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NewsPicks 「【中学受験の選択】茂木健一郎 vs 富永雄輔」を見て。

ハクシノレシピ(以下、ハクレピ)」という幼児教育関連サービスを運営している、髙橋未来です。「シロせんせい」と覚えていただけると嬉しいです。

さて、今日はNewsPicksで気になるライブがあったので珍しくオンタイムで見ました!せっかくなので感想をざっくばらんに書いてみたいと思います。#個人的な見解です。

2/21配信 【中学受験の選択】茂木健一郎 vs 富永雄輔

理想と現実

今回は、中学受験に対して茂木さん【反対】、富永さん【賛成】といった構図での議論でした。個人的にはどちらの意見にも共感できる部分が多くあり、結論づけることはとても難しいなと感じました。

ただ、中学受験の現場に対する解像度が違うので、理想と現実という狭間で議論が浮ついているように見えました。私自身サービスを開発する中で理想と現実の間を行ったり来たりしているため、余計にそう感じたのかもしれません。

私の理想は完全に茂木さん側です。子ども達には勉強ができなくてもいいから、自分の人生は自分で決断して切り拓ける力を身につけてほしい。というか、そのために私は起業して事業を作っています。

でも、実際ビジネスとして考えると理想論だけでは語ることができません。
保護者の皆さんも茂木さんのように子どもを育てたいという気持ちは少なからず持っていると思います。しかし、富永さんがおっしゃるように”普通の子”にとっては中学受験って成功への近道なんですよね。そうなると、親としてはその道を選びたくなることはとてもよくわかりますし、実際そのような方もたくさん見てきました。

社会の学歴や偏差値などに対する価値観も少しずつ変わってきているとは思いますが、足元を見るとまだ引っ張られてしまうのが現実だと思います。まさに、時代は過渡期という感じですね。

中学受験にチャレンジしたという成果?

番組内で、富永さんは「合格不合格ではなく中学受験にチャレンジをしたということが成果だ」というようなことをおっしゃっていました。
私は、この考え方には大賛成です。結果ではなく、失敗を恐れずにチャレンジしたことが大事!これも私が事業を通じて伝えたいことです。

しかし、保護者の方や中学受験にチャレンジをした子どもがそのように割り切ることができるかというと、現時点ではそのようなご家庭は少ないのではないかと感じます。この背景には、茂木さんがおっしゃっていたように、中学受験が課金ゲームになってしまっていることが関係しているのではないかと考えています。

なんのために課金をするのか?それは、合格するために他なりません。ライザップに高いお金を払うのも、結果が保証されているからですよね。結果が出なければ腹が立ちます。私だったら間違いなく返金保証制度も活用します。笑

そこで考えてみたいのが、ライザップで痩せた場合何を成果と捉えるかです。間違いなく〇〇kg痩せたという結果です。
一方、自分なりにウォーキングをしたり食事を変えたりしてお金を使わずに痩せた場合は、それを習慣化した頑張った自分を褒めてあげたくなるのではないでしょうか。

そういう意味で、課金をどれだけしたかによって成果の捉え方は変わってくるのではないかというのが個人的な見解です。

自身の中学受験を振り返って

私は中学受験のために小学校4年生から塾に通い始めました。中学受験のきっかけは、親からの勧めです。父の仕事の関係で幼稚園年長〜小学校1年生は和歌山で過ごし、国立大学の附属小学校に通っていました。その時の環境が良かったから中学は国立に行かせてあげたい、というようなことを言われたと思います。

自分で決めたと言えばそうなのですが、その時の判断軸は「親に喜ばれたい」という一心でした。合格が全てだと思っていましたし、受験勉強を頑張ると褒めてもらえるのも嬉しかったです。小5になると毎日22時まで塾で勉強し(たふり)、夜も2時くらいまで毎日勉強(したふり)。「頑張ってるね」と言われるのが嬉しくて、始まったばかりの生理も半年来なくなりましたが、それも勲章のように思っていました。(今思えばかなり危険な考え方)そして、そんな自分が特別な気がして優越感に浸っていたのも事実だと思います。(超性格悪い、当時の自分が本当に嫌いです。)

その結果、無事に合格を掴み取るわけなのですが全然嬉しくありませんでした。落ちたら死ぬのか…とか思っていたので、どちらかというと安堵感の方が強かったです。

でも合格したら近所や親戚の間で優秀な子、みたいな目で見られるようになってすごく息苦しさがありました。「みくちゃんは頑張り屋さんだから」などと言われるのも苦痛で仕方ありませんでした。振り返ってみれば、褒めてもらえる理想の自分と、本当の自分とのギャップに苦しんでいたのかもしれません。

それでも学校生活では恋も部活もそれなりに嗜んだし、結構青春も謳歌していたように思います。でも、いつも誰にどう思われるかが判断基準になっていたので、自分軸がなくフラフラしていました。(その結果高校時代は学校への行き渋りが始まるのですが、それはまた別の機会に)

結論、当時はとても苦しいもので良い経験ではなかったですが、結果として良かったではないかと思っています。理由は、現在社会で活躍している同級生がたくさんいるからです。やっぱりみんな頭がいい。笑

私の実力からすると、中学時代に交わっていなければ一生交わらなかったような人達が同級生や先輩にいるので、それはメリットと言えるのではないかと思います。

中学受験を良い経験にするために

私が中学受験を良い経験にできなかったのは、心の土台作りが追いついていなかったからだと思います。
幼少期から親や先生、友人にどう思われるか?を気にしてきたので、自分がどうしたいか?で判断ができない子どもでした。

それは、生まれてからずっと親や年の離れた姉達に手をかけてもらってきたことが大きいのではないかと思っています。自分で選ばずとも与えられ、失敗しそうになると手を差し伸べてもらっていました。そしてその通りにしていると「良い子」と褒めてもらえることが嬉しくて、私は「良い子」の枠から出られなくなりました

だから中学受験も自分がチャレンジしたいからではなく、親に褒められたいからチャレンジすることになり、結果自分を苦しめることに繋がってしまいました

今回の放送で中学受験が良い経験となるのは「子どもが自分でやると決めることが前提」という富永さんのお話もありましたが、本当にその通りだと身をもって実感しています。

そしてその決断力は、中学受験を意識するよりもっとずっと前に子どもが身につけるものです。ポジショントークのようになってしまいますが、幼少期の関わり方は本当に大切だと思います。

すべての人が、誰にも遠慮せず、自分だけの人生のレシピを描けるような未来をつくりたい。


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