分けることは不可能ではないのか?①

 何事についても、分けることは不可能ではないのか、と私は思っている。ちがいがどんなに明確だと思われる事柄についても、アレとコレは別のことだと画然と分けることは不可能ではないのか、と。

 たとえば、死と生だ。死ぬとは、本当にもはや生きないことなのだろうか。仮に死を、もはや生きないことだとすると、死ねば天国に行くとか言っている人たちは何をどのように考えているのだろうか。もはや死んで生きていないはずなのに、天国へと移動するならば、やはり生きて動いていることになるのではないだろうか。

 「それは霊の次元の話であって…」というのだろうか。では、その場合の霊とは何だろうか。また、次元とは何だろうか。もちろん、昔から霊についてはいろいろな説がある。そして、そのどれもが決定的な説明にはなっていない。霊が本当は何であるか、わたしたちはまだ知らないのだ。いや、その手前、霊というものがあるのかどうかさえ確かめられていないのだ。

 とはいうものの、子ども時代から若いときの私は霊の存在を確信していた。なぜ確信していたかというと、数々の、いわゆる「神秘体験」をしていたからである。その体験のすべてが錯覚や意識の変容に起因していたかどうか、私は今もわからない。判断のしようがないのだ。

②に続く

 


 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?