒業の時までに、学外で制服を着る機会がどれほどあるだろう。

せいぜい修学旅行や冠婚葬祭ぐらいではないか、と思っていたのだが、しかし、

「えー普通に休みの日とかでも着てる子いるよ。ディズニー行ったり。そうだ、うちらも行こうよ。制服ディズニー。ショーちゃん、ランド派? シー派? タートルトークあるのって、どっちだっけ」

まさにその制服に着替え終わった彼女が、二倍の台詞量で応酬してきたので、すぐさま疑問を引っ込める。
まったく。これから一大イベントが始まると言うのに、次なるスケジュールを切り始めないで欲しい(ちなみにランドもシーも行ったことがない)。

順を追って説明する。

新幹線を降り、在来線特急でさらに一時間半揺られ、下車。そこからはローカル線を使用する予定であったところ、しかし駅のホームで遣いの者が待っていた。

「センゲと申します」

黒いスーツに身を包んだその男が言った。本家の人間だろうか。見ない顔だ。

「ここからはお車で。直接お屋敷に向かっていただきます」

当初の予定では私の実家に立ち寄った後、車で屋敷へ向かうところであったが、順序が逆になったらしい。本家所有の黒塗りの車に二人して乗り込み、田舎町から山道へ。トータル四十分ほどをかけ移動した末、ようやく私たちは屋敷の門の前に立った。

左右に伸びる長い塀。年月を感じさせる瓦屋根の下、黒々とした木製の扉が、重厚な佇まいで出迎える。

先に実家に立ち寄る予定であったのは、この屋敷に入る際は常に正装が義務付けられていたからだ。赤と白の巫女装束。そちらに着替えた後、この門を潜る予定であった。
急遽の対応として、今日は本家にあるものを借りるのかと思ったが、

「ウツシ殿はそのままで構いません。『言主』様のみ、お持ちいただいた服にお着替えください」

門を潜り、客間に案内される最中、センゲと名乗ったその男から聞かされる。
今の私といえば、Tシャツに薄手のパーカー、細身のパンツにスニーカーという軽装だ。こんな格好のまま本家をうろうろした挙句、大父様との謁見まで行うとは、なんとも心細く居心地が悪い。

「嘘でしょ。ショーちゃんの巫女姿が見られると思ってきたのに、信じられない。この日のために写真フォルダ整理して容量空けてきたのに、信じられない」

さすがに表立って騒ぎ立てることはしないものの、隣でぶつぶつと不平不満をこぼしながら歩く、本日のメインゲスト『言主』。彼女には、制服を持参してきてもらっている。こんなことなら、私も持って来ればよかった。このラフな格好よりは幾分マシだろう。

一体、何がどうなっているのか。正装が省略されたことと言い、直接この屋敷に向かうこととなったことと言い、立て続けにイレギュラーが起こっている。

通された客間に荷物を置き、私だけ外へ(「別にいてもいいよ」と言われたが、固辞)。庭に面した廊下から、門のある方を眺めつつ待っていると、ポケットでスマートフォンが震えた。ミノからの着信である。

「もしもし」
『ご無事ですか』

開口一番、切迫した声。「大丈夫よ」と答えると、電話の向こうで安堵の息が漏れる音がした。

『急に予定が変わったとか』
「さすが情報が早いわね」
『お母様から聞きました』
「実家には寄らず、直接屋敷へ向かうことになったの。特急降りたところで遣いが来た」
『不自然ですね』
「そうね」
『誰が来ましたか』
「男の人。センゲと名乗った。初めて見たわ」

一瞬、ミノが息を呑むような間があった。

『センゲ』
「知っているの?」
『当主の血筋に遣える者の名です。表には滅多に出てこない』
「何それ、初めて聞いたわよ」
『秘密裏な存在ですから』
「どうしてあなたは知っているのよ」
『混血が生き延びるには情報が要るのです』聞き慣れた言い回しで、ミノは返す。『確か代替わりした筈。若い男でしたか』
「え? うん、まぁ。二十代かな」
『では、あの男の元世話役です』
「あの男?」
『一族最強』

兄様のことか。

純血の祓い師には世話役がつく。私にとってのミノがそう。同様に、あのセンゲと名乗った黒スーツが、一族を離れる前の兄様の、ということらしい。兄様ともなれば何人も世話役がいた筈だから、その内の一人なのだろう。

『キナ臭くなってきました』
ミノが言う。
「そうなの?」
『うちの一族の暗部ですよ。大父様自らが出てきたことと言い、明らかに様子がおかしい』
「ただのお説教じゃない、と言うこと?」
『恐らく。ウツシ様、このまま通話した状態で、大父様と謁見できますか』
「馬鹿言わないで。見つかったら追放ものよ」
『あの男が生霊を祓う時はやったくせに』
「事情が違う」

自ずと庭の先、お堂がある方へと視線が向く。ミノの端末を借り、あらかじめそこに忍ばせることで、盗聴紛いのことをした。一昨年の冬だ。

あの日、兄様に外の世界を見るよう促され、そこからすべてが始まった。周りを巻き込み、我を通し、やっとの思いで果たした入学。そうして得た世界、世界を見る権利が今、脅かされようとしている。
そればかりか、ミノ曰く、もっと大きな、あるいは別の何かしらが控えている、と。

『お気をつけください。何かあったら、ご連絡を』
「わかった」

何をどう気をつければよいか判然としないまま、私は電話を切った。
障子が貼られた戸を開け、見慣れた制服姿が廊下に出てくる。ランドかシーかという冒頭の雑談を繰り広げながら、再び門の前、母屋に通じる石畳へ。向かう先、黒スーツのセンゲが一人、姿勢良く立ち、待っている。

「ショーちゃん」
「何」
「あの人、イケメンだね」
「そう?」
「塩顔じゃん」
「何、塩顔って?」

近づくにつれ、解像度を上げていくセンゲの顔に着目する。しかし、先ほどのミノの話もあってか、どうにもそういう目で見ることができない。確かに整っているとは思うが、言うほどだろうか。

この男でキャーキャー言うぐらいなら、この子、兄様を見れば卒倒するだろうな。
まぁ、そんな機会はないだろうけれど。

その兄様の元世話役というセンゲの元へ辿り着き、「こちらへ」と案内されるままに、私たちは石畳を進む。靴を脱ぎ、母屋へ。式台を上った先を右に折れ、次は左へ。しばらく進み、真正面に見える襖戸を開けると、大広間が顔を出す。薄暗く、無人のそこに入り、座って待つよう指示された。

中央に並んで腰を下ろし、正座を組む私たち。センゲはさらに進み、奥にある戸から姿を消す。

「ふわぁ。なんか時代劇みたい」
「そうね」

能天気な声。対する私は、短く答えるのが精一杯だ。

この広間は年始の集いに、純血の祓い師が集められる場だ。いつも百を超える人数の中、最後尾で低く頭を下げているだけの空間に、今はたったの二人きり。自分を守る防御壁がひとつもない中、この舞台に身を置いている現状を自覚すると、殊更に不安が増してくる。

大父様が、来る。
いつも人垣の合間から、遠目に覗いていた存在が。
今からここに。私たちのために。

「なんか緊張すんねー」
「うん」
「あ、やばい。なんかトイレ行きたくなってきた」
「我慢して」

奥の戸が開き、センゲが再び姿を見せる。一度戸を閉め、こちらへ。私たちの斜め前で正座で座った。

「もうしばらくで来られます。頭を下げてお待ちください」

反射的に畳に手をつき、上半身を斜めに倒した。隣の彼女があたふたとした様子で、それに倣う気配。わざわざ来てもらったのに、こんなことをさせて申し訳ない。が、気にかけている余裕はない。自分の鼓動を宥めるのに集中しないと、呼吸すら危うくなりそうだ。

早く来てくれ。そして早く終わってくれ。

無音のまま、しばらく待つ。
やがて微かな物音と共に、異質な空気が近づいてくるのを感じ取った。

前方で、襖が開く音。間髪入れずに静かな足音が続く。足音の主は私たちの頭頂部の真前、体感五メートルほどの距離で止まり、そこに腰を下ろす。

この間、およそ五秒。

「頭をお上げください」

センゲの声に従い、恐る恐る顔を上げると、目の前に禿頭の老人が座っていた。焦茶色の着物姿。胡座をかき、銀縁の丸眼鏡を通して、眼光鋭くこちらを睨みつけている。

大父様。

年に一度、それも儀礼的な場でしか目に触れないため、その記憶は鮮明とは言い難い。しかしこの尊大な態度、そこから放たれる威圧感は、頭ではなく肌が覚えているそれと、紛うことなく同一のものだ。

「よく来た」

嗄れながらも張りのある声。加えて、「此処の主だ」。摂理を口にするように淡々と。

身体が震える。

説教を喰らうと思っていた。攻め句を浴びせられると。しかし、違った。恐らくここから先、投げられる言葉は多くない。
今目の前にある尊大さこそが、何よりも雄弁。この場における優劣。求められる態度や振る舞い。すべてを語り、諭し、従わせてくる。

「ウツシと申します」

自分のことなど認知に及んでいないだろうと思い、私は自ら名乗った。

しかし、

「知っている」

短く返され、終わり。黙れ、と同義だ。「失礼しました」。頭を下げる。

大父様は口元に皺を寄せ、なおも気難しそうな顔でこちらを睨んでいる。いや、正確には『こちら』ではない。目線の先は私の右隣、制服姿で正座する、彼女。

「『言主』か」

大父様の口が開く。隣の彼女は返事をしない。見ると、呆けた顔で大父様をただただ見つめている。
圧倒されている。無理もない。一般社会でこれほどの覇気を持つ人物に、私たちの年代は出会わない。

「左様でございます」

代わりに答えて、右肘で彼女を小突く。それでようやく我に帰ったか、「あ、はい。『言主』です。すみません」と返した。まだどこか上の空だ。

「では、何か『祝詞』を寄越せ」
「へ?」
「え」

思わず私も声を漏らした。

「『言主』だろう。『祝詞』を」

大父様は繰り返す。

予想外の展開だ。この子が、大父様に祝詞を。

「あの……でも私、ショーちゃん以外に『祝詞』をあげたこと、ありません」
「ではなおのこと。試させろ」
「……えーっと」

目線を泳がせ、助け舟を求めるように私を見る。私も私で、どう返すべきかわからない。
すると、斜め前に座るセンゲが割り入ってきた。

「気負われることはございません。これまでウツシ殿に対して授けられてきたのと同様、自ずと浮かんでこられた言の葉を、そのまま口にされるとよい」
「浮かんだ言葉……」
「そうです」
「えっと……じゃあ……」

す、と息を吸う音。そして、言の葉を。

「『ハッピーターン』」

まずは私が固まった。
固まった故、大父様の反応を見るのが遅れた。慌てて首を巡らすと、大父様、センゲ共に目を丸くし、声を失っている。

「何だそれは」
「……お菓子の名前です」
「ふん」

一笑に伏して、大父様。

「センゲ」
「はい」

名を呼ばれ、センゲはポケットからスマートフォンを取り出す。素早く操作を済ませ、そのまま画面を凝視。一分ほど経って軽く頷き、「祓えました」と一言告げる。

「そうか……」

大父様が目を見開く。

「え、なんですか。なんかまずかったですか」

動揺する彼女に、センゲがスマートフォンを仕舞いながら、答える。

「今、大父様にいただいた『祝詞』を、別室にいる祓い師に伝達しました。決して力の強くない者ですが、箱単位の『クズシ』を一度に祓えた、と報告が」
「『クズシ』……」
「つまり授けた相手以外でも、祝詞を使える」大父様が唸る。「しかも今般、『アタワズ』を祓ったそうだな」

『アタワズ』の四文字に身体が跳ねる。私は頭を下げ、答えた。

「申し訳ございません。まさか祓えるなどとは露ほども思わず……」
「今、それはよい」座ったまま、前屈みになる大父様。「つまりは祝詞を授けさえすれば、一族皆『アタワズ』を祓える。あの馬鹿孫、我らが最高傑作に匹敵する力を持つ者が、量産される」

これは革命だ。
そして脅威だ。

「脅威?」
「通貨と同じだ。増えれば、価値が下がる」言って、「ウツシ」私を呼ぶ。

「はい」
「野に下れ」

静寂。

「……え……」

大父様は隣の彼女に視線をくれたまま、なおも私の方を見ようとしない。

「……今、なんと……」
「禁を犯し、分を超え、霊を祓ったその報いだ。一族の名を捨て、見知らぬ土地で生きて死ね。『言主』を差し出してきた褒美だ。賠償は求めない。向こう数年の路銀も用意しよう。もちろあん学校は辞めてもらうぞ。貴様を通じ、此奴の親から騒がれても敵わん」
「お待ちくださ……」
「ウツシ殿」センゲの声。「弁えを」

言葉が出ない。唇が戦慄く。

追放。

正装を求められなかったところから、違和感はあった。しかし、まさかそこまでの沙汰が下されるとは。

いや、それよりも。
『差し出す』?

「この子……この者はどうなります」
「もう貴様には関係がない」
「お待ちくだ……」

突如、視界に黒い影が映り込む。次の瞬間には頭部に衝撃。痛みを自覚するより前に、頭上から声が降る。

「頭が高い」

センゲの冷たい声。頬骨を床に固定され。頭を押さえつけられているのだと、遅れて認識する。

「ショーちゃん!」隣で彼女が叫ぶ。「止めてください! こんな真似をするなら、私はこの一族に協力しません!」
「誰が協力しろと言った」
「え?」

大父様が立ち上がる気配。衣擦れの音が近づいてくる。

「『言主』の出現は古来より吉凶の証。故に礼を尽くし、丁重にもてなし、禍いに転じることを防いできた。しかし、貴様は既に儀式を反故にし、あまつさえ無断で『アタワズ』を祓っている。もはや凶事と言わざるを得ぬ」
「『アタワズ』を祓ったのは私の不始末です」
私は言う。
「まだ喋るか」センゲの掌、その圧と重みが強まる。「ウツシ殿。貴女はもはや一族の者ではございません。ただ人がこれ以上過ぎた真似をなさるな」。
増す痛み。しかし、続ける。
「大父様、その者は我々の理の外におります。望まぬ力を宿した結果、我らと交わるに至った、それだけの縁。どうか寛大なご措置を」
「一族の理の外におれど、この世の理からは免れぬ」

衣擦れの音が止まり、大父様がしゃがみ込む。正面にある彼女の顔を覗き込むようにして、続けた。

「祓えぬ霊は呪いとなり、呪いは更なる災厄を呼ぶ。災厄を良しとする道理は無い。故にそれを防ぐべく祓い師は祓い、祓えぬただ人はそれに尽くす。尽くすことで初めて、祓いがもたらす恩恵を被るに足る」

故に、尽くせ。
言って、指先で、彼女の顎先を摘む。

「貴様の力には価値がある。同時に脅威でもある。我ら一族の下で、我らの采配で、貴様の価値を消費させろ」

床につけた頬から、地鳴りを感じるかのような威圧感。視界が黒く重く濁っていく。
わかっている。それらすべて、私の幻想。幼少の頃から刷り込まれた畏怖が形となり、私を脅し、恫喝しているだけ。わかっているが、抗えない。

動け。
敵わないと恐るな。赦されないと悟るな。無駄な足掻きと諦めるな。

動け。

「私は、あなた方の言いなりになる気はありません」

顎を触れられたまま、屹然とした口調で返す彼女。大父様は表情を崩さない。

「ならば、従わせるまで」
「どうやって? 今度は私に取り憑きますか?」

す、と感じていた地鳴りが止まった。

私も、私を押さえつけているセンゲも、そして大父様すらも、息を止め、時の狭間に落ちる。

何だ。
今、この子は何と言った?

「最初から違和感でした。ただ人が喋っているようには見えなくて。この距離で見て、ようやくわかった」

座ったまま、彼女は指を真っ直ぐ伸ばし、大父様の胸元へ向ける。

「心臓に憑いていますよね。なんだかわからないけれ

鈍い音。
彼女の身体が跳ね、広間の奥へ飛ぶ。

首を巡らせ、状況把握。センゲが立ち上がり、彼女の身体を横から蹴り飛ばしていた。目を見開き、身体を震わせている。

「大概にしろよなぁ、小娘」
「やめろ!」
「てめぇもだ、弱小」

睨まれ、すぐさま胸ぐらを掴まれる。間近に顔を近づけ、凄みのある声を浴びせられる。

「立ち去れ。忘れろ。関わるな」
「承服しかねます」
「意見を聞いているわけじゃあない」

胸ぐらを掴んだ手が離れ、今度は首元を掴まれる。先ほど頭を押さえつけていたものと変わらぬ圧が、今度は喉元に襲いかかる。

「去れ」
「ショーちゃん!」
「自分の心配をしなさい!」

細く絞られていく喉から、懸命に声を出す。むせて咳が出るが、センゲの力は緩まない。
じたばたと足掻く私の目前で、ゆっくりと、大父様が立ち上がる。蹴飛ばされ離れた位置にいる、彼女との距離を詰める。

「何をしている、センゲ」こちらを見ず、抑揚のない声で。「秘密を聞かれた。ただ去るだけでは事足りぬ」
「……はい」

首を掴む手が片手から両手に変わる。私が危機を危機として捉えるよりも早く、隣で絶叫が轟く。

「やめてください!!!!!」

目の端で捉えていた彼女の影が、動く。頭を床につけ、頭頂部を大父様に向けている。

「協力します。何でもします。だからショーちゃんには、ウツシさんには手を出さないで」

馬鹿。やめろ。

「やめなさい!!!」
「お願いします」
「よかろう」

大父様が頷き、彼女の前で止まる。表情は見えず、乱れた髪とは対照に、足、背、手先までを真っ直ぐに揃えて丸くなる彼女の姿を、黙って見下ろしている。その様子を、首元を締め上げられながら、横目で私は見ている。

異様で、異常で、異質な光景。
ここまで場が荒れることなど、数分前までは欠片も予期していなかった。

何が原因でこうなったのかわからない。
ただ、この先どうなるのかだけは、明確にわかる。

「来い」

着物の裾を柔らかに浮かせ、身を翻す大父様。そのままこちらを見もせず、広間の奥、入ってきたのと同じ戸に向かって歩き出す。彼女も立ち上がり、無言のままにそれに付き従う。

黙ったまま、黙らされたまま、私はそれを眺め、ただ見送る。

何も言えない。
動けない。

大父様の姿が戸の向こう側へと消え、数歩の遅れをとりながら、彼女もそれに続こうとする。しかし広間から出る直前でその歩みが止まり、潤んだ瞳が私を向いた。

バイバイ。

小さな音が空気を震わせ、私の鼓膜に届く。
それが脳に到達し、言葉として意味をなす頃には、すでに彼女の姿は視界から消えていた。


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この作品は、こちらの企画に参加しています。










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