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Photo by
nepa88
雑記
先日、母と話していて思い出したことだが、ベトナムに20歳そこそこで行った時、たくさん写真を撮っていたはずだった。しかし、それをどこにやったかすっかり忘れていたことに、今やっと気がついた。
母が言うには、会社に提出するからと言って、それきりだったと。
そこまで言われても、記憶はとても曖昧だった。
だが写真、といわれて頭に浮かんだのは、ハノイにあるロッテホテルのロビーを2階から撮った映像だ。いくつかのシャンデリアと、外国人がまばらにいる。床は修学旅行で行った旅館のようなぼけた色した絨毯で、安心した気持ちになったのを覚えている。
他にも、洞窟でライトアップされた岩を撮ったり、どこかの宮殿?庭園?を撮ったりした。はっきりとではなく、夢を思い出すくらいの記憶力だが。
初めての海外旅行は、帰り際をよく覚えている。空港でお土産を探すも、やっぱり買う勇気はでなかったこと。1人、1人と空港を後にして、数日しかともにしなかった人々との別れに勝手に寂しく思ってたこと(世界旅紀行のBGMが脳内に流れてた)。
自分の便が来ても気が付かず、慌てて走ったらラスト1名であったこと。
あの時、若い私は思ったのだった。
なにかこの先あっても、海外に旅することができるという事実があるかぎり、未来は明るいと。
現実から逃げたくなっても、一歩、出てみれば、考え方はぐるりと変わるのだということを。
写真をお上りさんのように何枚も撮ったのに、それらはすべてどこへやら。だけど、それはそれでいいと思った。だって、頭の中の宝箱に大切に保管しているから。たまに取り出して、そのボヤけた輝きを眺められれば充分なのだ。
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