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メゾン木漏れ日と、カフェ「秘密基地」

前半のストーリーはフィクションです。詳しくは「種明かし」に書いてあります。

京都駅から南へ、近鉄電車に乗って30分ほど。

何もない駅を降りたすぐそこに、「メゾン木漏れ日」というアパートがしれっと建っています。

壁は薄いミント色をしていて、5階建て。アパートの前にはマツダの小さな車が一台、ぽつんと停めてあります。

1階の半分はエントランスで、各部屋のポストがぎちっと集まっています。その向かいには掲示板があり、一枚の紙が画鋲で貼り付けてあります。

『ようこそ、メゾン木漏れ日へ。何かお困りでしたら、カフェの方にお入りください。管理人より』

一階のもう半分がカフェになっています。店の前には何種類かの植木鉢が置いてあり、木でできた入り口は、力一杯蹴れば壊れてしまいそうな脆さを感じてしまいますが、どこか暖かさも漂わせています。

ドアの横に小さな立て看板があり

『カフェ「秘密基地」』

と書いてあります。男の人が書いたのでしょうか、字は不格好なのですが、まるで一生懸命に立っているような字です。

ドアの横の壁には窓がついています。そこから覗いてみると、すぐそこがカウンターとなっているのが見えます。その上には使い古されたレジ、コーヒー豆がたくさん入った大きめの瓶、コーヒーミル、ポット、ドリッパーが並んでいます。

そしてカウンターのすぐそばに、男の人が座っています。体は細く、メガネをしています。おそらく20台前半くらいの若さで、分厚く大きめの本を読んでいます。

お客さんは誰もいません。窓から差し込む暖かな光の元で、このお店のオーナーかと思われる青年は、じっと座ったままページをゆっくりとめくっています。

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初めまして

どうも、カフェ「秘密基地」で働いている、おだりょです。

好きなことは、書くこと本や論文を読むこと、写真や映像を撮ること、お洋服のデザインをすること、あとはコーヒーを飲むことです。

この土地に来てから大体4年目くらいです。何にもないところなんですけど、最近だと夕方の4時くらいに近くの小川沿いを散歩すると、それは見事な夕方の景色が広がっていますよ。

うちはあまりメニューの数は多くないですし、全然お客様は来ないです。その分、あたかも自分の家のようにくつろいでいただけますよ(笑)

僕もこの「メゾン木漏れ日」の住人なのですが、カフェをやりたいと元管理人のおじいちゃんに相談したら管理人の仕事まで押し付けられてしまいました。

時々そのおじいちゃんも僕にお菓子やビールを持ってきてくれるもんですから、どうか悪く言わないでください。もう歳ですし、ちょうど良い後任が見つかったと思ったのでしょう。

ですので、今はアパートの住人兼カフェの店員兼アパートの管理人、という感じです。そんなに住人の方も多くないので、今のところそんなに大変なことは起こっていません。皆さん親切ですし、近くのアパートに住む大学生のように夜遅くまで騒いだりしません(笑)

みなさんの秘密基地を作る場所

このアパートは実はちょっと特殊な契約の仕方になっていまして、近くの不動産屋では取り扱っていないんです。

というのも、このメゾン木漏れ日は、皆さんにとっての家、というよりも秘密基地に近いんです。

このアパートにきてくれる人の共通点として、「心を考える人」たちです。みなさんいろいろな職業や生き方をしていますし、考え方は様々ではありますが、共通して自分や誰かの「心」「人間」について考えています。

アパートの部屋は、そんな人たちの「秘密基地」です。帰ってくる場所であり、自分だけの場所であり、安心できる場所であり、考えたいことを考えられる場所なんです。向き合いたいものに向き合える場所です。

都会の様々な声や情報、ノイズに苦しむ人もいれば、自分自身を癒したい人もいます。何かの考えに耽りたい人もいれば、絵を描く人もいるし、たくさんの文字に触れている人も、宇宙とつながろうとしている人もいます。

そんな人たちが自分自身のためだけの場所を、暖かい人たちとのちょうど良いつながりの中に見つけ出す、それが「メゾン木漏れ日」です。

部屋は6.5畳で、トイレとお風呂と洗面所はそれぞれ独立しています。キッチンは一人で料理するには程よい狭さです。

このアパート自体が築16年くらいなので、実はそんなに新しくはないですけど、まだまだ快適に住めそうです。

近くのスーパーとコンビニまでは大体片道歩いて10分くらい、最寄り駅までは3分もあれば着いてしまいます。そこから京都の四条の方だけでなく、奈良、難波、梅田までいけてしまいます。

周りには何もないですけど、実はアクセスが良い場所なんです。意外でしょう(笑)

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きまりごと

僕は大体1階のカフェにいます。営業時間は日によって異なります。詳しくは掲示板をご確認ください。

何かあっても、特に何もなくても、いつでもお越しください。暖かいコーヒーでもお淹れします。

時々、このカフェは集会場やイベントに使われる時もあります。

僕はアパートに住む方々とおしゃべりするのが大好きなので、もしお話ししたくなってくださったら、事前におっしゃってくだされば、こっそりカフェをしめて1時間くらいおしゃべりしましょう。

もしかすると僕の方から誘ってしまうかもしれませんが、お気が進まなかったり忙しかったりするようでしたら本当に遠慮なく断ってくださいね。

お店の方には「カフェnote」というものをテーブル席にご用意させていただいております。誰かに聞いてほしいこと、なんとなく吐き出したいことって、面と向かっておしゃべりできることばかりではないと思います。

そういったものを、そっとノートに書き残してみてください。

もし書いていただいたら、僕もお返事を書かせていただきます。また気が向いたらnoteを覗きにきてくださいね。お返事がほしくない時は、その旨を一緒に書き残していただけるとありがたいです。

僕も気まぐれでnoteに書き込んだりすることも多いと思います。さらっと読んでいただけると僕も嬉しい気持ちになります。

またみなさんに向けたお知らせはエントランスにある掲示板でお知らせいたしますので、定期的に目を向けてみてください。

では、また一緒にコーヒーでも飲みましょう。ありがとうございました。

p.s. たくさんは飲めませんが、お酒も好きですので、飲みのお誘いもお待ちしておりますね。

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種明かし

改めまして、管理人兼カフェで働かせていただいております、おだりょです。

おだくんでも、おだりょーでも、りょうくんでもなんでも良いです。ちなみに小学生の時は一部から「もやしくん」と呼ばれていました。

改めまして、カフェ木漏れ日についてお話しいたします。

こちらはSlack上のコミュニティになります。実在はしておりません。

カフェ「秘密基地」チャンネルと掲示板チャンネルがあります。

秘密基地チャンネルはカフェノートです。書く内容は自由ですし、返事を書くのも自由です。

また掲示板は皆さんへのお知らせ用です。どなたでも掲示板は使えますのでお気軽にどうぞ。

また僕とカフェで二人でおしゃべりしたい時、もしくは僕が誰かと二人でおしゃべりしたい時はDMを通じてやりとりをしていくことにしましょう。ZOOMで楽しくおしゃべりしましょう。

もちろんみんなでおしゃべりも大歓迎ですし、僕から呼びかけるかもしれません。その時は掲示板にお書きください。

入居していただく際は、あなただけの専用チャンネルをお作りいただきます。お手続きはそれだけです。皆さんへの挨拶は、したい方のみで結構ですので掲示板にてどうぞ。

入居後は、ご自分の部屋を、ご自身だけの秘密基地にしてください。やり方がわからない、という方は、僕が一緒に秘密基地作りをさせていただきますので、一声おかけください。

おすすめは、「誰にも言えないことを残しておく」ことです。強い共感や拡散性がないため、辛かったことや印象に残ったこと、でもSNSには書けないようなことをぽつりぽつりと残してみてください。

秘密基地作りを僕とご一緒にされる場合は、皆さんのお部屋で「書く」「話す」「考える」といったことを行います。ややお時間を頂戴してしまいますがご了承ください。

また「ほかの住人と一緒に部屋を借りたい」という方がいらっしゃったら、お部屋をお作りいただいて構いません。趣味の合う方と一緒に過ごす部屋もまた秘密基地です。僕も勝手に「旅行先を考えるための部屋」「写真を飾るだけの部屋」とか作ってしまうかもしれません。

人を呼びたい時は、直接お声かけをするか掲示板にてお知らせしてください。

またわからないことがあったら、遠慮なくカフェにお越しくださいね。

ご入居前にお話ししたい方も大歓迎です。

では、いつでもあなたのご入居、お待ちしていますね。

ご入居の際は、なんなりとお声かけください。



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