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美しい副作用

「今日も何もなかったな」
と、自分の中では正常な感覚と共に夜を迎えた。

 まぁ、本当に何もしていない人間なんていないし(もし遭遇した場合、それは恐らく人間じゃないので、すぐその場から逃げて通報しましょう)、疲れの所為で脳がヤケクソになって吐いた口癖のようなものだと思う。

 そんな「何もできなかった詐欺」な日々を振り返ってみると、あれまぁ実に多くの副作用で溢れているじゃないか!と、さっきストレッチと同時進行でかき氷を食べながら思ったので、これを書いている。

 朝食を摂れば洗い物が増えるし、二度寝にだるさはハッピーセットだし、
読書をすれば目は疲れるし、人間関係が絡まれば辛いし、ただ生きているだけでお腹が空く。キリがない。

 字面だけでも疲れそうな副作用だが、彼らがもし居なくなったら、無味無臭「今まで何もなかった」ご本人様が赤いカーテンから登場して、国営放送で生中継されてしまう。(本当につまらなそうな顔をしてゲスト用の階段を降りて、ずっと動かずに立ってそう。多分性格悪いし。そもそも人間から何かしらに進化してそうだし)

 小学生の頃、兄と深い草むらでふざけすぎた時の怪我とか、徹夜して最高の詩曲(のちの駄作)が欠けた早朝の口喝と食欲不振だとか、そういう副作用である彼らこそが、作用と作用の接着剤になって、作り上げた「出来事」を隙間なく人生に詰め込んでいる。まだ小さな枠は絶えず膨張し続ける。今日もそうして、残すところ1時間12分となった。

 ちなみに今はというと、昨日の唐突で無茶な筋トレと、そのうえでの文字の書き過ぎ、キーボードの打ち過ぎ、楽器の練習のし過ぎで、主に右の手と指が悲鳴を上げている。
週末に市民オーケストラと、ギターの大事な練習が控えてるので、それまでには治ってほしい。

 また大幅に話が脱線しそうなので、そろそろ終わりにします。

 今日何も成しえなかった、と反省しているあなた。
 何かしら辛くて、体のどこかに力が入ってるあなた。
 自分は人間じゃないと自分を卑下しているあなた。

 苦しむ理由や重さは何であれ、いつかその副作用が、素敵な出来事に成りますように。

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