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蝶々の詩



花として生まれました。
太陽の光が降ってくること、震える雨の粒に触れたこと、黄色い蕾が春を呼ぶことをわたしは生まれる前から知っていた。
やがてわたしの茎や葉は手脚へと変わっていき、背中には雲が縫い込まれていた。どこまでも飛んでいけそうなくらい美しい雲だった。
公園を散歩するわたしの隣では、風が人間のふりをしながら歩いている。
楽しいね、空が青くて気持ちいいことを理由に、わたしはいつでも人間を嫌いになれる。



きみのために風は吹いている そう思えるのはきみのかけがえのない生活が、日々が、 言葉となって浮かんでくるからだと思う きみが今生きていること、それを不器用でも表現していることが わたしの言葉になる 大丈夫、きみはきみのままで素敵だよ 読んでいただきありがとうございます。 夜野