水面 【散文詩】
クジラの鳴き声がよく聞こえる日は曇りの天気であることが多い、それはきっと海から遠ざけようとしているのに、宿題か残業でもない限り、人は海にやってくる。嵐。絶滅した動物がまだ健康だったとき、美味しい食べ物を探して、美しい花を見つけて、生まれては死んでを繰り返していたことが、まるで人間みたいだと思った。
生きている人が死にたくないと願うように、死んでしまった人が生き返りたいと願わないように、暗い場所が好きな朝も、明るい夜にはなれず、眩しさに憧れる影も、光には届かない。寝癖のついた空が天気予報を確かめて、雨が降るのを待っている。
きみのために風は吹いている そう思えるのはきみのかけがえのない生活が、日々が、 言葉となって浮かんでくるからだと思う きみが今生きていること、それを不器用でも表現していることが わたしの言葉になる 大丈夫、きみはきみのままで素敵だよ 読んでいただきありがとうございます。 夜野