恋愛依存症

家庭環境

中間子に生まれた私。兄と妹に比べてかけられる愛情も中途半端に感じ、寂しい思いをしていた幼少期。
大好きだった母方の祖母にも差別的発言をされ、父方の祖母とはそもそも「顔見知り」くらいにしか会っていない。
父方の祖父は亡くなるまで現役で会社を担っていたので会うことは少なかった。私の周りには誰も居なかった。

唯一、寡黙な母方の祖父だけはそんな素振りを見せなかった。若い頃漁師をしていた祖父は、外国まで船を出して仕事していたため、子育てに触れたことがない。私達孫が初めての「子育て」になり、きっとどうすればいいのか分からなかったのだろうが、祖父だけは私の事も平等に可愛がってくれたのだ。

中間子のせいで、なりたくもない要領の良い人間に育ってしまった私は、この家庭環境から逃げるように高専を受験した。表面では「宇宙工学がやりたい」と見栄を張っていたのだが、裏には家庭環境から逃げたいという幼い頃からずっと抱いていた思いがあったのも確かだ。

遠距離恋愛

高専に入学して1番最初に交際したのは、ここから遠く離れた県に住む2つ上の男性。超遠距離恋愛だった。
絵を描くという共通の趣味から知り合い、DMで頻繁に連絡を取るようになり、LINEを交換する頃には交際を初めていた。
年上彼氏なのに甘えて来たり、遠距離だからと「写真送りあおう」と言われたり、「一緒の高校だったら良かったんやけどなぁ」「あずがこっち来た時は泊めてあげるからな笑」とか。「大好きや、あずと知り合えて良かった」なんて言われた日には、もう大悶絶だった。
好きになって、好きに思って貰える喜びを大いに実感した。

だが、所詮は遠距離。会えないから気持ちが冷めていくのも時間の問題で、2ヶ月も経たずにお別れした。「これからは友達で」なんて言葉で別れたけど、今では連絡も取っていない。完全に過去の人になった。

恋愛依存の始まりの恋

次にお付き合いした人が、恋愛依存の引き金となる。
同じクラスの男子。席も離れてて学科も違うけど、共通科目のグループ編成で一気に仲良くなった。波長が合うってこんな感じか。

仲良くなって数週間後。授業の実習が終わって、作業着のまま呼び出され告白されるっていうあんまり良くないシチュエーション。せめて制服に着替えておけばよかった…と後悔。でも好きな気持ちを確かめ合って、晴れて交際がスタートした。
彼とは一年以上続いた。なんでもない話で笑わせてくれて、ちゃんと喧嘩もして、色んな所へ出かけて、恋人らしいこと全部した。1番愛情を注いでくれた。

その愛情に溺れてしまった。「愛される事」を覚えた私は見事に恋愛依存症になり、一緒にいてくれないと嫌、クラスの女子でさえも話してるのを見たくない、そう思うようになってしまった。メンヘラ?ヤンデレ?分からないけど歪んだ恋心に発展していったのは確かだ。

そんな彼も思春期真っ只中の男子高専生。女の子の身体にも興味があるのは当たり前で、ある時それが私の気持ちを逆撫でする。下心と勘違いした私は怒りと絶望に打ちひしがれて、半ば自暴自棄になっていたんだと思う。
それから間もなくして別れる。

愛に溺れたくないのに

恋に恋するなんて言葉があるが、私はきっとそうだった。高専に入ってから彼氏がいない期間の方が短い。憧れでも片想いでもなんでもいいから、相手を好きでいなければ、そして同様に好きになってもらわなければいけない、そんな思考回路。

私にとって交際とは、幼少期放っておかれた分を埋めるための自己満足でもあるのだ。もちろん相手を好きでなければ付き合ったりしないのだが、その付き合っているという状態には満足しなくて、愛情を注がれる部分に満足感を得ているのだ。だから本当に好きになってくれる人が、私の事を知ってくれようとする真摯な姿勢に助けられて来た。

恋愛に依存なんてしたくないのに、構って貰えるという未経験の幸福感にどうしても抗えない。私の恋愛依存は単純で複雑且つ混沌のような理屈付きという、かなり面倒な仕様になっている。


普通の病気も持って鬱病で恋愛依存。こんなに厄介な人間いるだろうか?付き合う人の苦労が知れる。私だったらこんな人間と関係を断ってしまいたい。だって、気持ち悪いもん。



ありがとう今までの人、これからの人。

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